アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2024年 春アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

*この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

 

すでに夏の気配を感じるこの頃。気づけば2024年春アニメもすでに折り返し地点に入っている。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。

なお「2024年 春アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルをにしてある(2クール連続放送の作品に関しては,前クールの「何を観る?」でピックアップしたものは桃色にしてある)。

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1. 『アストロノオト』(オリジナル)

sh-anime.shochiku.co.jp

【コメント】
高橋留美子風の馴染みやすい世界観とシンプルなストーリー。エキセントリックなキャラ。生真面目なキャラデザインに遊び感たっぷりの芝居。登場キャラは多いが,設定を詰め込みすぎずすっきりとまとめられている。オリジナルアニメとしてたいへんバランスのよい作りと言えるだろう。意図的に創出された“昭和感”も面白く,特にOPアニメーションと主題歌の完成度は非常に高い。

 

2. 『怪獣8号』

kaiju-no8.net

【コメント】
ベースは『デビルマン』『寄生獣』以来の“敵の力を得た最強ヒーロー”物語なのだが,主人公を孤高のキャラではなく,誰よりも冴えない凡人キャラに設定した点がポイント。アニメでは,そうしたキャラの風味を的確に作画に落とし込んでおり,アクションシーンの迫力とも相まって,原作勢でも楽しめるクオリティに仕上がっている。前田真宏(スタジオカラー)デザインによる怪獣の巨大感・恐怖感・キモ感も非常に見応えがある。

 

3. 『鬼滅の刃 柱稽古編』

kimetsu.com

【コメント】
5月から放送が開始されたため,本記事執筆時は第3話まで終了。しかしそれだけの話数でも高評価に値するクオリティだということがわかる。原作勢も納得のアニオリ,迫力のあるカメラワーク,意表をついたキャスティングなど,シリーズ5作目となった今でもなお新しいものを見せてくれる作品である。

 

4.『この素晴らしい世界に祝福を!3』

konosuba.com

【コメント】
制作会社が変わったことにより,テイストが少々変わった印象はあるものの,小気味のよい演出と程よい遊びのある作画は健在。めぐみんを主人公としたスピンオフ『爆焔を!』(2023年春)も十分に面白かったのだが,やはりこの作品の魅力はカズマアクアダクネスの賑やかしがあってこそのものだと改めて実感する。特にカズマ役福島潤の演技はさらに磨きがかかった印象があり,随所で聞かせるアドリブもたいへん面白い。

 

5. 『終末トレインどこへいく?』(オリジナル)

shumatsu-train.com

【コメント】
オリジナルアニメというフォーマットを活かし,毎話先の読めないエピソードを次々と繰り出す。その世界観は一般的な意味での“理解”をまったく寄せ付けない。しかしながら,不条理とも言える数々のエピソードの根底には,“友情”や“相互理解”といった,シンプルだが力強いメッセージが確かに存在している。そうした作りは,あの『Sonny Boy』(2021年夏)に匹敵するユニークネスがあるように思う。今期のオリジナルアニメの中でも,ずば抜けて特異な存在感を持つ作品である。

 

6. 『ダンジョン飯』

delicious-in-dungeon.com

【コメント】
ファリン救出をきっかけに大きく動き出した物語。ライオス一行は「狂乱の魔術師」シスルとの対決を決意し、いよいよファンタジー作品らしい展開を迎えている。しかしそんな中でも,一瞬たりとも「飯」というアイデンティティが失われることはない。これこそが本作の最大のの魅力だ。2クール目を迎え,“TVアニメ制作会社”としてのTRIGGERのプレゼンスも確立されたことだろう。果たして最終話に向けてどんな技が繰り出されるか。

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7. 『響け!ユーフォニアム 3』

anime-eupho.com

【コメント】
当初は山田尚子や池田晶子など主要制作メンバー不在による不安感が少なからずあったものの,蓋を開けてみればまったく杞憂であることが判明した。作画はもちろんのこと,久美子と真由のやりとりを中心とした画作りには毎話目を見張るものがある。むしろ“画で語る”という意気込みをこれまで以上に感じさえする。また花田十輝による脚本も素晴らしく,原作の若干の改編から生まれる久美子&真由の対峙が,作品に心地よい緊張感を加味している。

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以上,「アニ録ブログ」が注目する2024年春アニメ7作品を挙げた。

実はこれ以外に『ガールズバンドクライ』『夜のクラゲは泳げない』にも注目しているのだが,“ガールズバンドもの”というだけで評価が上振れしてしまう昨今,当ブログとしては冷静に作品を吟味すべきと考え,今回の「中間評価」では見送りとした。しかし最終話までの出来栄えでは,「春アニメランキング」でピックアップする可能性は十分にある。

 

最終的なランキング記事は,全作品の放映終了後に掲載する予定である。