アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2023年 冬アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2022年秋アニメを振返りながら~

『REVENGER』公式HPより引用 ©︎REVENGER製作委員会

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2022年 秋アニメ振返り

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今クールは当初から注目作が多かったため,「中間評価」の記事でも普段より多くの作品をピックアップした。その中でもとりわけ当ブログが推したいのは,『サイバーパンク エッジランナーズ』『ぼっち・ざ・ろっく!』『モブサイコ100 Ⅲ』の3作品だ。

『サイバーパンク エッジランナーズ』は,ポーランドのゲーム『サイバーパンク2077』(2020年)を原案とするNetflixアニメだ。TRIGGER今石洋之の最新作として注目された本作は,エッジの効いた演出とエモーショナルなストーリーテリングが国内外で高く評価されている。ポーランドのゲーム+Netflix +TRIGGERというトリオはグローバルなターゲティング戦略を匂わせるが,TRIGGER=今石は日本アニメの“イズム”を存分に発揮することを怠っていない。全10話とコンパクトな作品ながら,アニメの面白さが濃縮された名作だ。

『ぼっち・ざ・ろっく!』は,大胆なデフォルメや実写映像の活用などのサプライズ演出が満載の“ギャグアニメ”としての側面を持つ一方で,各キャラクターの心情を丁寧に描いており,日常系アニメとして理想的な作りをしている。いわゆる“きらら枠”アニメの中でもとりわけユニークな存在感を放つ作品と言えるだろう。

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シリーズ3作目となる『モブサイコ100 Ⅲ』は,これをもっていよいよ完結編となる。シリアスシーンを主眼にした制作方針にシフトしたこともあってか,第1期・第2期のような「いい意味での暴走」(小黒祐一郎談)は見られないが,それでも本作から感じられるアニメ制作陣の熱量は半端なものではない。特に伍柏諭が絵コンテ・演出・作監を務めた第8話は,アクションシーンがほとんどない日常回でありながら,その繊細な心情演出が視聴者の心を捉えた。最終話まで目を離せない作品である。

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この他,放送延期の憂き目を見ながらも,再開後は以前にも増して視聴者を魅了している『異世界おじさん』,これまでのガンダムシリーズとは一線を画す脚本が光る『機動戦士ガンダム 水星の魔女』,ユニークなキャラと舞台設定でDIYの楽しさを伝えるオリジナルアニメ『Do It Yourself!!』,紙芝居的な“超リミテッド”なアニメーションでありながら,奇想天外な物語が魅力の『ヒューマンバグ大学-不死学部不幸学科-』なども目が離せない。『チェンソーマン』『SPY×FAMILY 第2クール』『ヤマノススメ Next Summit』など“大物”作品の堅調ぶりに関しては,「中間評価」の記事でも記した通りだ。

2022年秋アニメの最終的なランキングは,全作品の最終話放送終了後に掲載する予定である。

 

では今回も2023年冬アニメのラインナップの中から,五十音順に注目作をピックアップしていこう。各作品タイトルの下に最新PVなどのリンクを貼ってあるので,ぜひご覧になりながら本記事をお読みいただきたい。なお,オリジナルアニメ(マンガ,ラノベ,ゲーム等の原作がない作品)のタイトルの末尾には「(オリジナル)」と付記してある。

 

① 『アルスの巨獣』(オリジナル)


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【スタッフ】
監督:オグロアキラ/キャラクター原案:大槍葦人/シリーズ構成・脚本:海法紀光/キャラクターデザイン:清水洋加藤真人/音楽:片山修志鈴木暁也/アニメーション制作:旭プロダクション

【キャスト】
クウミ:羊宮妃那/ジイロ:森川智之/ミャア:芹澤優/メラン:峯田大夢/ロマーナ:日笠陽子

【コメント】
「巨獣」が蔓延る世界で「死に損ないのジイロ」と「二十と二番目のクウミ」が出会い,世界の謎を解き明かしていくという物語。公開情報は少ないが,オリジナルアニメということで,当ブログとしては推しておきたい。『がっこうぐらし!』(2015年),『彼方のアストラ』(2019年),『アクダマドライブ』(2020年)などの海法紀光がシリーズ構成・脚本を務めるのもポイントだ。

 

②  伊藤潤二『マニアック』


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【スタッフ】
原作:伊藤潤二監督・キャラクターデザイン:田頭しのぶ脚本:澤田薫音響監督:郷田ほづみ音楽:林ゆうき制作スタジオ:スタジオディーン

【キャスト】
引摺一也:櫻井孝宏/五郎:堀江瞬/園原:置鮎龍太郎/森中和子:杉山里穂/双一:三ツ矢雄二/平野雄二:阪口周平/押切:下野紘/チエミ:日笠陽子/赤坂:平川大輔/白崎五郎:梶裕貴/吉川剛:木村良平/麗実:Lynn/弘原海:石川界人/富江:末柄里恵/小夜子:金元寿子/栗子:高森奈津美/石田:鈴木裕斗/留美:折笠富美子/山東まゆみ:中川翔子/コロン:金田朋子

【コメント】
奇才(あるいは鬼才)・伊藤潤二による原作マンガから厳選された20タイトルをアニメ化。監督に田頭しのぶ,シリーズ構成・脚本に澤田薫,制作にスタジオディーンと,2018年に放送された伊藤潤二『コレクション』の座組がほぼ引き継がれている。そのクオリティは保証されていると言っていいだろう。今回はNetflix独占配信となる。

 

③ 『大雪海のカイナ』(オリジナル)


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【スタッフ】
原作:弐瓶勉(東亜重工)/監督:安藤裕章/シリーズ構成:村井さだゆき/脚本:村井さだゆき山田哲弥/アニメーションキャラクターデザイン:福士亮平小谷杏子/ビジュアルコンセプトデザイン:片塰満則/プロダクションデザイン:田中直哉勅使河原一馬CGスーパーバイザー:石橋拓馬多家正樹/美術監督:久保季美子3DBGマットペイントスーパーバイザー:松本吉勝/色彩設計:野地弘納/チーフレイアウト・アニメーションスーパーバイザー:井澤一勝/音響監督:土屋雅紀/アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ

【キャスト】
カイナ:細谷佳正/リリハ:高橋李依/ヤオナ:村瀬歩/アメロテ:坂本真綾/オリノガ:小西克幸/ンガポージ:杉田智和/ハンダーギル:檜山修之/ハレソラ:堀内賢雄

【コメント】
空に広がる「天膜」に住むカイナと「雪海」の王女リリハが出会い,滅びかけた世界を救う,という物語。『シドニアの騎士』(マンガ原作:2009-2015年,アニメ:2014-2021年)の弐瓶勉と3DCGアニメ制作会社・ポリゴン・ピクチュアズによるオリジナル企画だ。弐瓶の既成作品を原作とするのではなく,弐瓶の原案を元にアニメとマンガを制作するメディア・ミックス企画である(したがってオリジナル作品と考えてよいだろう)。ポリゴン・ピクチュアズの設立40周年記念作品ということもあり,相当に気合の入った企画だろうと予想される。監督は『亜人』(2016年)『LISTNERS』(2020年)などの安藤裕章。安藤はTV版『シドニアの騎士』第1期で演出,第2期では副監督を務めている。脚本はやはり『シドニアの騎士』でシリーズ構成を務めた村井さだゆきが務める。

 

④ 『吸血鬼すぐ死ぬ2』


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【スタッフ】
原作:盆ノ木至/監督:神志那弘志/シリーズ構成・脚本:鷹目利/キャラクターデザイン・総作画監督:中野繭子/副監督:川野麻美/色彩設計:今野成美/美術監督:吉田ひとみ/撮影監督:渡辺祥生/編集:塚常真理子/音楽:高橋諒/音響監督:納谷僚介/音響効果:中島勝大/音楽制作:ポニーキャニオン/音楽プロデュース:アップドリーム/アニメーション制作:マッドハウス

【キャスト】
ドラルク:福山潤/ロナルド:古川慎/ジョン:田村睦心/ヒナイチ:日岡なつみ/半田桃:松岡禎丞/サテツ:細谷佳正/ショット:田丸篤志/マリア:日笠陽子/ター・チャン:石原夏織/メドキ:酒井広大/ショーカ:間島淳司/ヒヨシ:小野大輔/サギョウ:西山宏太朗/フクマ:土岐隼一/サンズ:伊瀬茉莉也/下半身透明:島﨑信長/ミカヅキ:村瀬歩/ドラウス:速水奨

【コメント】

盆ノ木至の同名マンガを原作とし,2021年秋クールを大いににぎわせたギャグアニメの続編。既に原作が一定の人気を確保しており,アニメ第1期も高く評価されているだけに,今後も安定したクオリティを期待できそうだ。PVからも第1期に劣らぬハイテンション・ギャグが炸裂すると思われる。

 

⑤ 『スパイ教室』


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【スタッフ】
原作:竹町原作イラスト:トマリ/監督:川口敬一郎/シリーズ構成:猪爪慎一/キャラクターデザイン:木野下澄江/アニメーション制作:feel.

【キャスト】
リリィ:雨宮天/グレーテ:伊藤美来/ジビア:東山奈央/モニカ:悠木碧/ティア:上坂すみれ/サラ:佐倉綾音/アネット:楠木ともり/クラウス:梅原裕一郎

【コメント】
竹町
の同名ライトノベルを原作とするファンタジーアニメ。原作は「第32回ファンタジア大賞」を受賞している。近年,『プリンセス・プリンシパル』(2017年-)や『SPY×FAMILY』(マンガ原作:2019年-/TVアニメ:2022年-)など,魅力的な“スパイアニメ”が目を引く。『ジョーカー・ゲーム』(小説原作:2008年-/TVアニメ:2016年)などの過去作を含め,複数の作品を比較してみるのも面白いだろう。豪華なキャストも魅力で,アイドル・アニメとしての側面を持つと言ってもよいかもしれない。個人的には悠木碧の“僕っ娘”に期待したいところだ。監督は『劇場版 HUNTER×HUNTER -The LAST MISSION-』(2013年)などの川口敬一郎が務める。


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⑥ 『NieR:Automata Ver1.1a』


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【スタッフ】
原作:NieR:Automata(スクウェア・エニックス)/監督:益山亮司/シリーズ構成:ヨコオタロウ益山亮司/キャラクターデザイン・総作画監督:中井準/音楽:MONACA/制作:A-1 Pictures

【キャスト】 
2B石川由依9S花江夏樹A2諏訪彩花/ポッド042:安元洋貴/ポッド153:あきやまかおる/アダム:浪川大輔/イヴ:鈴木達央/パスカル:悠木碧/司令官:加納千秋/オペレーター6O:磯部恵子/オペレーター21O:初美メアリ/リリィ:種﨑敦美

【コメント】
原作は2017年に発売されたアクションRPG。アクションと銘打ってはいるが,ディレクター・ヨコオタロウの紡ぎ出す緻密な物語,廃墟を中心としたポスト・アポカリプス的世界観,そして岡部啓一による哀愁漂う楽曲と,たいへんドラマ性の高いゲームである。個人的にも,オールタイムベストに挙げてもいいほどハマったゲームであるため,今回のアニメ化には大いに期待している。また,悠木碧の“おじさんロボット”にも期待したいところだ。制作はA-1 Pictures,監督はA-1 Picutures作品の多くで演出を行い,『プレンド・S』(2017年)で監督を務めた益山亮司。シリーズ構成をヨコオタロウと益山亮司が務める。

 

⑦ 『High Card』(オリジナル)


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【スタッフ】
原作:TMS河本ほむら武野光/監督:和田純一/シリーズ構成:黒栁尚己/脚本:山下憲一犬飼和彦永井真吾/キャラクター原案:えびも/キャラクターデザイン・総作画監督:河野のぞみ/総作画監督:永田陽菜/キーアニメーター・アクション作画監督:望月俊平羽山淳一/キーアニメーター・エフェクト作画監督:橋本敬史/色彩設計:南木由実/美術監督:大西穣鈴木朗/撮影監督:國井智行CG監督:内山正文/編集:伊藤利恵/カードデザイン:BALCOLONY./コンセプトアート:れおえんFLAT STUDIO/音響監督:はたしょう二/音響効果:倉橋裕宗/音楽:高橋諒/アニメーション制作:スタジオ雲雀

【キャスト】
フィン・オールドマン:佐藤元/クリス・レッドグレイヴ:増田俊樹/レオ・コンスタンティン・ピノクル:堀江瞬/ウェンディ・サトー:白石晴香/ヴィジャイ・クマール・シン:梅原裕一郎/セオドール・コンスタンティン・ピノクル:小野大輔/バーナード・シモンズ:山路和弘/オーウェン・オールデイズ:島﨑信長/ノーマン・キングスタット:関俊彦/ブリスト・ブリッツ・ブロードハースト:武内駿輔/ブランディ・ブルーメンタール:園崎未恵/バン・クロンダイク:関智一/ティルト:豊永利行/ボビー・ボール:沢城千春/グレッグ・ヤング:森川智之/シュガー・ピース:高橋李依

【コメント】
選ばれたものに人智を超えた力を与える「エクスプレイングカード」をめぐり,自動車会社の「ピノクル」と「フーズフー」,およびマフィア組織「クロンダイクファミリー」が三つ巴の争いを繰り広げる,という物語。PVからはかなりクオリティの高いアニメーションであることがうかがえる。監督は『長門有希ちゃんの消失』(2015年)『サクガン』(2021年)などの和田純一が務める。またエフェクト作画監督として,『アルドノア・ゼロ』(2014年)『Re:CREATORS』(2017年)『メイドインアビス 深き魂の黎明』(2020年)など,数々の作品でメカ・エフェクト作監を担当してきた橋本敬史が参加している点も見逃せない。

 

⑧ 『Buddy Daddies』(オリジナル)


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【スタッフ】
原作:KRM’s HOME/監督:浅井義之/ストーリー原案:下倉バイオ(ニトロプラス)/シリーズ構成:柿原優子下倉バイオ(ニトロプラス)/キャラクター原案:エナミカツミ/キャラクターデザイン・総作画監督:佐古宗一郎/総作画監督:さとう沙名栄/衣装設定:石井かおり/プロップ設定:鍋田香代子/銃器設定:秋篠 Denforword 日和/美術設定:竹内志保牧野博美/美術監督:杉浦美穂/色彩設計:中野尚美/撮影監督:川瀬輝之3D監督:鈴木晴輝2Dworks向井吉秀J.C.STAFF/特殊効果:村上正博/編集:髙橋歩/音楽:北川勝利ROUND TABLE/音響監督:飯田里樹/音響効果:小山恭正/音響制作:ビットグルーヴプロモーション/制作:P.A.WORKS

【キャスト】
来栖一騎:豊永利行/諏訪零:内山昂輝/海坂ミリ:木野日菜

【コメント】
P.A.WORKS×ニトロプラスのオリジナルアニメ。男2人の殺し屋バディが,ひょんなことから4歳の女の子を引き取ることになり,擬似家族の生活を営んでいくという話。『SPY×FAMILY』にも似た設定だが,ポイントは“男2人のバディ+子ども”という点だろう。伝統的な家族構成をあえて外した設定は,むしろフランス映画『赤ちゃんに乾杯!』(1985年)やアメリカ映画『チョコレートドーナツ』(2012年)などの系統と言えるかもしれない。貴重なオリジナル作品である上,個人的に“擬似家族モノ”には目がないので,ピックアップせざるを得ない。監督は『Charlotte』(2015年)『Fate/Apocrypha』(2017年)『神様になった日』(2020年)などの浅井義之,ストーリー原案を『東京24区』(2022年)などの下倉バイオが務める。

 

⑨ 『火狩りの王』


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【スタッフ】
原作:日向理恵子/キャラクター原案:山田章博/監督:西村純二/構成・脚本:押井守/キャラクターデザイン:齋藤卓也/総作画監督:齋藤卓也黄瀬和哉海谷敏久/エフェクト作画監督:小澤和則/イメージイラスト・プロップデザイン:岩畑剛一/美術設定:中島美佳/メカニックデザイン:神菊薫/クリーチャーデザイン:松原朋広/美術監督:小倉宏昌/色彩設計:渡辺陽子/筆文字:勝又まゆみ/タイトルデザイン・2Dワークス:山崎真紀子/劇中画:水野歌CG監督:西牟田祐禎CG制作:レイルズ/特殊効果:櫻井英朗/撮影監督:荒井栄児/編集:植松淳一/監督助手:菅野幸子/音楽:川井憲次/音響監督:若林和弘/音楽制作:フライングドッグ/音響制作:プロダクション I.G/アニメーション制作:シグナル・エムディ

【キャスト】
灯子役:久野美咲/煌四役:石毛翔弥/明楽役:坂本真綾/炉六役:細谷佳正/綺羅役:早見沙織/緋名子役:山口愛/クン役:國立幸/照三役:小林千晃/火穂役:小市眞琴/油百七役:三宅健太/火華役:名塚佳織/焚三役:宮野真守/灰十役:三木眞一郎/紅緒役:原優子/ほたる役:宮本侑芽/炸六役:真木駿一/炎千役:上田燿司/火十役:綿貫竜之介/ヤナギ役:大原さやか/キリ役:嶋村侑/ひばり役:石田彰/語り:榊原良子

【コメント】
日向理恵子
の同名小説(2018-2021年)を原作とするWOWOWオリジナルアニメ。注目は構成・脚本を務める押井守の存在だ。またPVを見るに,ユニークかつ美麗なアニメーションが期待できそうだ。惜しむらくは,「WOWOWプライム」での放送および「WOWOWオンデマンド」での配信限定という点。「WOWOWオリジナル」という位置付けである以上,致し方ない面もあるが,この手の放送戦略は視聴機会を限定してしまい,SNSによる盛り上がりなどにも欠けることになる。この作品に限った話ではないが,事業者本位の放送・配信形態は,作品そのものにとって益するところは多くないだろう。いずれ地上波でも放送されることを期待したい。

 

⑩ 『REVENGER』(オリジナル)


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【スタッフ】
監督:藤森雅也/ストーリー原案・シリーズ構成:虚淵玄(ニトロプラス)/脚本:虚淵玄(ニトロプラス),大樹連司(ニトロプラス)/キャラクターデザイン原案:鈴木次郎憂雨市/キャラクターデザイン・総作画監督:細越裕治/サブキャラクターデザイン:立花希望/総作画監督:西岡夕樹遠藤江美/助監督:松尾晋平/プロップデザイン:ヒラタリョウ石森連/アクション作画監督:宮本雄岐堀内博之/美術監督:岡本穂高/美術設定:須江信人多田周平斉婉廷滝沢麻菜美/場面設計・美術設定:関根昌之/色彩設計:中野尚美/撮影監督:佐藤哲平/編集:松原理恵/音楽:Jun Futamata/音響監督:藤田亜紀子/音響効果:中野勝博/アニメーション制作:亜細亜堂/原作:利便事屋

【キャスト】
繰馬雷蔵:笠間淳/碓水幽烟:梅原裕一郎/叢上徹破:武内駿輔/鳰:金元寿子/惣二:葉山翔太/漁澤陣九郎:子安武人/ジェラルド嘉納:大塚明夫

【コメント】
場所は架空の歴史をたどった過去の長崎。信じていた者に裏切られ,居場所を失くした雷蔵に,力なき人たちの復讐を代行する殺し屋集団「REVENGER」が手を差し伸べる,という物語。なんと言っても最大のポイントは,『Fate/Zero』(2011年)『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)『PSYCHO-PASS』(2012年)などの虚淵玄が筆を執ることだろう。オリジナルゆえに未知数の部分も多いが,PVからはハイクオリティのアニメーションやユニークなキャラクター造形がうかがえる。監督は『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』(2011年)『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』(2012年)など,数々の作品でアクションシーンに定評のある藤森雅也。今期の注目オリジナルアニメとなりそうだ。

 

⑪ 『LUPIN ZERO』


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【スタッフ】
原作:モンキー・パンチ/監督:酒向大輔/シリーズ構成:大河内一楼/設定考証:白土晴一/キャラクターデザイン:田口麻美/美術監督:清水哲弘小崎弘貴/色彩設計:岡亮子/撮影監督:千葉洋之/編集:柳田美和/音響監督:丹下雄二/音響効果:倉橋裕宗/音楽:大友良英

【キャスト】
ルパン:畠中祐/次元:武内駿輔/洋子:早見沙織/しのぶ:行成とあ/ルパン一世:安原義人/ルパン二世:古川登志夫

【コメント】
ルパン三世の少年時代
を描くオリジナルストーリー。連載当初の昭和30年代を舞台としているだけあり,PV中にも懐かしい風景や洋服のスタイルなどが見られる。『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)を始め,シリーズに深く関わってきたテレコム・アニメーションフィルム制作ということもあり,『ルパン』の従来の持ち味を活かした作品が期待できるだろう。しかしこちらも「DMM TV独占配信」という方式なのが少々残念である。

 

2023年冬アニメのイチオシは…

2023年冬アニメの期待作として,今回は11作品をピックアップした。なかでも今回のイチオシとして,オリジナル作品『REVENGER』を挙げる。現時点ではTwitterアカウントのフォロワーも少なく,ある意味で“賭け”だが,ここは虚淵玄の手腕に期待しよう。 

次点として,やはり『NieR:Automata Ver1.1a』も挙げたい。ゲーム原作のアニメは成功例が多くないが,本作の高いドラマ性に期待したい。その他,『スパイ教室』伊藤潤二『マニアック』『大雪海のカイナ』も挙げておこう。

以上,2023年冬アニメ視聴の参考にして頂ければ幸いである。