アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2024年 春アニメランキング[おすすめアニメ]

*この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

夏の酷暑が猛威を振るい始める中,2024年春アニメもすべての作品が放送を終了した。今回の記事では,恒例通り2024年春アニメの中から,当ブログが特にクオリティが高いと判断した7作品をランキング形式で振り返ってみたい。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。今回は「中間評価」の記事ではピックアップしなかった作品がランクインしている。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。

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7位:『アストロノオト』(オリジナル)

sh-anime.shochiku.co.jp

【コメント】
SNSを賑わせるような派手さはないが,1クールものとして無理のないシンプルなストーリー,丁寧な演出,魅力的な脇キャラの設定など,オリジナルアニメとして評価されるべき作品に仕上がっていた。特に若林父子のエピソードは,本筋とはほとんど関係ないにもかかわらず,作品の魅力を一層高める要素として効果的だったと言える。昭和感たっぷりのOPも見応えがある。この水準のオリジナルアニメをコンスタントに作り続ける文化的土壌が,日本のアニメから失われないことを切に願う。

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6位:『この素晴らしい世界に祝福を!3』

konosuba.com

【コメント】
人気作品の続編ということで当初から手堅い評価の見込めた作品だが,だからといって無難な線に収まることなく,むしろ作画面ではかなり挑戦的なことを敢行していたように思う。それもこの作品の本質を成しているのが“遊び”だからなのだろう。制作会社はドライブに交代したが,本作の本質的な面白さはきちんと継承されているようだ。福島潤雨宮天高橋李依茅野愛衣らメインキャストを中心とした声優陣の技も健在。いや以前にも増してパワーアップしている。続編も期待したい。

 

5位:『終末トレインどこへいく?』(オリジナル)

shumatsu-train.com

【コメント】
監督の脳内にあるシュールな世界観を希釈することなく提示してみせた本作。それだけにやや詰め込みすぎた感もあったが,毎話がオリジナルアニメ特有のワクワク感に満ちた秀作だった。バラエティに富んだ世界観の一方で,“友情”というシンプルなテーマが一貫して流れていた点も評価に値する。本作のように大衆ウケを敢えて狙わない,尖った作品が散発的に生まれるのが日本アニメのよいところだ。

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4位:『鬼滅の刃 柱稽古編』

kimetsu.com

【コメント】
これまでシリーズで最もアニメオリジナルが多かった『柱稽古編』。特に炭治郎と隊士との交流を掘り下げたことで,『無限城編』での最終決戦に向けた“布石”が原作以上にはっきりと打たれた形となった。また第7話の鬼舞辻登場シーンには思わず唸った。まるでスローモーションのようにゆっくりと産屋敷邸に向かう鬼舞辻を,緻密で濃厚な撮影処理で見せる。まさしくufotableならではの演出。これにより最終話の爆破シーンとのコントラストも生まれ,たいへん見応えのあるラストとなったと言える。すでに『無限城編』劇場版三部作の制作が報じられている。原作ファン,ufotableファンとして,この作品を最後まで見届けよう。


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3位:『怪獣8号』

kaiju-no8.net

【コメント】
主人公・日比野カフカが背負う怪獣としての運命に,カラーのデザインによる怪獣の醜悪さ。それらとコントラストを成すようなユルめの日常ギャグ。シリアスとコミカルの両極端が成すテンションがたいへん小気味のよい作品だ。10話「曝露」以降の緊張感の創出が素晴らしく,最終話のクライマックスまで見事なまとまりを見せていた。大河内一楼のシリーズ構成の勝利といったところだろうか。『ウルトラマン』『デビルマン』『寄生獣』『進撃の巨人』。連綿と受け継がれる〈受動的変身譚〉の1つとして,堂々たる存在感を放つ作品だ。すでに続編の報が出ている。今後も期待しよう。


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2位:『ダンジョン飯』

delicious-in-dungeon.com

【コメント】
2024年冬アニメランキングでも2位としてピックアップした作品。第2クールはファリンを巡るややシリアスなエピソードが中心だったが,あらゆる事象を「飯」というテーマに帰着させていく展開は最後まで変わらぬまま。このブレのない一貫性が『ダンジョン飯』という作品の醍醐味なのだろう。作画面では,ファリンのぽやっとしたキャラと魔物の「かっこよさ」を融合させた17話,夢の中のシーンの芝居が冴えた19話などが優れていた。原作の持ち味に制作会社TRIGGERの技術をトッピングすることで得られた妙味。本作はこの会社の新基軸の成功例として記憶されることだろう。第2期制作の報も出ている。


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1位:『響け!ユーフォニアム 3

『響け!ユーフォニアム 3』最終回「つながるメロディ」より引用 ©︎武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

anime-eupho.com

【コメント】
ミュージックアニメでありながら演奏シーンを抑制し,心理ドラマをじっくり描くことに注力した『響け!ユーフォニアム』シリーズ完結編。第12話における“原作改変”もあって,賛否相半ばする結果となったが,それによって生まれた豊かなドラマを当ブログは最上級の賛辞をもって評価したい。また,これまでのシリーズ以上に“画で語る”という方法をとった演出方針は,本作のアニメーションを絵画作品のように密度の高い映像媒体に昇華させていた。京都アニメーション作品の中でも特に質の高い演出として高く評価されるべきだろう。

少し余談だが,京都アニメーションは2020年から続けてきたYouTube公式チャンネルによる追悼映像配信を終了し,それに代えて,京都府宇治市の市立「お茶と宇治のまち歴史公園」に「志を繋ぐ碑」を設置した。京都アニメーションをとりまく状況は少しずつ変わってきている。それもよい方向に。2015年から始まった『響け!ユーフォニアム』シリーズが見事な結末を迎えたことは,それを象徴する出来事かもしれない。僕らの京アニの「次の曲」が奏られるのを心待ちにしよう。

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● その他の鑑賞済み作品(50音順)
『WIND BREAKER』『うる星やつら』『狼と香辛料』『ガールズバンドクライ』『怪異と乙女と神隠し』『戦隊大失格』『無職転生 Ⅱ〜異世界行ったら本気だす〜第2クール』『ゆるキャン△ 3』『夜のクラゲは泳げない』

 

以上,当ブログが注目した2024年春アニメ7作品を紹介した。

今期は『終末トレインどこへいく?』 のような“ぶっ飛んだ”オリジナル作品が観られたことが何よりの収穫だ。しかし,まだまだオリジナルアニメの本数は相対的に少ない。アニメーションや脚本の点でも,まだまだ上の水準を目指せるだろう。今後もっと“ぶっ飛んだ”作品が観られることを願う。

また今期は上述の『響け!ユーフォニアム』の他,本記事では取り上げなかった『ガールズバンドクライ』や,劇場作品『数分間のエールを』など,花田十輝の脚本が輝いていた。花田の脚本が時として賛否両論を招くことは確かだが,彼の腹の底から湧き上がるような感情の表現がある種の作品には欠かせない要素であることも確かだ。今後も要注目の作家である。

2024年夏アニメのおすすめに関しては以下の記事を参照頂きたい。

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