アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2022年 秋アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

*この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

 

今年も残すところ一月半。2022年秋アニメもほとんどの作品がクール半ばまでの放送終えている。今回も,現時点までの当ブログ最注目作品を五十音順に(ランキングではないことに注意)いくつか取り上げてみたい。

なお「2022年 秋アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルを茶色にしてある。 

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1 『異世界おじさん』

isekaiojisan.com

新型コロナウィルス感染拡大に伴い,放送が夏クールから秋クールにシフトされたため,当ブログでも秋アニメとして扱うこととする。本記事執筆時点では第6話までの放送が終了している。以下に「2022年 夏アニメ 中間評価」の際のコメントをペーストしておく。

異世界帰りのおじさんと甥のコメディという設定の妙に加え,子安武人(おじさん)と福山潤(甥のたかふみ)のシュールな掛け合いが癖になる秀作ギャグアニメだ。特に子安武人のキャスティングは,このキャラクターにとって最適解だと言えるだろう。独特なテクスチャーの作画もとてもいい。異世界モノのテンプレートに対するオルタナティブとして,このジャンルの底知れぬポテンシャルを感じさせてくれる作品でもある。

 

2 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

g-witch.net

女性主人公学園モノ決闘,そして百合風味と,これまでのガンダムシリーズにはあまり見られなかった成分をふんだんに盛り込んだ意欲作。多くの要素を含みながらも,全体としてきれいに整合性が保たれているため,ストレスなく物語を追うことができる。その意味で,“ガンダム初心者”向けの安定感のあるシリーズと言える。いやあるいは,後半の話数で何らかの“超展開”が起こるのか。

 

3 『サイバーパンク エッジランナーズ』

www.cyberpunk.net

Netflixにて全話配信済み。ポーランドのアクションRPGゲーム『サイバーパンク2077』をベースとしたスピンオフアニメで,海外でも人気の高いTRIGGER今石洋之が監督を務めるということもあり,当初から期待度の高かった作品。TRGGERらしい,ギラギラとしたスピード感のあるアニメーションと“日本アニメ”の風味の融合体が,みごと海外向けに“翻訳”されている。そしてラストにかけてのエモーショナルな演出。間違いなくTRGGER今石の最高傑作の一つとなるだろう。

 

4 『SPAY×FAMILY 第2クール』

spy-family.net

新たなキャラクター・ボンドがフォージャー家に加わり,いっそう賑やかさを増した本作。第2クールに入って諸々こなれた感もあり,特にアーニャの絡むギャグシーンなどは第1クールよりもテンポがよくなったように思える。今後も安心して見続けられるシリーズになりそうだ。しかしその一方で,アニメならではのサプライズ演出が見られることを期待してしまう。この制作陣の力量であれば,第1クールで見られたような良質なアニオリをそれなりの頻度で繰り出しても問題ないだろう。今後に期待だ。

 

5 『チェンソーマン』

chainsawman.dog

絶大な人気を誇る藤本タツキの原作に,今をときめくMAPPAの制作,及び「一社提供」という近年の深夜アニメでは異例の製作方式と,放送前から大きな話題を集めた作品。意図的に抑えられた演出は特に原作勢の間では賛否が分かれているが,個人的には,抑制された芝居とヴァイオレントなアクションで〈静と動〉のコントラストを描く本作の演出方針は高く評価したい。

 

6. 『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』

diy-anime.com

「何を観る?」の記事ではピックアップしなかったが,魅力的なキャラクター丁寧な作画ユニークな舞台設定と,なかなか見どころの多いオリジナルアニメだ。ビッグタイトルが多い今期にあって決して派手な存在感の作品ではないが,この手の良質な小品が定期的に生まれてくるのが日本の深夜アニメのいいところだ。第1話と第2話の演出に関して,以下の記事を参照いただきたい。

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7. 『ぼっち・ざ・ろっく!』

bocchi.rocks

制作陣の自由な解釈が炸裂し,極めて表現力豊かなアニメーションに仕上がった傑作。デフォルメとリアル,ギャグとシリアスの配分がほどよく,毎話飽きさせない作りをしている。「何を観る?」の記事でもコメントしたが,同じガールズバンドを描いた『けいおん!』と比べてみるのも面白いかもしれない。特にキャラ(クター),主要舞台(学校/ライブハウス),楽器の扱い方などにおいて,両作品の間には大きな違いが見られる。第1話から第3話の演出について,以下の記事を参照いただきたい。

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8. 『モブサイコ100 Ⅲ』

mobpsycho100.com

原作をリスペクトしつつも,ほぼオリジナル作品として楽しめるほど制作陣の豊かな解釈が施された本作。第1期・第2期の制作方針を踏襲しつつも,第3期では亀田祥倫が総作監として全話をチェックし,作画の統一を図っている。「第3期ではシリアスな展開が続くので,絵柄に差がないほうが内容が入ってきやすい」という配慮があってのことらしい(「月刊ニュータイプ」2022年12月号掲載のインタビューより)。つまり作画の統一感が,物語が佳境に入ったことを示している。この辺り,あえて総作監を置かずに,アニメーターの自由裁量に任せた第1期・第2期と比べてみるのも面白いだろう。ともあれ,僕らはとうとうこの物語の結末を目にすることができるわけだ。第1期と第2期のレビューは以下の記事を参照していただきたい。

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9. 『ヤマノススメ Next Summit』

yamanosusume-ns.com

これまでと同様,各話でアニメーターの個性がはっきり出る作り方をしており,毎話制作陣のテクニックを見るのが楽しみな作品だ。また吉成鋼のEDアニメーションも本編に合わせて毎話変化するため,実質“Cパート”を観るのに近い楽しみがある。アニメーターたちの技を堪能しつつ,末長く楽しめる作品になるだろう。

 

以上,「アニ録ブログ」が注目する2022年秋アニメ9作品を挙げた。今回は当初の期待作が豊富だったこともあり,いつもよりも多めのピックアップとなった。最終的なランキング記事は,全作品の放映終了後に掲載する予定である。