*この記事は各作品の内容に関する部分的なネタバレを含みます。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

夏に泥んでいた季節がようやく秋へ移ろう気配を見せる中,2025年夏アニメも全作品の放送が終了した。今回も恒例通り,2025年夏アニメの中から当ブログが特にクオリティが高いと判断した11作品をランキング形式で振り返ってみよう。コメントの後には,作品視聴時のXのポストをいくつか掲載してある。今回は「中間評価」の記事でピックアップしたものから異動はない。
なお,この記事は当ブログの評価基準において「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているため,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。
11位:『フードコートで,また明日。』
【コメント】
話数を追うごとに和田と山本のキャラへの愛着が沸く。独特な対話劇の妙味がクセになっていく。大きな事件が起こるわけでもないのに毎話が楽しみになる。目立った作品ではなかったが,“日常系ガールズトークアニメ”としてここまで成功した作品もそう多くないだろう。アニメにおける〈日常芝居〉を重視する当ブログとしては,この作品を評価しないわけにいかない。こういう作品にこそ,実写には真似できない,アニメ独自の魅力が詰まっているのだ。
『フドあす』2話。これは癖になりそうなアニメ。作画もしっかりしてる。“こういう子いるよね”と思わせるキャラデザがこの作品にマッチしていてとてもいいと思います。特に和田。髪の毛ロングで耳がサルっぽく出てる細身の女の子って、ほんとにいますよね。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月15日
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『フドあす』3話。やっぱこのアニメ好き。どんどん面白くなるし、どんどんこの2人が愛おしくなる。日本のどこかでこういう友情を育んでる女子高生がいることを祈りたい。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月21日
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『フドあす』4話。いい話数でした。夏だ暑い→歯医者→虫歯→熱いものがしみる→夏だ熱いの連想が面白い。メンヘラ気味の和田が可愛い。カンタン♡ラフレシアの山本も可愛い。最後の場面、僕らが山本と共にほっとしたとすれば、それは本作のキャラメイクが成功しているからに他ならない。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月28日
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『フドあす』5話。ここよかったですねー。ここまで観てきた僕らとしては、もう1枚目と2枚目だけで“欠乏感”がハンパないわけですよ。ロングショットで2人を小さく写したのも効果が大きい。ここに窓からの景色と山本のスマホで無言の時の流れを示す。とてもエモーショナルな演出でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月5日
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『フドあす』6話。コロコロ変わる和田の表情がいい。山本の前でしかこういう表情は見せないんだろうなと思うとなお愛おしい。宮崎ヒヨリさんも話数を追うごとに和田役を自分のものにしていってる感じがある。それと斉藤さん、普通に顔出しして普通に美少女なの笑った。ゴリラどこ行った。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月11日
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10位:『よふかしのうた Season 2』
【コメント】
OPアニメーションと連携しつつ,探偵さん≒鶯餡子≒目代キョウコの葛藤と諦念と安堵を描き切ったSeason 2。彼女以外にも,星見キクや本田カブラなど,主役以外のキャラを立たせる演出が多かったように思う。そもそも『よふかしのうた』は,ナズナとコウの関係を中心としながらも,その脇を固めるバイプレイヤーのキャラが魅力的な作品であり,そのことを証明するかのようなシリーズだったと言える。続編の報はまだ出ていないが,是非とも完結編までアニメ化して欲しい作品である(原作はすでに完結している)。
『よふかしのうた2』3話。もー完璧。まず短尺のアヴァンからOP入りで、ジッポーの所作を重ねてくるとかかっこよすぎです。オールドレンズの色収差やライトリークの色彩も、作品全体の色彩設計とマッチしていて最高。総じてAパートは探偵さんの憎悪に満ちたカッコよさが抜群でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月18日
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『よふかしのうた2』4話。とてもとてもとても素晴らしい演出でした。病の象徴としての鼻血から始まるカブラの回想。やがて血は生と性の歓喜のイメージへと変わり、このアニメの最大の特徴である“色づく夜”と美しく調和していく(ほぼアニオリ)。これぞアニメ化の付加価値。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月25日
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『よふかしのうた2』5話。これぞこの作品の“失恋”の描き方なんですよね。人間同士のヘテロセクシュアルでは決して描き切れない感情のオルタナティブ。4枚目の光と影の両方を纏ったカブラ、カッコよかったです。2週に渡る“カブラ回”、最高の演出でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月1日
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『よふかしのうた2』8話。前編にわたる異常なほど密度の高い芝居、“ビデオカメラでの撮影”という生々しさを醸したカメラワークとレンズ効果。いずれもナズナとキョウコの間で発生した“非現実的現実”をきわめて的確に表した演出でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月22日
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『よふかしのうた2』9話。この場面でのCreepy Nutsのインは最高でしたね。この時の探偵さんの心情を考えると、この疾走(?)の描写もグッとくるものがある。そして流れを断ち切るナズナとの対峙と、Creepy Nutsのカットアウト。素晴らしい。全体的に王家衛の映画を観ているような#よふかしのうた pic.twitter.com/8fiEAY5r1j
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月29日
『よふかしのうた2』11話。過去に縛られセピア色だった“探偵さん”の世界が、まるで血が通ったかのように俄かに色づく。花火の見せ方もよかったですね。さっきも言いましたが、これは探偵さんが突然キャラ変したのではなく、逆にこの10年が彼女にとって“無理”だったということ。#よふかしのうた pic.twitter.com/cnc3hgHJhP
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月12日
『よふかしのうた2』最終話。この探偵さん好きなんですよね。10年の“無理”から解放された大人の甘え。恋とか愛とか年齢とか関係なく、純粋に温もりを求めてしまう瞬間。男でも女でもこうなることはある。“探偵さん”“鶯餡子”そして“目代キョウコ”を全て見せてくれたSeason2でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月19日
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9位:『薫る花は凛と咲く』
【コメント】
“現代版『ロミオとジュリエット』を”ベースとしながら,薫子と出会った凛太郎が徐々に内的な成長を遂げ,周囲との関わり方を変化させていく様を丁寧に描いた秀作。特に昴との対話,クラスメイトとの友情の育み方,そして両親との関わり方など,“凛太郎”という人格を成り立たせるキャラクター環境がじっくりと描写されていたことにより,単なる“恋愛モノ”以上の作品価値を得ていた点が高評価に値する。キャラクターデザインや芝居もクオリティが高く,黒木美幸監督の手腕が遺憾無く発揮された作品となった。
『薫る花は凛と咲く』6話。凛太郎と昴のシーンがよかった。女性の髪を風で靡かせる演出は定番ですけど、かつて薫子が「綺麗」と言った昴の髪だけに、この場面での効果は抜群。と思ったら今回の演出は『やがて君になる』の加藤誠さん。この方に風を操らせたら右に出る者はいない。#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/zKP3gQhUFe
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月9日
『薫る花は凛と咲く』7話。いやーいいですねー。この1枚絵から立ち昇ってくる男たちの感情、たまらんですよ。早くOPのこの場面が見られるといいですね。若いってのはいいねー!
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月16日
#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/D8zPUbWI1L
『薫る花は凛と咲く』8話。奇跡の菓子パ。このカバンの置き方がいいんですよね。もはや互いに壁を作っている者たちの置き方ではない。かつて千鳥と桔梗のカバンがこのように寄り添ったことはないだろう。そして園児に「感情の正体」を教わる凛太郎も、彼らしくていいですね。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月23日
#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/ZWIEUhmCZY
『薫る花は凛と咲く』9話。今回の主役は凛太郎ママですね。アニメを長く観ていると(年とったってことですが)親の方に心が同期してしまう。あと男子の初恋相手は母親に似てる説とかはどうでもいいですが、少なくとも凛太郎の心を救う女性の笑顔はまさにこういう感じなんですよね。#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/NUuasZPx0y
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月30日
『薫る花は凛と咲く』11話。凛太郎パパ、上弦の壱並みに怖い登場でしたが、とてもいいパパでしたね。この作品はただの甘々恋愛モノにとどまらず、凛太郎が友人や家族との関わりを変容させていく様を描いているのがいい。あと女の子がケーキ食べてるシーンで涙ぐんだの初めてです。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月13日
#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/Ilkia9MHY7
『薫る花は凛と咲く』最終話。とびっきりの両思いの物語。薫子の髪飾りの反射が綺麗だった。そんな“和栗薫子”を誕生させた凛太郎との出会い。身長差で怯えさせないようしゃがんで話しかける凛太郎の優しさ。薫子の中で彼はとっくにイケメンだったんですね。そして加藤誠の風ですよ。#薫る花は凛と咲く pic.twitter.com/630ysqNqd4
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月27日
8位:『光が死んだ夏』
【コメント】
反復される“合唱”のシーン,蝉の羽化,向日葵,実写の風景など,数々のアニオリ演出を盛り込むことにより,本作の魅力を増幅させることに成功していた。「ドロドロ」などの描写によってホラー感を高める一方で,よしきのヒカルに対する想いや,閉鎖的な村社会への密かな反発など,丁寧な内面描写が成されていたことが評価に値する。この作品が単なるホラーマンガ以上の価値を持つことが,このアニメ化でも明確に示されたと言えるだろう。すでに続編の報も出ている。完結編まで見届けよう。

『ひかなつ』1話。いやー素晴らしい第1話でした。構成をガッツリ変えてきたのにも驚いたけど、それ以上に合唱の“日常”と田中の“暴力”のカットバックと、匿名的な吹奏楽部員の演奏をBGMにした細密な風景描写とが、この世界の異様さをブーストしていて大変よかった。#光が死んだ夏 #ひかなつアニメ pic.twitter.com/H98nJ6fcuv
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月5日
『ひかなつ』3話。何度も反復される向日葵のイメージ。不気味ではありますが、花言葉は「あなただけを見つめる」ですからね。よしきとヒカルの微妙な距離感、2人の間で交わされる眼差しをシンボリックに表現した素晴らしい話数でした。#ひかなつアニメ #光が死んだ夏 pic.twitter.com/N85cdgW6zP
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月19日
『ひかなつ』4話。この作品はホラーという形をとってはいるが、その根底にあるのは村社会的閉塞感からの解放の希求であり、本当の意味での友愛なんですよね。そこに「お前は代用品なんかやない。お前はお前や」というよしきの気持ちが入ってくる。実にエモい作品です。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月26日
#ひかなつアニメ #光が死んだ夏 pic.twitter.com/tQ5xhqD0DA
『ひかなつ』9話。「好き」という感情を過去に置き去りにした少年と、感情そのものを欠いた少年との間の“感情”。その名状し難い“感情”を不器用に表した彼らのTシャツ柄。いいですね。現実世界では経験のしようがない“感情”と、それをシリアスかつコミカルに表す描写。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月6日
#ひかなつアニメ #光が死んだ夏 pic.twitter.com/jyJLfAk1Ig
『ひかなつ』最終話。彼らの今の「居場所」としての村。実写で描写されたそれはリアルであると同時に、このアニメの世界においては“異化効果”に他ならない。それは2人にとって異常な場所であり、それをフレームで切り取って“映画”として傍観する田中の視座が“正常”なのかもしれない。#ひかなつアニメ pic.twitter.com/2qfg0XOAGi
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月27日
7位:『New PANTY & STOCKING with GARTERBELT』(オリジナル)
【コメント】
デイモン姉妹とポリポリ兄弟を加え,キャラの幅がぐっと広がった『Newパンスト』。特に本来敵同士のはずのパンスト姉妹とデイモン姉妹の関係が,まるで“四姉妹”のように微笑ましく描かれていたのが面白い。1話に2〜3つのエピソードを盛り込む構成は必ずしも見やすくはなかったが,最終話の盛り上がりは流石の脚本力。民主的ポリセイズムを滅ぼし,独裁的モノセイズムを目論んだラミー。それを打ち倒す天使・人間・悪魔のノイジーなポリフォニー。“ミッシュマッシュだからこそ面白い”という本作の持ち味を完璧に要約した最終話だった。詳細は不明だが,続編を匂わせる終わり方をしている。
『Newパンスト』1話。最高。まずこのパンティの絵面で吹いてしまうくらいビッチな世界観に「洗脳」されている僕らがいる。そしてスタイリッシュ(?)なアクションから日常(?)への戻り方がこの作品らしくていい。今回は実写なしかと思ったら、ここで使ってくるとは(笑)#Newパンスト #NewPSG pic.twitter.com/e6XOKVsvss
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月9日
『Newパンスト』2話。相変わらず画作り上手いですねー。特にAパートはスキャンティとニーソックスが加わったことによるシンメトリーをフル活用していて最高にかっこよかった。そしてここで「螺旋」を出してくるとは(笑)しかもア◯ルに突っ込むとは(笑)#Newパンスト #NewPSG pic.twitter.com/vmppzHCGq6
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月16日
『Newパンスト』4話。いやもう最っっっ高。またしても五十嵐海さんにやられた。大胆な演出で知られる五十嵐さんですが(最近だと『天国大魔境』10話など)、まさかアメコミ風味をこう使ってくるとは!しかもところどころヘタウマ(笑)異なる画角を使ったのも面白かったです。#Newパンスト #NewPSG pic.twitter.com/StoF4OKOFS
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月30日
『Newパンスト』9話。デイモン姉妹が加わって以降、姉妹のほっこり話がちょいちょい投入されるのがいいですね。しかも天使姉妹とデイモン姉妹がシャッフルされることで、この2つの種族の関係性がいい感じになるのも面白い。それにしてもロリデーモン姉妹可愛かった。#Newパンスト #NewPSG pic.twitter.com/c7MLUFbiO3
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月3日
『Newパンスト』最終話。民主的ポリセイズムを滅ぼし、独裁的モノセイズムを目論んだラミー(このヴィラン顔がまさに今石アニメな感じでいい)。それを打ち倒すのが、天使・悪魔・人間のミッシュマッシュでノイジーなポリフォニーという結末。もう最高にビッチなラストでした。#Newパンスト #NewPSG pic.twitter.com/UOflFiRqSp
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月24日
6位:『ダンダダン 第2期』
【コメント】
ジジの“スポーツマン”としての身体性能を活かしたアクション作画や,音楽室での修行における巨人やロボットの巨大感など,アニメの媒体特性を活かした演出が目を引いた。特にアクションシーンにおける作画の“崩し”は,サイエンスSARU創設以来の“湯浅政明調”が存分に発揮されていると言えるだろう。またモモとオカルンの恋模様も抒情味たっぷりに演出されており,全体としてたいへんバランスのよいエンタメ作品に仕上がっている。名実ともにサイエンスSARUの代表作となるに違いない。第3期制作の報もすでに出ている。長期展開になるだろうが,最後まで見届けたい作品だ。

『ダンダダン』15話。やっぱ今回はジジの身体性の描写ですよね。スポーツマンらしい体格とスタイリッシュなアクションがとても説得力があった。筋肉の描写も面白い。あと固有色に戻る時、歌舞伎の“柝”のようなSEを入れているのが何気にカッコよかったですね。#ダンダダン pic.twitter.com/ZFnNpxslub
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月17日
『ダンダダン』14話。7話に続きこの辺りをどう演出してくるか気になっていたところですが、邪視の回想にオールドレンズのライトリークのような色彩が施されていて美しかった。また邪視の見る家族の風景は、原作では現代のものだけでしたが、アニメでは“歴史の流れ”を入れてきてますね。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月10日
#ダンダダン pic.twitter.com/OJWUGYRHVO
『ダンダダン』16話。とてもとても素晴らしい話数でした。滿次郎&モモの連携と星子さんのアクションがカッコいいのはもちろんのこと、母船を操舵するチキチータに終始歌を歌わせるというアイディアに脱帽(もちろんアニオリ)。カッコイイにカワイイを練り合わせてくるわけですからね。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月24日
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『ダンダダン』17話。例のこのシーン、トンネル内の照明にしたことで場面の心的温度が上がってるんですよね。そこへ必殺・牛尾劇伴。しっかり恋愛ドラマしてる本作の持ち味をアニメ的にブーストしたいい演出。この後バックミラーの“反射”で星子さんの表情を映したのもこのアニメらしい。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月31日
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『ダンダダン』19話。たっぷり尺を使ったモモのアルバイト点描シーン、画面いっぱいの距離からゼロ距離への移行、オカルン不在時の弛緩したアイラの変顔、そして嫉妬と罪悪感が綯い交ぜになったジジの主観ポン寄りカット。若者たちの心情の写し方がとてつもなくエモい傑作話数でした。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月14日
#ダンダダン pic.twitter.com/a1cDvRBLod
『ダンダダン』20話。とてもとてもとても素晴らしい話数でした。この怖気だつナイトメアを生み出した龍先生も凄ければ、それをここまで見事な超現実空間として描写したアニメ班も見事。そして4枚目のオカルンのカット、湯浅監督以来のサイエンスSARU御家芸という感じで嬉しいですね。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月21日
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5位:『ガチアクタ』
【コメント】
“ハードボイルドアクション×もったいない精神”というユニークな取り合わせの妙に加え,優れたキャラデザ,アクション芝居,ルド役・市川蒼を始めとする声優陣の熱演など,他作品を圧倒する要素満載の傑作アニメである。実は本作のランクは当初もう少し低かったのだが,第10話以降に登場するアモのデザインとキャラが抜群に優れており,最終話近辺で評価がぐっと高まったという経緯がある。アモ役・花澤香菜の演技もずば抜けていた。すでに評価の確立した役者だが,“人気声優”としての風格を改めて示したと言えるだろう。連続2クール放送のため,本記事執筆時中(秋クール)も放送中だ。今後の展開にも期待したい。
『ガチアクタ』2話。3DCGによる班獣の巨大感の創出、いいですね。こういう描写はCGが強い。ルサンチマンの塊のようなルドのキャラと、それを演じる市川蒼さんの演技マッチングも素晴らしい。それと小西克幸さんですね。やっぱかっこいいわー。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月13日
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『ガチアクタ』3話。ザンカのこの芝居よかったですね。ハードボイルドな世界観の根底にある「物を大切に」という価値観を体現したいい芝居でした。あとルドの笑顔が素敵すぎてちびりそうになりましたね。う◯このシーンで敢えて優しいオルゴール調の劇伴を使ったのもグッド。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月27日
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『ガチアクタ』10話。毎回作画のクオリティには驚かされてるけど、今回はアモの登場がインパクト大だった。髪と衣服のなびき、表情、大胆な衣装、背景の色合いとの関係性。このカットだけでも賞賛に値する。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月14日
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『ガチアクタ』12話。今回はタムジーの作画が超絶カッコよかった!特に眼の効果が抜群ですね。確信を持って行動する男の“色気”みたいなものがこのクロースアップから発散している。そこに加えて斎賀みつきさんの“イケボ”ですよ。この脱色したような白系キャラとベストマッチですね。#ガチアクタ pic.twitter.com/Hv9jB6ktar
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月28日
『ガチアクタ』13話。素晴らしい話数でした。アモをとりまく醜悪な状況、それを語るナイーブな絵、感情の目覚め。そして何よりアモという特異なキャラに命を吹き込んだ花澤香菜さんの技術。メンヘラ芝居もすごいんですけど、ルドとの対話で憑き物がとれたようになった場面(4枚目辺り)
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年10月5日
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4位:『CITY THE ANIMATION』
【コメント】
あらゐけいいち×京都アニメーションのコンビネーションの圧倒的な力を再証明した傑作。シュールなギャグのオンパレードももちろん面白いのだが,「CITY」の風景の中を雑多なキャラたちが所狭しと動き回る様子を俯瞰するのは,生きた箱庭を覗き込むような不思議な快楽がある。どの話数も高いクオリティを示していたが,とりわけ「#5」のスプリットスクリーンや特殊EDの演出はSNSを大いに賑わせた。京アニの高カロリー作画の処理能力には恐れ入る。また『日常』(2011年)の石原立也監督からバトンを受け取った石立太一監督にとっても,間違いなく代表作の1つとなることだろう。
『CITY』1話。いやーいいですね、このギャグアニメにもかかわらず視聴者に媚びる様子が全く見られない感じ。懐かしい。やっぱあらゐけいいちさんのセンスは大好きだし、それを映像作品としてブーストする京アニも最高。これが『ユーフォ』作ってた人たちのアナザーサイドですよ。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月6日
#アニメCITY pic.twitter.com/KOZM0zHlzR
『CITY』5話。これは恐れ入りました。あらゐけいいち作品の超群像劇(?)要素を存分に活かした演出。ラストのあまりにも奔放なスプリットスクリーン→アモルファスなコマの増幅→フカンという流れがたいへん面白かった。そして特殊すぎるED。やっぱ京アニってすごいですねえ。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月3日
#アニメCITY pic.twitter.com/wjgos5t3Ei
『CITY』8話。いやーすごすぎる。あまりのシュールさに見失いがちですが、今回のテーマ恋愛ですからね。それも“ラブコメ”みたいなオーソドックスなカテゴライズを許さない、完全にラブロマンスの異端ですよ。こんな怪作をアニメにしてくれて、感謝の言葉もない。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月24日
#アニメCITY pic.twitter.com/jBGHy11TlB
『CITY』9話。素晴らしい…!ただの賑やかなアニメじゃないんですよ。これだけの人数を動かすという超高カロリーアニメなんですよ。そしてこれだけの人数が同じ場所にいるということが重要なんですよ。地上波のキャパでは間に合わないマシーンとか、“面白いやつが最後に勝つ”みたいな
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月31日
#アニメCITY pic.twitter.com/hvAKojx7CX
『CITY』最終話。とてもとてもとても素晴らしい最終話でした。この上なくハッピーでシュールなミュージカル仕立てのラスト。この特異な“街”というトポスの愉しさをたっぷり伝えた名演出だと思います。ほんとに楽しいアニメでした。そしてやはり京アニの描く涙は美しい。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月28日
#アニメCITY pic.twitter.com/2Ay1JeSinC
3位:『その着せ替え人形は恋をする Season 2』
【コメント】
“日常芝居こそアニメの真髄”。そう考える当ブログにとって,『着せ恋』という作品は理想形の1つだ。特にSeason 2「#18 俺が絶対に 俺の手で」における“脇役”たちの日常芝居は,単にリアルであるということを超え,アニメにおける日常芝居の意味を再考するきっかけとなった。日常芝居に限らないが,アニメの作画は物語やメッセージと調和したときにこそ大きな意義を持つ。第18話は,その点で1つの模範解答例を示したとすら言えるだろう。またこの第18話を含め,いくつかの話数で小林恵祐の“匠”を味わうことができたのも喜悦至極である。
もちろん作画だけではない。“好き”を追求する若者たちのエネルギッシュな価値観,「#15 日常パートめっちゃすこ〰〰〰〰♡♡♡」における「姫野あまね」役・村瀬歩の技,主題歌とアニメーションとの完璧なマッチングを成し遂げたOPなど,評価すべき点が多い作品である。続編の報は今のところないが,ぜひ完結編まで見届けたいところだ。
『着せ恋』13話。とてもとても素晴らしい話数でした。五十嵐海さんの劇中劇、細やかな日常芝居、作り手の個性(けろりらさんね)を活かす演出方針。アニオタを喜ばせる要素満載ですよ。そして“男子=青/女子=ピンク”ステレオタイプの解体というテーマをしっかりと打ち出す。#着せ恋 #着せ恋アニメ pic.twitter.com/SttN8etTlm
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月5日
『着せ恋』15話。あまね関連の演出が素晴らしい。芝居も構図も惚れ惚れするほど。それと村瀬歩さんですよ。この場面での演技はほんとすごかった。“暗い過去を克服した後の影を含んだ明るさ”という役所を見事に演じていた。特に4枚目、「だから泣かないで」の辺りの演技は絶品。#着せ恋 #着せ恋アニメ pic.twitter.com/kyiBvsdC0t
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月19日
『着せ恋』18話。全体的に素晴らしい話数でしたが、特に五条くんのこの芝居はよかったですね。ここから終始“頭師職人”としての目付きになり、海夢の中に「綺麗」を作り出していく。男子高校生らしい筋肉質で骨太な身体描写もグッド。そりゃこのビスク・ドールも恋しますよ。#着せ恋 #着せ恋アニメ pic.twitter.com/KLeWzxniCm
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月9日
『着せ恋』19話。Aパートから構図・プロップのリアリズム・芝居等、クオリティ高すぎです。3枚目、階段の場面で海夢がぴょんってなる芝居とか可愛くてすごいと思う。あと五条くんの文字通りの「主観カメラ」。“写真が面白い”に加えて、“海夢が可愛い”が画面にみなぎっている。#着せ恋アニメ #着せ恋 pic.twitter.com/xmjAazGYl3
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月16日
『着せ恋』23話。『瑠璃の宝石』の硝子もそうだったけど、“普通”とは違う“好き”を誰かと共有できた時の喜びは格別なんですよね。この作品はちょいエロとかもあってそれはそれなりに面白い要素なんだけど、自分の“好き”との向き合い方をたっぷり尺を使って伝えるところがいい。#着せ恋 #着せ恋アニメ pic.twitter.com/AZjEsRRU0a
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月13日
『着せ恋』最終話。“負”だと思われた旭の感情が異常なほどの“正”の感情だったというオチ。旭の内面を語りつつも、その最上級の「推し」という言葉で海夢のヒロイン性を改めて際立たせる。きわめてポジティブな展開でありながら、終始キャラは血糊塗れ。隠と陽、現実と非現実が#着せ恋 #着せ恋アニメ pic.twitter.com/X5BIWOyupn
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年9月20日
2位:『瑠璃の宝石』
【コメント】
「“好き”を追求する」ということで言えば,この『瑠璃の宝石』も『着せ恋』と同じテーマを共有している。「キラキラしたものが好き」という瑠璃のナイーブな初期衝動は,やがて「キラキラしたもの」の背後に広がる世界・歴史・科学の探究心へと変わっていく。“可愛い”という要素と“学究”というテーマを見事にマッチさせた傑作であり,その意味では『お兄ちゃんはおしまい!』(2023年)の藤井慎吾監督の手腕が遺憾無く発揮されたと言えるだろう。
特に『おにまい』でメインアニメーターを務めたみとん演出による「第9話 190万トンのタイムカプセル」は,〈可愛い〉〈人工物〉〈自然〉というモチーフの美しい連鎖を示した傑作回となった。“自然/人工”という安直な対立構図ではなく,“人工物(ダム)が人と自然を媒介する”というテーマは,この作品の根底にある思想を見事に伝えている。さらにそこに〈可愛い〉〈キラキラ〉をトッピングすることにより,“鉱物研究”をより身近に感じさせている。ニッチなテーマの作品だが,夏クールで最も成功したアニメ化の1つと言ってよいだろう。
『瑠璃の宝石』1話。とてもとても素晴らしい第1話でした。テーマこそ違え、紛れもなく『おにまい』を作った藤井慎吾監督とスタジオバインドの作品です。ですので『おにまい』アニメファンは必見。作画も芝居も素晴らしい出来映えです。#瑠璃の宝石 pic.twitter.com/1XGTTuS6Z5
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月7日
ここの凪の所作がいいんですよね。槌の重量感が伝わると同時に、一連の動作がまさしく「戦鎚」を扱っているかのように見えて、凪の体格とも相俟って描写に説得力がある。“扱い慣れている”という感じがよく出ています。原画・動画さんグッジョブです。瑠璃のリアクションもいいですね。#瑠璃の宝石 pic.twitter.com/EInhMq4534
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月9日
『瑠璃の宝石』2話。瑠璃のデッサンや服の皺なんかがとてもいい。骨格とか筋肉の付き方とかは基本リアルよりに描かれていると思うんですけど、デフォルメっぽい要素とのバランスがとてもうまい。エロいようで決してエロくないという絶妙なラインもいい。
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『瑠璃の宝石』3話。研究者が対象を前に言葉を失う。この演出がとてもよかった。この際の伊万里の芝居もグッド。これって、研究者にとってある種の“崇高体験”ですよね。それと先週もありましたが、この作品は採掘後の夕日の描写がエモい。3枚目の瑠璃の髪の主線処理なんかも綺麗ですね。#瑠璃の宝石 pic.twitter.com/TTTQgGZaf3
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『瑠璃の宝石』4話。このアニメ、ほんの数秒の身体描写を本気で描いてくるんですよね。瑠璃の手足の水滴とかハッとさせるリアリティがある。この類の描写があるからこそ、『おにまい』ばりのアニメ的キャラと客観的・即物的な自然描写が馴染むんだろうなと感じる。ほんといい画作りです。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月27日
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『瑠璃の宝石』5話。3人の距離が自然に近づきつつある、という描写がとてもいい。ほとんど姉妹のようですね。鉱物学という硬派な学究の世界に人の温もりのようなものを掛け合わせたのは原作者の“発明”だし、それを的確にアニメーションに落とし込むアニメ班の技術もやはりお見事。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月3日
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『瑠璃の宝石』6話。瑠璃がサファイアの“不在”に歓喜する場面から始まるのがいいんですよね。以前の瑠璃ならサファイアが存在することに即時的に喜んでいたはず。それが今や、サファイアに至るまでの学問的推論、そしてサファイアの「向こう」に広がる世界への洞察を得るようになった。
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『瑠璃の宝石』7話。“多様性”が号令のように叫ばれるようになって以来、“好き”を妥協しないこと当たり前になったような気がする。しかし実際、それを貫くには一定の孤独が付き纏うわけです。けれどどこかに“好き”を共有できる仲間はいる。青い硝子=瑠璃が繋いだ、実に素敵な物語でした。#瑠璃の宝石 pic.twitter.com/FsPSDvQYi5
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『瑠璃の宝石』8話。瑠璃が硝子にハンマーを手渡す際の芝居がいいんですよ。瑠璃が手を離すとヘッド部がいったん自重で下がり、それを硝子がぐっと握り直す。鉱物採集というほんの少しの重責、それへの細やかな決意。このアニメはこういうところがいいんですよね。#瑠璃の宝石 pic.twitter.com/lnJD6Y048f
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『瑠璃の宝石』9話。とてもとてもとてもいい話数でした。はじけ感とリアル感のバランスの取り方が上手く、さすが『おにまい』メインアニメーター・みとんさん演出回だなと。特に瑠璃の傘くるくるのところや、ダム以降の芝居や構造物を活かした構図など、画的に見どころの多い話数でした。
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『瑠璃の宝石』10話。菱マンガン鉱を発見した後も浮かない顔だった曜子(眼鏡に鉱石が映るカットが美しい)だが、その謎を解いた後、表情が一気に華やぐ。つまり彼女が発見したのは鉱石そのものではなく、その背後にあった人の物語ということですね。いかにも本作らしい話数でした。
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『瑠璃の宝石』12話。鉱石が作り出す回路によって人と人とが繋がり、過去と現在が繋がり、彼岸と此岸が繋がる。すべてが偶然のようで必然に思えるというある種の説得力は、リアリティとフィクショナリティを巧みに配合した本作ならではのものだと思います。毎話、感動のさせ方がうまい。
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『瑠璃の宝石』最終話。旅館の構造を使った構図がバッチリ。パースが実に心地いい。最終話も見せて来ましたね。それにしてもアニメの旅館シーンでこの絵面は初めて見たかもしれない。日常と学究、顕微鏡で見る宇宙。まさしくこの作品らしいモチーフです。そしてナギからルリへ。
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1位:『タコピーの原罪』

【コメント】
すでに原作の時点で話題性の高かった作品だけに,アニメ作品としての付加価値を模索するのには相当な苦労があったろう。飯野慎也監督を始めとするアニメ制作班は,原作のいささか気難しい描線を再現しつつ,そこに妥協のない芝居を加味することでこれに応えた。原作に真摯に向き合い,そうした丁寧な作画・演出が施されたからこそ,逆にタコピーのシンプルなデザインが引き立ち,このキャラクターの“マスコット性”が原作以上に深い意味を持ったように思う。
一方で,随所に盛り込まれたアニメオリジナルの演出も目を引いた。とりわけ飯野監督演出「第1話 2016年のきみへ」における影の演出,立華演出「第3話 タコピーの告解」における主観視点,大島塔也演出「第4話 東くんの救済」における背動や特殊効果などは,物語とも密接に関わりながら,各話のメッセージを的確に伝達していた。各話演出家の采配に任せる演出方針も功を奏したように感じる。
間宮くるみ(タコピー),上田麗奈(しずか),小原好美(まりな),永瀬アンナ(直樹)ら主演声優陣の演技もたいへん素晴らしかった。特に「第6話 2016年のきみたちへ」(最終話)におけるタコピー役・間宮は,タコピーの独特な口調で悲哀感を出すという難しい役所を見事に演じ切って見せた。
総じて,近年のマンガ原作アニメ化として最も成功した作品と言えるだろう。この作品をもって夏クールの第1位としたい。
『タコピー』1話。とてもとても素晴らしいアニメ化です。まずは配信という形で、妥協も逃げもなく原作に真正面から向き合ってくれた制(製)作陣に感謝。主線の処理も原作の勢いを残す感じで、『THE FIRST SLAM DUNK』や『ルックバック』と似た思想ですね。この作品は#タコピー #タコピーの原罪 pic.twitter.com/WIWpsz3397
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年6月29日
ここすごいですね。まりなの包帯が解けるところはアニオリなんですけど、その後、母親と同じ手癖の所作を入れてるんですよね。親の業から逃れられない子どもたち、という感じがして震える。#タコピーの原罪 pic.twitter.com/IHiFoLsSsd
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月4日
『タコピー』3話。まりな(タコピー)が家に入るカットで主観視点(しかも背動)を使ってるんですよね。タコピーとまりなと視聴者の視点が重なる。タコピーが幻視するまりなの過去も多幸感たっぷりに描かれている。そしてラスト、タコピーが鏡のリフレクションによって己を省みる。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月11日
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『タコピー』4話。これまたすごいのが出てきました。これまでとは明確に異なる主線処理、ばりばりの背動、非現実的な特殊効果。まさしく大島塔也さんワールド。原画には五十嵐海さんや斎藤圭一郎さんのクレジットもあり、贅沢な話数です。直樹の心象風景をよく表した傑作話数でした。#タコピーの原罪 pic.twitter.com/5vuwBOkK7N
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年7月18日
『タコピー』最終話。1話ではしずかの“抜け出せなさ”を暗示していた街灯の配列(1枚目)が、最終話では2人が歩む“未来”を示唆している(2枚目)。そして直樹と別れて以降の間宮くるみさんの演技が抜群でした。「〜ピ」であのキャラのあの感情を表現するのは至難の技と思う。#タコピーの原罪 pic.twitter.com/UjxS2MB3W0
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2025年8月1日
● その他の鑑賞済み作品(50音順)
『アン・シャーリー』『神椿市建設中。』『SAKAMOTO DAYS 第2クール』『Summer Pockets』『地獄先生ぬ〜べ〜』『ぷにるはかわいいスライム 第2期』
以上,当ブログが注目した2025年 夏アニメ11作品を紹介した。
繰り返すが,“日常芝居こそがアニメの真髄”だ。もちろんアクション作画が魅力の作品はごまんとあるし,当ブログでもそうした作品を数多く評価してきた。しかしアクションを活かすためには,キャラの日常芝居がその基底を成していなければならない。日常がしっかり描かれているからこそ,非日常が際立つのだ。
さらに言えば,日常芝居そのものが意味を持つ作品もある。その点では,今回ピックアップした『フードコートで,また明日。』『その着せ替え人形は恋をする Season 2』『瑠璃の宝石』などは格好の例だろう。これらの作品では,日常芝居そのものが物語とリンクし,それ自体としての価値を持っている。“日常系”という言葉が使われるようになってから久しいが,本当の意味での日常系アニメとはこうした作品を言うのかもしれない。
また日常性ということで言えば,今回1位として取り上げた『タコピーの原罪』も同様だ。しずかやまりなを救ったのは,魔法でも異世界転生でもなければ,「ハッピー道具」ですらなかった。タコピーというごくシンプルなマスコット的身体が彼女たちに寄り添ったのである。“異星人の到来”をモチーフにしていながら,あくまでも日常性において物語を構築している。これも“日常系”の1つの在り方なのかもしれない。
さて,秋クールではどんな日常芝居を堪能できるだろうか。
2025年 秋アニメのおすすめに関しては以下の記事を参照頂きたい。