アニ録ブログ

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TVアニメ『古見さんは,コミュ症です。』(2021年 秋)第01話「喋りたいんです。」レビュー[考察・感想](「リアルサウンド映画部」掲載記事紹介)

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『古見さんは,コミュ症です。』公式Twitterより引用 ©︎オダトモヒト・小学館/私立伊旦高校

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現在放映中の『古見さんは,コミュ症です。』は,作画や演出面でのクオリティが極めて高く,近年のラブコメアニメの中でもかなりリッチな作品に仕上がっていると言える。今回「リアルサウンド」に掲載した記事では,特に第01話「喋りたいんです。」〈光と影〉の演出に着目し,その演出の妙を読み解いた。今後の視聴の参考に,ご一読願えれば幸いである。

realsound.jp

なお〈光と影〉と言えば,現在放映中の『王様ランキング』第二話「王子とカゲ」にも優れた演出があったことを思い出そう。亀田祥倫の手がけたラストのボッジの表情だ。

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アニメ作品において〈光と影〉を用いた演出は古典的手法ではあるが,キャラクターの関係性や心情をビジュアルとして視聴者に伝達する方法として極めて効果的であり,的確に使用されればシーンやカットの説得力が格段に上がる。とりわけ撮影技術が進歩した現在では,光と影をどうビジュアルに導入するかは作品の質を左右する重要な要因となっていると言えるだろう。

過去の作品の一例としては,長井龍雪・岡田麿里・田中将賀の『心が叫びたがってるんだ。』(2015年)などが挙げられるだろう。「アニメスタイル 008」に掲載されたインタビューでは,長井らが〈光と影〉や〈全影〉の演出について興味深いトークをしている。*1 この辺りの話に興味がある方は,一読されるといいだろう。機会があれば,当ブログでも詳しい内容を紹介したい。

作品データ

*リンクはWikipedia,@wiki,企業HPなど

【スタッフ】原作:オダトモヒト/総監督:渡辺歩/監督:川越一生/シリーズ構成:赤尾でこ/キャラクターデザイン:中嶋敦子/美術監督:佐藤勝/色彩設計:林由稀/撮影監督:並木智/編集:小島俊彦/音楽:橋本由香利/音響監督:渡辺淳/音響制作:HALF H・P STUDIO/アニメーション制作:オー・エル・エム/制作:小学館集英社プロダクション

【キャスト】古見硝子:古賀葵/只野仁人:梶原岳人/長名なじみ:村川梨衣/山井恋:日高里菜/中々思春:大久保瑠美/上理卑美子:藤井ゆきよ/矢田野まける:前島亜美/地洗井茂夫:赤羽根健治/井中のこ子:潘めぐみ/尾根峰ねね:青木瑠璃子/尾鶏かえで:森山由梨佳/園田大勢:佐藤悠雅/忍野裳乃:小野賢章/鬼ヶ島朱子:ブリドカットセーラ恵美/古見秀子:井上喜久子/古見将賀:星野充昭/古見笑介:榎木淳弥/只野瞳:内田真礼/ナレーション:日髙のり子

 

 

*1:「アニメスタイル 008」,pp.26-48,株式会社スタイル,2016年。