NHKの連続テレビ小説『なつぞら』の放送が始まって以来,戦後から始まる日本アニメの歴史に改めて注目が集まっている。東京の「ユジク阿佐ヶ谷」にて開催される本特集は,日本アニメの草創期に活躍し,宮崎駿を始め,数多くの才能豊かな後継者を生み出した重鎮・大塚康生の仕事に焦点を当てるものである。日本のアニメーションのルーツを知る上で貴重な特集と言えるだろう。
特集データ
開催期間:2019年8月3日〜2019年8月9日
チケット:開館時間の9:40分より整理券を配布。
上映作品:『飄々~拝啓,大塚康生様~』『白蛇伝』『太陽の王子ホルスの大冒険』
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『飄々〜拝啓,大塚康生様〜』(2015年)
「東京アニメアワードフェスティバル2015」にて上映された作品で,大塚にゆかりのあるアニメーターの証言などをまとめたドキュメンタリである。今後上映される機会も少ないと思われるので,機会のある方はぜひご覧になるといいだろう。
『白蛇伝』(1958年)
中国の説話を基に制作された作品。日本初のカラー長編アニメであり,大塚は動画として本作に参加している。特集では,本作の「デジタル修復版」が上映される。「デジタルリマスター版Blu-ray BOX」が10月9日に発売される予定。
『太陽の王子ホルスの大冒険』(1968年)
高畑勲が初めて監督(当時の表記では「演出」)を務めた作品。大塚は作画監督を務めた他,宮崎駿,奥山玲子,小田部羊一など,錚々たるメンバーが参加している。公開当時の評価は低く,興行成績は振るわなかったが,近年ではアニメ史に残る記念碑的作品として再評価されている。
上映期間が少ないのでご注意を。僕も3作品すべて観に行く予定なので,詳しいレビューは後日記事にまとめたいと思う。