アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

劇場アニメ『天気の子』(2019年)レビュー[考察・感想]:矮小なる“オレ”の選択

※このレビューはネタバレを含みます。 公式HPより引用 ©︎2019「天気の子」製作委員会 tenkinoko.com 『君の名は。』(2016年)で劇場アニメのあり方を決定的に変えた新海誠監督が,「世界の形を決定的に変える」ことの意味を改めて問うた本作。公開直後から…

アニメをより深く観るためのツール:僕らがアニメをアーカイブする

アニメに限らず,ほぼすべての映像作品は“ただ観ている”だけでも十分に楽しめる媒体として作られている。だが同時にほぼすべての映像作品は,その表現の技法,クリエーターの思想,制作の背景などを知ることで,その楽しさがより深まるようにも作られている…

劇場アニメ『海獣の子供』(2019年)レビュー[考察・感想]:日常に折りたたまれた遙かなる世界

※このレビューはネタバレを含みます。 公式Twitterより引用 ©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会 www.kaijunokodomo.com 五十嵐大介『海獣の子供』(2006-2011年)を原作とするアニメーション作品。原作と同様,難解な展開や感覚的描写が多…

ブログタイトルを変更しました

ブログタイトルを「オタ録ブログ」から「アニ録ブログ」へと変更致しました。 とは言え,執筆者はもちろん,記事内容も変わることはありませんので,今後ともよろしくお願い致します。

アニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿 ー魔眼蒐集列車 Grace noteー』第1話レビュー:加藤誠の意匠

※このレビューはネタバレを含みます。 公式HPより引用 © 三田誠・TYPE-MOON / LEMPC anime.elmelloi.com 三田誠原作・加藤誠監督のアニメ『ロード・エルメロイII世の事件簿 ー魔眼蒐集列車 Grace noteー』の放映が始まった。 ふだん僕は各話ごとにレビューを…

アニメレビュー雑感:カノンとの小さな戦い

〈カノン〉に争う 蓮實重彦は,ことあるごとに映画史の〈カノン〉を忌避する発言をしている。 〈カノン(canon)〉とは宗教教義における「正典」のことであり,要するに「映画を語りたければこれを観ろ」というような規範のことだ。映画界はしばしば「ベスト…