- 2023年 冬アニメ振返り
- ① 『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』
- ②『王様ランキング 勇気の宝箱』
- ③『【推しの子】』
- ④『カワイスギクライシス』
- ⑤『君は放課後インソムニア』
- ⑥『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』
- ⑦『この素晴らしい世界に爆焔を！』
- ⑧『地獄楽』
- ⑨『事情を知らない転校生がグイグイくる。』
- ⑩『スキップとローファー』
- ⑪『天国大魔境』
- ⑫『贄姫と獣の王』
- ⑬『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』（オリジナル）
- ⑭『山田くんとLv999の恋をする』
- 2023年春アニメのイチオシは…
2023年 冬アニメ振返り
今クールの中で当ブログが最も注目するのは，『TRIGUN STAMPEDE』と『お兄ちゃんはおしまい！』の2作品だ。
『TRIGUN STAMPEDE』は，内藤泰弘のマンガ原作『トライガン』（1995-2007年）を再構築したリメイクアニメである。何と言ってもその最大の特徴は，ハイクオリティの3DCG描画だ。アクション，エフェクト，表情芝居など，“3DCGならでは”と思わせる説得力がある。劇伴での盛り上げ方もたいへん上手く，毎話，劇場アニメを観ているかのようなリッチな視聴体験を味わえる。間違いなく今期作品の中でもトップクラスの出来栄えと言えるだろう。
『お兄ちゃんはおしまい！』は，TSF&日常系ガールズトークという，それ自体としてはよくある設定に依拠しながらも，丁寧な日常芝居や斬新な演出で視聴者の心を捉えている秀作だ。"現実"と"空想"の中間のような世界を描く本作は，日本アニメがこれまで育んできた"日常系"ジャンルの醍醐味を味わわせてくれる。
この他，"殺し屋バディと幼女"というユニークかつ魅力的な擬似家族を描いた『Buddy Daddies』，弐瓶勉ワールドとポリゴン・ピクチュアズが再び強力タッグを組んだ『大雪海のカイナ』，多くの個性的なキャラクターを見事に捌き切った『便利屋斎藤さん，異世界に行く』なども要注目だろう。また，『うる星やつら』と『吸血鬼すぐ死ぬ 2』のギャグ・コメディ路線アニメも面白い。
2023年冬アニメの最終的なランキングは，全作品の最終話放送終了後に掲載する予定である。
では今回も2023年春アニメのラインナップの中から，五十音順に注目作をピックアップしていこう。各作品タイトルの下に最新PVなどのリンクを貼ってあるので，ぜひご覧になりながら本記事をお読みいただきたい。なお，オリジナルアニメ（マンガ，ラノベ，ゲーム等の原作がない作品）のタイトルの末尾には「（オリジナル）」と付記してある。
① 『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』
cinderella-u149-anime.idolmaster-official.jp
【スタッフ】
原作：バンダイナムコエンターテインメント／原案：「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」廾之（サイコミ連載）／監督：岡本学／副監督：高嶋宏之／シリーズ構成：村山沖／アニメーションキャラクターデザイン：井川典恵／コンセプトアート：大久保錦一／デザインワークス：野田猛，小田崎恵子，中村倫子，渡部尭皓，槙田路子／美術設定：曽野由大，高橋武之，金平和茂／美術監督：井上一宏／色彩設計：土居真紀子／3DCGディレクター：石川寛貢，榊正宗，神谷宣幸／撮影監督：関谷能弘／編集：三嶋章紀／音響監督：岡本学／音楽：日本コロムビア／アニメーション制作：CygamesPictures
【キャスト】
橘ありす：佐藤亜美菜／櫻井桃華：照井春佳／赤城みりあ：黒沢ともよ／的場梨沙：集貝はな／結城晴：小市眞琴／佐々木千枝：今井麻夏／龍崎薫：春瀬なつみ／市原仁奈：久野美咲／古賀小春：？？？？／プロデューサー：米内佑希
【コメント】
『アイドルマスター シンデレラガールズ』ジュニア版。身長149cm以下の小学生アイドルたちの活躍を描く同名マンガを原作とする。注目は，『ゲーマーズ！』（2017年）『無職転生〜異世界行ったら本気だす〜』（2021年）の岡本学が監督と音響監督を務める点だろう。学園モノと異世界モノを経た岡本の監督としての手腕が，アイドルモノでどう発揮されるか。楽しみにしたい。
②『王様ランキング 勇気の宝箱』
osama-ranking-treasurechest.com
【スタッフ】
原作：十日草輔／監督：八田洋介／シリーズ構成：岸本卓／キャラクターデザイン・総作画監督：野崎あつこ／サブキャラクターデザイン・総作画監督：村田理／チーフ演出：渕上真／美術監督：金子雄司／美術設定：藤井一志／色彩設計：橋本賢／撮影監督：上田程之／編集：廣瀬清志／音楽：MAYUKO／音響監督：えびなやすのり／音響効果：緒方康恭／アニメーションプロデューサー：岡田麻衣子／アニメーション制作：WIT STUDIO
【キャスト】
ボッジ：日向未南／カゲ：村瀬歩／ダイダ：梶裕貴／ヒリング：佐藤利奈／ドーマス：江口拓也／ベビン：上田燿司／アピス：安元洋貴／ドルーシ：田所陽向／ホクロ：山下大輝／デスハー：下山吉光／デスパー：櫻井孝宏／オウケン：遊佐浩二／ミランジョ：坂本真綾
【コメント】
作画，演出，アクションとあらゆる点で視聴者を魅了した『王様ランキング』（2021-2022）。本作『勇気の宝箱』は，その続編ではなく，本編で描かれることのなかった「スペシャルエピソード」である。監督の八田洋介，シリーズ構成の岸本卓，キャラクターデザインの野崎あつこを始め，ほぼすべての主要スタッフが本編からの続投。ただし一部異同もあるようで，少々気になるところだが，いずれにせよ今期要注目の作品であることは間違いない。個人的にはAirmerによるエンディング「あてもなく」にも注目したい。
③『【推しの子】』
【スタッフ】
原作：赤坂アカ×横槍メンゴ／監督：平牧大輔／助監督：猫富ちゃお／シリーズ構成・脚本：田中仁／キャラクターデザイン：平山寛菜／サブキャラクターデザイン：澤井駿／総作画監督：平山寛菜，吉川真帆，渥美智也，松元美季／メインアニメーター：納武史，沢田犬二，早川麻美，横山穂乃花，水野公彰，室賀彩花／美術監督：宇佐美哲也（スタジオイースター）／美術設定：水本浩太（スタジオイースター）／色彩設計：石黒けい／撮影監督：桒野貴文／編集：坪根健太郎／音楽：伊賀拓郎／音響監督：高寺たけし／音響効果：川田清貴／アニメーション制作：動画工房
【キャスト】
アイ：高橋李依／アクア：大塚剛央／ルビー：伊駒ゆりえ／有馬かな：潘めぐみ／ゴロー：伊東健人／さりな：高柳知葉／アクア（幼少期）：内山夕実
【コメント】
原作は『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』（マンガ原作：2015-2022年）などの赤坂アカと『クズの本懐』（マンガ原作：2012-2017年）などの横槍メンゴによる同名マンガ。超個性的な作家2人のタッグとあって，注目しないわけにいかない作品だ。すでに原作の評価は極めて高く，後はアニメ制作班がどう解釈を施してくるかが見どころ。実は先行上映会も鑑賞済みなのだが，キャラデザ，声優の演技，90分の尺の意味など，原作勢も納得の出来栄えだ。また，YOASOBI のOP「アイドル」と女王蜂のED「メフィスト」は，それぞれがこの作品の"表と裏"をうまく象徴しており，作品のテイストにピッタリと言える。上に掲載した「本予告」で「アイドル」が，「本予告2」で「メフィスト」が使われているので，ぜひ聴き比べていただきたい。期待要素の多い作品である。
④『カワイスギクライシス』
【スタッフ】
原作：城戸みつる／監督：羽鳥潤／シリーズ構成・脚本：皐月彩／キャラクターデザイン：渡辺まゆみ／音楽：成田旬，瀬尾祐介（Starving Trancer / Xceon）／色彩設計：瀬戸治子／美術監督：和田千帆／撮影監督：坪内弘樹／編集：村井秀明／音響監督：中谷希美／音響効果：風間結花／音響制作：ビットグルーヴプロモーション／音楽制作：ポニーキャニオン／アニメーション制作：SynergySP
【キャスト】
リザ・ルーナ：花守ゆみり／よぞら：藤原夏海／向井誠二：小笠原仁／矢薙華澄：会沢紗弥／ガルミ・ルゥ：伊藤彩沙／ラスタ・コール：宮本侑芽／アマト・ロイ：中村悠一／フィアナ・ティアリー：近藤玲奈／亜妻光彦：緑川光／亜妻ささら：富田美憂
【コメント】
城戸みつるの同名マンガを原作とするアニマル系コメディ。地球を支配するために視察に訪れた宇宙人が，初めて見た猫にデレてしまい任務に手が付かなくなる…というだけの話なのだが，猫好きと花守ゆみりファンにとっては絶対に見逃せない作品だ。
『大正オトメ御伽話』（2021年）の羽鳥潤が監督を務める。『大正オトメ』は繊細な演出が光った秀作だっただけに，本作にも期待がかかる。
⑤『君は放課後インソムニア』
【スタッフ】
原作：オジロマコト／監督：池田ユウキ／シリーズ構成・脚本：池田臨太郎／キャラクターデザイン：福田裕樹／美術監督：大西達朗／美術設定：平澤晃弘／美術背景：草薙／色彩設計：小野寺笑子／2Dワークス：中村倫子／3Dワークス：山崎嘉雅／撮影監督：姫野めぐみ／撮影：グラフィニカ／編集：長谷川舞（editz）／音響監督：本山哲／音楽：林ゆうき／アニメーション制作：ライデンフィルム
【キャスト】
中見丸太：佐藤元／曲伊咲：田村好／白丸結：戸松遥／受川太鳳：山下誠一郎／蟹川モトコ：Lynn／穴水かなみ：藤原夏海／野々三奈：諸星すみれ／倉敷兎子：能登麻美子／灰田塁：狩野翔
【コメント】
オジロマコトの同名マンガを原作とする青春ラブコメ。「インソムニア（不眠症）」に悩む高校生の男女が天文部を立ち上げ，やがて惹かれ合うという話だけあって，"夜"の美術が一つの見どころとなるだろう。またPVを見ると，素朴だが原作の持ち味を生かしたキャラクターデザインが目を引く。流行に流されない，芯の通った作品になりそうだ。
⑥『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』
【スタッフ】
原作：吾峠呼世晴／監督：外崎春雄／キャラクターデザイン・総作画監督：松島晃／脚本制作：ufotable／サブキャラクターデザイン：佐藤美幸，梶山庸子，菊池美花／プロップデザイン：小山将治／美術監督：衛藤功二／撮影監督：寺尾優一／3D監督：西脇一樹／色彩設計：大前祐子／編集：神野学／音楽：梶浦由記，椎名豪／アニメーション制作：ufotable
【キャスト】
竈門炭治郎：花江夏樹／竈門禰󠄀豆子：鬼頭明里／時透無一郎：河西健吾／甘露寺蜜璃：花澤香菜／玄弥：岡本信彦／半天狗：古川登志夫／玉壺：鳥海浩輔
【コメント】
『立志編』『無限列車編』『遊郭編』に続くシリーズ4作品目。この作品についてはもはや事前に語ることはないだろう。座して待つのみである。
⑦『この素晴らしい世界に爆焔を！』
【スタッフ】
原作：暁なつめ／原作イラスト：三嶋くろね／監督：安部祐二郎／総監修：金崎貴臣／シリーズ構成：上江洲誠／キャラクターデザイン：菊田幸一／色彩設計：吉田沙織／美術：アトリエムサ／3D：MADBOX／撮影：EXPLOSION／編集：木村佳史子／音響監督：岩浪美和／音響効果：小山恭正／録音：山口貴之／音響制作：HALF H・P STUDIO／音楽：甲田雅人／音楽制作：日本コロムビア／アニメーション制作：ドライブ
【キャスト】
めぐみん：高橋李依／ゆんゆん：豊崎愛生／こめっこ：長縄まりあ／あるえ：名塚佳織／ふにふら：富田美憂／どどんこ：鈴代紗弓／ねりまき：石上静香／ちょむすけ：生天目仁美／ぷっちん：酒巻光宏
【コメント】
暁なつめの同名ライトノベルを原作とする『この素晴らしい世界に祝福を！』（第1期：2016年，第2期：2017年）からのスピンオフ作品。紅魔族のめぐみんが最強（ネタ）魔法の「爆裂魔法」を習得していく姿を描く。制作会社は第1期と2期のスタジオ・ディーンからドライブに変更，監督も金崎貴臣から安部祐二郎に交代している（金崎は総監督として続投）。すでに発表されている第3期もこの制作体制が引き継がれるものと思われる。PVを見る限り，制作会社変更による違和感は感じられない。これまでのシリーズと同様，楽しい作品になることを期待しよう。
⑧『地獄楽』
【スタッフ】
原作：賀来ゆうじ／監督：牧田佳織／シリーズ構成：金田一 明／キャラクターデザイン：久木晃嗣／音楽：出羽良彰／制作：MAPPA／企画：ツインエンジン／原作協力：少年ジャンプ＋編集部
【キャスト】
画眉丸：小林千晃／ 山田浅ェ門佐切：花守ゆみり／ 亜左弔兵衛：木村良平／山田浅ェ門桐馬：小野賢章／杠：高橋李依／山田浅ェ門士遠：小林親弘／山田浅ェ門典坐：小林裕介／ヌルガイ：小市眞琴／民谷巌鉄斎：稲田徹／山田浅ェ門付知：市川蒼／山田浅ェ門仙汰：山下大輝／山田浅ェ門衛善：古川慎／山田浅ェ門期聖：土岐隼一／山田浅ェ門源嗣：ボルケーノ太田
【コメント】
原作は賀来ゆうじの同名マンガ。制作は今を時めくMAPPAである。『呪術廻戦』（2020年）『チェンソーマン』（2022年）などを手がけてきたMAPPAが，本作のダークな雰囲気をどう料理するかが楽しみだ（ちなみに賀来は『ファイアパンチ』連載時の藤本タツキのアシスタントをしていた）。また，花守ゆみりファンにとっても絶対見逃せない作品である。監督は『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』（2020年）や『賭ケグルイ双』（2022年）などの牧田佳織が務める。
⑨『事情を知らない転校生がグイグイくる。』
【スタッフ】
原作：川村 拓／監督：影山楙倫／助監督：川西泰二／シリーズ構成：ヤスカワショウゴ，ほしかわたかふみ／キャラクターデザイン：嘉手苅睦／美術監督：呂佳芳／色彩設計：柳井皓太／撮影監督：川田哲矢／編集：柳圭介／音響監督：原口昇／音楽：増田俊郎／アニメーション制作：スタジオサインポスト
【キャスト】
西村茜：小原好美／高田太陽：石上静香／日野大地：河西健吾／安達海美：近藤玲奈／笠原すみれ：丸岡和佳奈／北川虎太郎：天﨑滉平／高田雪子：種﨑敦美／茜の父：福山潤
【コメント】
原作は川村拓による同名マンガ。懐かしい世界観に，懐かしいキャラクターデザインのハートフル・コメディだ。いわゆる"美形キャラ"が氾濫する深夜アニメにあって，この手のユニークかつ魅力的なデザインのキャラクターが楽しめるのは嬉しい。ベテラン・影山楙倫が監督を務めるのも大きなポイント。
⑩『スキップとローファー』
【スタッフ】
原作：高松美咲／監督・シリーズ構成：出合小都美／副監督：阿部ゆり子／キャラクターデザイン・総作画監督：梅下麻奈未／総作画監督：井川麗奈／プロップ設定：樋口聡美／美術監督：E-カエサル／美術監修：東潤一／美術設定：藤井祐太／色彩設計：小針裕子／撮影監督：出水田和人／3D監督：市川元成／編集：髙橋歩／音響監督：山田陽／音楽制作：DMM music／音楽：カッパエンターテインメント，若林タカツグ／アニメーション制作：P.A.WORKS
【キャスト】
岩倉美津未：黒沢ともよ／志摩聡介：江越彬紀／江頭ミカ：寺崎裕香／村重結月：内田真礼／久留米誠：潘めぐみ／ナオ：斎賀みつき／迎井司：田中光／山田健斗：村瀬歩／兼近鳴海：木村良平／高嶺十貴子：津田美波
【コメント】
高松美咲の同名マンガを原作とする学園コメディ。PVからは爽やかな世界観とキャラクターデザインが伺える。監督はWIT STUDIOオリジナルアニメ『ローリング⭐︎ガールズ』（2015年）の出合小都美，制作はP.A.WORKS。座組も申し分ない。個人的には主演の黒沢ともよの演技にも注目したい。本作の爽やかなイメージにぴったりのキャスティングだと思われる。
⑪『天国大魔境』
【スタッフ】
原作：石黒正数／監督：森大貴／シリーズ構成：深見真／キャラクターデザイン：うつした（南方研究所）／ヒルコデザイン：古川良太／プロップデザイン：富坂真帆，澤田譲治／銃器デザイン：髙田晃／メカデザイン：常木志伸／色彩設計：広瀬いづみ／美術監督：金子雄司／美術設定：ブリュネ・スタニスラス，伊井蔵，上田瑞香，平澤晃弘，高橋武之／3D：directrain，IG3D，5（five）／モーショングラフィックス：大城丈宗／2DW：CAPSULE，濱中亜希子／撮影監督：脇顯太朗／編集：坂本久美子／音響監督：木村絵理子／音楽：牛尾憲輔／アニメーション制作：Production I.G
【キャスト】
マル：佐藤元／キルコ：千本木彩花／稲崎露敏：中井和哉／トキオ：山村響／コナ：豊永利行／ミミヒメ：福圓美里／シロ：武内駿輔／クク：黒沢ともよ／アンズ：松岡美里／タカ：新祐樹／園長：磯辺万沙子／猿渡：武藤正史／青島：種﨑敦美
【コメント】
原作は石黒正数による同名マンガ。「このマンガがすごい！2019 オトコ編」では1位にランクインしている。PVを見ると，個性的なキャラクターデザインや廃墟の美術などが目を引く。脚本は『PSYCHO-PASS』シリーズ（2012年-）や『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』（2022）などの深見真，美術は『王様ランキング』（2021-2022年）や『TRIGUN STAMPED』（2023年）などの金子雄司，制作はProduction I.G。力のある座組である。
⑫『贄姫と獣の王』
【スタッフ】
原作：友藤結／監督：今千秋／シリーズ構成：水上清資／キャラクターデザイン：長谷川眞也／サブデザイン：都築裕佳子／美術監督：飯田葉月／色彩設計：舩橋美香／撮影監督：八木祐理奈／編集：仙土真希（REAL-T）／音響監督：明田川仁／音楽：KOHTA YAMAMOTO／音楽制作：ポニーキャニオン／アニメーション制作：J.C.STAFF／プロデュース：WOWMAX
【キャスト】
サリフィ：花澤香菜／レオンハート：日野聡／アヌビス：寺島拓篤／ヨルムンガンド：小林親弘／アミト：潘めぐみ／キュク：貫井柚佳／ロプス：藤原夏海／ベンヌ：吉野裕行／ラントベルト：畠中祐／フェンリル：？？？／グレイプニル：？？？
【コメント】
原作は友藤結による同名マンガ。いわゆる少女マンガのカテゴリーである。異形の人外の中の少女，というアンバランスが絵的に面白い作品だ。監督は『ひぐらしのなく頃に』（2006年）などの今千秋。キャラクターデザインを『美少女戦士セーラームーン』（1992-1997年）や『少女革命ウテナ』（1997年）などの長谷川眞也が務めるのも頼もしい。
⑬『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』（オリジナル）
【スタッフ】
原作：MAD ミルクポット markets／原案：JUN INAGAWA／監督：博史池畠／副監督：川瀬まさお／脚本・シリーズ構成：谷村大四郎／キャラクターデザイン：沢友貴／コンセプトアーティスト：紺野大樹／プロップ設定：杉村絢子／美術監督：坂上裕文（ととにゃん）／美術設定：加藤浩（ととにゃん），浅見由一（ととにゃん）／色彩設計：歌川律子／撮影監督：松向寿（STAR Laboratories）／編集：武宮むつみ／音響監督：本山哲／音響効果：白石唯果／録音：伊東光晴／音響制作：ビットグルーヴプロモーション／音楽：羽柴吟／アニメーション制作：バイブリーアニメーションスタジオ
【キャスト】
オタクヒーロー：古川慎／アナーキー：ファイルーズあい／ブルー：愛美／ピンク：黒沢ともよ／狂太郎：楠木ともり／SHOBON：斉藤壮馬／スレイヤー：芹澤優／ニック：興津和幸／オールドリーダー：杉田智和／ミリオタ：間島淳司／ゲーオタ：子安武人／鉄オタ：奥村翔／自衛隊オタ：兼政郁人／アニオタ：稲田徹／ドルオタ：石谷春貴／プロレスオタ：高橋伸也
【コメント】
謎の勢力の出現により，あらゆるオタク文化を排除された日本で，「オタクヒーロー」率いる革命軍が反旗を翻す，という話。今回のピックアップの中で唯一のオリジナル作品である。正直を言えば，「オタク文化を破除された日本」という設定には既視感があり，またアキバ＋オタク＋オリジナルアニメという組み合わせには地雷も多いのだが，希少なオリジナル作品としてピックアップしておこう。監督は『キラッとプリ⭐︎チャン』（2021年）や『トニカクカワイイ』（2020年）などの博史池畠が務める。
⑭『山田くんとLv999の恋をする』
【スタッフ】
原作：ましろ／監督：浅香守生／シリーズ構成：中西やすひろ／キャラクターデザイン：濱田邦彦／美術監督：清水友幸／色彩設計：大野春恵／3D監督：新垣隼／撮影監督：酒井淳子／編集：木村佳史子／音響監督：明田川仁／音響効果：安藤由衣／音楽：ミト（クラムボン）× DÉ DÉ MOUSE／プロデュース：EGG FIRM／アニメーション制作：マッドハウス
【キャスト】
木之下茜：水瀬いのり／山田秋斗：内山昂輝／佐々木瑛太：花江夏樹／佐々木瑠奈：加隈亜衣／前田桃子：大西沙織／鴨田たけぞう：飛田展男／椿ゆかり：土屋李央
【コメント】
ましろによる同名マンガを原作とする恋愛アニメ。監督・浅香守生×キャラデザ・濱田邦彦×制作・マッドハウスということで，『ちはやふる』（第1期：2011年，第2期：2013年，第3期：2019年）制作メンバーの多くが集結している（この他に，美術監督の清水友幸，色彩設計の大野春恵，編集の木村佳史子など）。PVからも『ちはやふる』によく似た爽やかなテイストが伝わってくる。『ちはやふる』は高い評価を受けたアニメだっただけに，本作も大いに期待できるだろう。
2023年春アニメのイチオシは…
2023年春アニメの期待作として，今回は14作品をピックアップした。今回はオリジナル作品が少なかったこともあり，原作付きのみのピックアップとなっている。この中でもイチオシはやはり『【推しの子】』だろう。原作の"表"と"裏"をアニメ班がどう表現してくるか見物だ。
次点としてはやはり『王様ランキング 勇気の宝箱』だ。前作のクオリティが極めて高かったこともあり，期待が高まる。その他，『天国大魔境』，『この素晴らしい世界に爆焔を！』，『事情を知らない転校生がグイグイくる。』にも注目しておきたい。
以上，2023年春アニメ視聴の参考にして頂ければ幸いである。
