アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2025年 秋アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2025年 夏アニメを振返りながら~

『藤本タツキ 17-26』公式Xより引用 ©︎藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会

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2025年 夏アニメ振返り

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夏クールの作品で特に評価したいのは,『CITY THE ANIMATION』『その着せ替え人形は恋をする Season 2』『タコピーの原罪』『ダンダダン 第2期』『瑠璃の宝石』の5作品だ。

石立太一監督『CITY THE ANIMATION』は,あらゐけいいち原作マンガのシュールなギャグを“京アニクオリティ”の作画でアニメイトした傑作である。あまりのシュールさゆえか,あるいは前作『日常』(2011年)の後発作品であるためか,当ブログが期待するほど話題になっていない印象だが,ギャグアニメの価値を転倒させるほどのインパクトを持った作品であることは間違いない。

篠原啓輔監督『その着せ替え人形は恋をする Season 2』は,“好きなものを貫く”というテーマを軸に,海夢と新菜の恋愛模様をフレッシュに描いた作品だ。作画や演出も極めてクオリティが高く,特にキャラの芝居に関しては他の追随を許さないと言ってもよい。アニメの〈日常芝居〉の価値を改めて考えさせてくれる傑作である。

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飯野慎也監督『タコピーの原罪』は,タイザン5の原作に内在する大きな絶望と小さな希望をアニメ的手法でブーストした傑作である。キャラを記号化するマンガ・アニメは,暴力と悪意をどこまで描き切れるのか。その先にいかなる希望を措定できるのか。「タコピー」というファンシーなキャラを導入していながら,こうした問題をあくまでも日常的世界の中で追求した点が評価に値する。作画クオリティも極めて高く,アニメ化による付加価値は当初の期待を大きく上回ったと言っていいだろう。

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山代風我・Abel Gongora監督『ダンダダン 第2期』は,オカルト・アクション・ラブコメの要素を巧みに配合した傑作アニメである。ジジ&邪視のスタイリッシュなアクションや巨大ロボのシュールな巨大感の創出など,原作をブーストしたアニメーション表現が目を引く。モモとオカルンの恋模様もエモたっぷりに演出されており,第1期に引き続き,非常にバランス感の優れたエンタメ作品に仕上がっている。

藤井慎吾監督『瑠璃の宝石』は,「鉱物学」という硬派なテーマとカジュアルなガールズトークを巧みに接合した傑作アニメである。テーマの面白さに加え,作画のレベルも非常に高く,随所で良質な芝居作画を披露している。『着せ恋』と同様,ハイクオリティの〈日常芝居〉が楽しめる作品だ。“好きなものを追求する”という価値観においても『着せ恋』と共通点がある。フィールドも作風もまったく異なるが,現代的な価値観を反映した作品として,この2作品を比較してみるのも面白いかもしれない。

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この他,美麗な作画でフレッシュな恋愛と友情を描く『薫る花は凛と咲く』,迫力の作画でキャラの熱い情念を伝える『ガチアクタ』,唯一無二のスタイリッシュな作劇法で“ビッチ”な独自路線を貫く『New PANTY & STOCKING with GARTERBELT』,説得力のあるアニオリ演出で原作勢も唸らせる『光が死んだ夏』,魅力的なキャラメイクと軽妙なガールズトークが楽しい『フードコートで,また明日。』,バイプレイヤーの魅力を本編とOPアニメーションで伝えた『よふかしのうた』など,高評価に値する作品が数多くある。

2025年 夏アニメの最終的なランキングは,全作品の最終話放送終了後に掲載する予定である。

 

では今回も2025年 秋アニメのラインナップの中から,五十音順に注目作をピックアップしていこう。各作品タイトルの下に最新PVなどのリンクを貼ってあるので,ぜひご覧になりながら本記事をお読みいただきたい。なお,オリジナルアニメ(マンガ,ラノベ,ゲーム等の原作がない作品)のタイトルの末尾には「(オリジナル)」と付記してある。

 

①『ウマ娘 シンデレラグレイ 第2クール』


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『ウマ娘 シンデレラグレイ』公式X

【スタッフ】
原作:Cygames/漫画:久住太陽/脚本:杉浦理史/漫画企画構成:伊藤隼之介/監督:みうらたけひろ/シリーズ構成:金田一士/キャラクターデザイン:福元陽介佐々木啓悟,宮原拓也/総作画監督:福元陽介工藤康平髙田晃野村雅史﨑本さゆり/副監督:清水雄大/作画アクション監修:松本顕吾/色彩設計:岡崎菜々子/美術監督:狹田修/3DCGディレクター:神谷宣幸/撮影監督:伏原あかね/編集:三嶋章紀/音響監督:郷文裕貴/音楽:川井憲次/アニメーションプロデューサー:近松拓也/アニメーション制作:CygamesPictures

【キャスト】
オグリキャップ:高柳知葉/ベルノライト:瀬戸桃子/北原穣:小西克幸/六平銀次郎:大塚芳忠/フジマサマーチ:伊瀬茉莉也/ノルンエース:渋谷彩乃/ルディレモーノ:大地葉/ミニーザレディ:井澤詩織/タマモクロス:大空直美/ヤエノムテキ:日原あゆみ/サクラチヨノオー:野口瑠璃子/メジロアルダン:会沢紗弥/スーパークリーク:優木かな/ディクタストライカ:花守ゆみり/ゴールドシチー:香坂さき/シンボリルドルフ:田所あずさ/マルゼンスキー:Lynn/ミスターシービー:天海由梨奈/トニビアンカ:甲斐田裕子/オベイユアマスター:石上静香/ムーンライトルナシー:関根明良/ミシェルマイベイビー:高垣彩陽/エラズリープライド:富田美憂

【コメント】
2025年春クールに放送された作品の続編。第1クールで宿敵・タマモクロスに圧倒的な力の差を見せつけられたオグリキャップ。彼女の次の舞台は,世界の競合が集うジャパンカップである。第1クールでは,オグリキャップの特異な身体能力を活かした迫力の作画を披露した本作。さらに第2クールでは,登場ウマ娘の数が一気に増えたことにより,個性的なデザイン・芝居・CVを楽しめる作品となるだろう。
第1クールでは伊藤祐毅とみうらたけひろの共同監督だったのが,第2クールではみうらたけひろ単独監督となる。その他,キャラクターデザインや総作画監督などのスタッフに若干の異同がある。

 

②『グノーシア』


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『グノーシア』公式X

【スタッフ】
原作:petit depotto/キャラクター原案:ことり(petit depotto)/監督:市川量也/シリーズ構成・脚本:花田十輝/キャラクターデザイン:松浦有紗/美術監督:鎌田麻友美高田真理/撮影監督:野村達哉/音楽:深澤秀行/音響監督:納谷僚介/音響効果:川田清貴/人狼監修:松崎史也/プロデュース:川勝徹(petit depotto),木村吉隆(アニプレックス)/アニメーション制作:domerica

【キャスト】
ユーリ:安済知佳/セツ:長谷川育美SQ鬼頭明里/ラキオ:七海ひろき/ジナ:瀬戸麻沙美/しげみち:関智一/ステラ:早見沙織/夕里子:悠木碧/コメット:佐倉綾音/シピ:中村悠一/ジョナス:津田健次郎/オトメ:花澤香菜/レムナン:大塚剛央/沙明:江口拓也
【コメント】
原作はゲーム制作集団プチデポットの同名ゲーム(2019年)。人狼ゲーム×SF×ループものという取り合わせのストーリーだ。注目はシリーズ構成・脚本を『響け!ユーフォニアム』シリーズ(2015-2024年)や『メダリスト』(2025年)の花田十輝が担当する点だ。いつの世もゲーム原作のアニメ化はハードルが高いが,『STEINS;GATE』 (2011年)を成功させた花田の手腕を信じたい。監督は『フェルマーの料理』(2025年)などの市川量也。PVを観ると,宇宙船の描写などに3GCGアニメーターとしての市川の力量が発揮されていることがわかる。
 

③『SANDA』


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『SANDA』公式X

【スタッフ】
原作:板垣巴留/監督:霜山朋久/シリーズ構成・脚本:うえのきみこ/音楽:田中知之(FPM)/キャラクターデザイン・総作画監督:石山正修/美術監督:桧垣仁希/色彩設計:合田沙織/撮影監督:伊藤ひかり/編集:廣瀬清志/音響監督:三好慶一郎/アニメーション制作:サイエンスSARU

【キャスト】
三田一重:村瀬歩/サンタクロース:東地宏樹/冬村四織:庄司宇芽香/小野一会:永瀬アンナ/甘矢一詩:新祐樹/風尾二胡:松岡美里/柳生田三郎:平田広明/大渋一二三:関俊彦

【コメント】
原作は板垣巴留の同名マンガ。中学生の三田一重(村瀬歩)から老人サンタクロース(東地宏樹)への変身という,振れ幅の大きいキャラ変が面白い。『BEASTARS』(2019-2014年)で“獣人の肉食欲”という特異なテーマを扱った板垣だけに,本作でも唯一無二のストーリーテリングを楽しめそうだ。制作は『平家物語』(2022年)『ダンダダン』(2024年-)など今を時めくサイエンスSARU。監督は『DEVILMAN crybaby』(2018年)『映像研には手を出すな!』(2020年)など,サイエンスSARU作品への参加経歴の多い霜山朋久。脚本は『ダンジョン飯』(2024年)『らんま1/2』(2024年)など多くの傑作に参加経歴のあるうえのきみこ。座組に不足はない。

 

④『Spy×Family Season 3』


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『Spy×Family』公式X

【スタッフ】
原作:遠藤達哉/監督:今井友紀子/シリーズ構成:山崎莉乃/キャラクターデザイン・総作画監督:嶋田和晃/色彩設計:原恭子/美術設定:竹内柚紀(草薙),杉本智美(Unstable)/美術監督:臼井みなみ/CG監督:渡邉啓太(サブリメイション)/撮影監督:佐久間悠也/副撮影監督:伊藤幸子/編集:小口理菜(IMAGICA)/音楽プロデュース:(K)NoW_NAME/音響監督:はたしょう二/音響効果:出雲範子/制作:WIT STUDIO×CloverWorks

【キャスト】
ロイド・フォージャー:江口拓也/アーニャ・フォージャー:種﨑敦美/ヨル・フォージャー:早見沙織/ボンド・フォージャー:松田健一郎/フランキー・フランクリン:吉野裕行/シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子/ヘンリー・ヘンダーソン:山路和弘/ユーリ・ブライア:小野賢章/ダミアン・デズモンド:藤原夏海/ベッキー・ブラックベル:加藤英美里/フィオナ・フロスト:佐倉綾音

【コメント】
言わずと知れたビッグタイトルの続編。Season 1(2022)年,Season 2(2023年)に続く第3作目ということになる。監督が古橋一浩から『逆転裁判〜その「真実」,意義あり!〜 Season 2』(2018年)で助監督を務めた今井友紀子(本作が初監督)に,シリーズ構成が大河内一楼から『薫る花は凛と咲く』(2025年)などの山崎莉乃にバトンタッチする(シリーズ構成はSeason 1:古橋一浩→Season 2:大河内一楼→Season 3:山崎莉乃と変遷している)他,多くのスタッフに異同がある。

 

⑤『千歳くんはラムネ瓶のなか』


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『千歳くんはラムネ瓶のなか』公式X

【スタッフ】
原作:裕夢/キャラクター原案:raemz/監督:德野雄士/シリーズ構成:荒川稔久/脚本:裕夢荒川稔久/キャラクターデザイン:木野下澄江/プロップデザイン:秋篠Denforword日和枡田邦彰立田眞一/3D監督:小川耕平/美術背景:スタジオ天神/美術監督:諸熊倫子/色彩設計:宮脇裕美/撮影監督:中村雄太/編集:丸山流美/音響監督:納谷僚介/音響制作:スタジオマウス/音楽:藤澤慶昌/音楽制作:KADOKAWA/アニメーション制作:feel.

【キャスト】
千歳朔:坂田将吾/柊夕湖:石見舞菜香/内田優空:羊宮妃那/青海陽:大久保瑠美/七瀬悠月:長谷川育美/西野明日風:安済知佳/岩波蔵之介:阿座上洋平/山崎健太:宮﨑雅也

【コメント】
原作は裕夢の同名ライトノベル。完璧リア充が主人公という,ライトノベルにしては少々珍しいキャラメイクが特徴だが,これをアニメ化した時にどう見えてくるかが見どころだろう。福井県を舞台としているということもあり,いわゆる“ご当地アニメ”の側面もある。PVを観るに,キャラクターデザインや作画のクオリティは高い。監督は『呪術廻戦 渋谷事変』(2023年)などに参加経歴のある德野雄士(本作が初監督)。シリーズ構成は『仮面クウガ』(2000-2001年)などの荒川稔久。また原作者の裕夢自身が脚本に携わっている。キャラクターデザインは『スパイ教室』(2023年)などの木野下澄江。制作は『ヒナまつり』(2018年)『スパイ教室』『Summer Pockets』(2025年)などのfeel.。近年,安定した作品を提供し続けている会社だ。また羊宮妃那ファンは必見の作品となるだろう。

 

⑥『永久のユウグレ』(オリジナル)


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『永久のユウグレ』公式X

【スタッフ】
原作:Project FT/監督・シリーズ構成:津田尚克/キャラクター原案:タヤマ碧/キャラクターデザイン:齊藤佳子/サブキャラクターデザイン:GONTA/美術デザイン:宮岡真弓多田周平/メインアニメーター:鍋田香代子/総作画監督:齊藤佳子長田好弘さとう沙名栄/色彩設計:佐々木梓/美術監督:浅井唯奈田辺浩子/2Dworks:向井吉秀/3D監督:市川元成/撮影監督:児玉純也/編集:髙橋歩/音楽:得田真裕/音響監督:吉田光平/録音:安齋歩/音響効果:小山恭正/音響制作:dugout/アニメーション制作:P.A.WORKS

【キャスト】
姫神アキラ:梅田修一朗/ユウグレ:石川由依/王真樹トワサ:茅野愛衣/アモル:富田美憂/ヨイヤミ:沢城みゆき/ハクボ:楠木ともり/ヨクラータ:阿座上洋平/イディ:小針彩希/オボロ:森川智之/カルクラム:坂泰斗/フィーデス:小清水亜美/ハニヤマ:河瀬茉希/アジサイ:白石晴香/ヴァーレ:稲田徹/キャスタ:佐藤利奈/カニス:鶴岡聡/マールム:子安武人/ウルス:仲野裕/セシャト:伊瀬茉莉也

【コメント】
P.A.WORKSオリジナル作品。とある事件をきっかけに,コールドスリープによって未来の世界で目覚めた姫神アキラ。戸惑う彼の元に現れたのは,かつて愛を誓い合った王真樹トワサにそっくりのAIロボット・ユウグレだった,という物語。すでに物語のプロローグにあたる「第0話」が放送されている。「第0話」では,AIが人間生活に浸透したリアリティラインが高めの世界が描かれているが,PVを観ると,「第1話」以降の本編はSF度が一気に増すようだ。この世界観で,“AIと心”という伝統的テーマが本作でどう料理されるか。監督・シリーズ構成は『東京24区』(2022年)の津田尚克。オリジナルアニメ推しの当ブログとして,会社主導でコンスタントにオリジナルアニメを制作しているP.A.WORKSを応援しないわけにいかない。

 

⑦『藤本タツキ 17-26』


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『藤本タツキ 17-26』公式X

『庭には二羽ニワトリがいた。』
【スタッフ】
監督・脚本:長屋誠志郎/キャラクターデザイン・作画監督:もああん/テクニカルアドバイザー:山下清悟/色彩設計:中村絢郁/美術監督:谷岡善王/撮影監督:千葉大輔/編集:齋藤朱里/音響監督:亀山俊樹/音楽:石塚玲依/制作:ZEXCS
 【キャスト】
ユウト:小野賢章/アミ:桜井しおん/陽平:浦和希/金田萌美:斉藤貴美子/遠藤マサトシ:岩田光央

『佐々木くんが銃弾止めた』
【スタッフ】
監督:木村延景/脚本:内海照子/キャラクターデザイン・作画監督:小園菜穂/色彩設計:辻田邦夫/美術監督:中村千恵子(スタジオ心)/2Dデザイン:佐藤菜津子/3DCGディレクター:越田祐史(スタジオポメロ)/撮影監督:田村仁/編集:黒澤雅之/音響監督:本山哲/音楽:井内啓二/制作:ラパントラック
【キャスト】
佐々木くん:熊谷俊輝/川口千恵子:安済知佳/桑野:岡野陽一

『恋は盲目』
【スタッフ】
監督:武内宣之/脚本:内海照子/キャラクターデザイン:もりともこ/色彩設計:相田美里/美術監督:中村千恵子(スタジオ心)/2Dデザイン:佐藤菜津子/3DCGディレクター:越田祐史(スタジオポメロ)/撮影監督:田村仁/編集:黒澤雅之/音響監督:山田陽(サウンドチーム・ドンファン)/音楽:yuma yamaguchi/制作:ラパントラック
【キャスト】
伊吹:堀江瞬/鴻巣ユリ:若山詩音/早坂先生:森川智之/強盗:山本高広/宇宙人:諏訪部順一/宇宙人嫁:能登麻美子

『シカク』
【スタッフ】
監督・脚本:安藤尚也/キャラクターデザイン・作画監督/MYOUN:銃器デザイン:髙田晃/プロップデザイン:山本もも/色彩設計:吉田小百合/美術監督:岡本穂高/美術設定:竹内柚紀/2Dワークス・特殊効果:内海紗耶江頭鈴々/3DCGディレクター:長澤洋二/撮影監督:河原秀樹/編集:三嶋章紀/音響監督:高寺たけし/音楽:川井憲次/制作:GRAPH77
【キャスト】
シカク:花澤香菜/ユゲル:杉田智和

『人魚ラプソディ』
【スタッフ】
監督:渡邉徹明/脚本:小林達夫/キャラクターデザイン:島崎望/美術監督:高橋佐知/色彩設計:のぼりはるこ/撮影監督:伊藤哲平/編集:長谷川舞/音響監督:郷文裕貴/音楽:石塚玲依/制作:100studio
【キャスト】
トシヒデ:菊田千瑛/シジュ:幸村恵理

『目が覚めたら女の子になっていた病』
【スタッフ】
監督・脚本:寺澤和晃/キャラクターデザイン・作画監督:徳岡紘平/美術監督:森川篤/色彩設計:小針裕子/撮影監督:小川克人/編集:今井大介/音響監督:はたしょう二/音楽:石塚玲依/制作:スタジオカフカ
【キャスト】
トシヒデ:榊原優希/リエ:河瀬茉希/アキラ:山下誠一郎

『予言のナユタ』
【スタッフ】
監督・脚本:渡邉徹明/キャラクターデザイン東島久志/美術監督:金子雄司/色彩設計:野地弘納/撮影監督:伊藤哲平/編集:長谷川舞/音響監督:小沼則義/音楽:Kevin Penkin/制作:100studio
【キャスト】
ナユタ:咲々木瞳/ケンジ:松岡洋平

『妹の姉』
【スタッフ】
監督:本間修/脚本:米内山陽子/キャラクターデザイン:佐川遥/色彩設計:有澤法子/美術監督:東地和生/3D監督:市川元成/特殊効果:村上正博村上寿美江/撮影監督:並木智/編集:髙橋歩/音響監督:木村絵理子/音楽:得田真裕/制作:P.A.WORKS
【キャスト】
江原光子:中島瑠菜/江原杏子:中井友望/先生:今井朋彦

【コメント】
原作は今を時めく藤本タツキ『藤本タツキ短編集17-21』(2021年)と『藤本タツキ短編集22-26』(2021年)。現在劇場版『レゼ篇』が上映中の『チェンソーマン』や,当ブログでも2024年の年間ランキング1位として挙げた『ルックバック』(2024年)など,藤本の創作の“原点”とも言える作品群である。原作が面白いことに加え,スタッフクレジットにはもああん山下清悟内海照子武内宣之安藤尚也MYOUN渡邉徹明本間修佐川遥東地和生など,錚々たるメンバーが名を連ねている。アニメファンであれば必見の作品だ。

 

⑧『不滅のあなたへ Season 3』


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『不滅のあなたへ』公式X

【スタッフ】
原作:大今良時/総監督:佐山聖子/監督:横手颯太/シリーズ構成:藤田伸三/キャラクターデザイン:薮野浩二/音楽:川﨑龍/音響監督:高寺たけし/アニメーション制作:ドライブSTUDIO MASSKET

【キャスト】
フシ:川島零士/ミズハ:楠木ともり/サトル:花守ゆみり/アオキユーキ:潘めぐみ/ハンナ:内田彩/タマキカズム:落合福嗣/センバスズヒコ:沢城千春/アイコ:古賀葵/カズミツ:樫井笙人/イズミ:伊藤静/イツキ:三木眞一郎/みもり:大久保瑠美/ひろとし:畠中祐/ボンシェン・ニコリ・ラ・テイスティピーチ=ウラリス:子安武人/マーチ:引坂理絵/グーグー:八代拓/トナリ:稲川英里/エコ:広橋涼/カイ・レナルド・ロウル:加瀬康之/ハイロ・リッチ:石川界人/メサール・ロビン・バスタル:宮下栄治/観察者:津田健次郎

【コメント】
こちらも多くを語る必要はないだろう。大今良時の大作の続編である。Season 1(2021年),Season 2(2022-2023年)に続く第3作目である。「現世編」に入ったことで世界観は一変。登場人物も大幅に増えており,公式のキービジュアルもたいへん賑やかなものとなっている(公式Xのコメントによれば,大今が「とにかく全員をのせてほしい」と要望を出したらしい)。Season 2で監督を務めた佐山聖子が総監督に昇格,新たに横手颯太が監督として就任している(監督はSeason 1:むらた雅彦→Seaon 2:佐山聖子→Season 3:横手颯太と変遷している)。長期展開となった本作だが,原作はすでに完結している。いよいよゴールが見えてきたというところか。

 

⑨『らんま1/2 第2期』


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『らんま1/2』公式X

【スタッフ】
原作:高橋留美子/監督:宇田鋼之介/シリーズ構成:うえのきみこ/キャラクターデザイン:谷口宏美/総作画監督:吉岡毅齊藤佳子大津直川村幸祐/メインアニメーター:内藤直青木里枝栗尾昌弘/POPアートワーク:北村みなみ/美術監督:大川千裕林竜太/色彩設計:垣田由紀子/撮影監督:加納篤/編集:柳圭介/音響監督:宇田鋼之介/音響効果:長谷川卓也/選曲:茅原万起子/音響制作:dugout/音楽:和田薫/企画プロデュース:小学館集英社プロダクション/制作:MAPPA/製作:「らんま1/2」製作委員会

【キャスト】
早乙女乱馬:山口勝平/らんま:林原めぐみ/天道あかね:日髙のり子/天道なびき:高山みなみ/天道かすみ:井上喜久子/天道早雲:大塚明夫/早乙女玄馬:チョー/響良牙:山寺宏一/シャンプー:佐久間レイ/ムース:関俊彦/久遠寺右京:名塚佳織九能帯刀:杉田智和/九能小太刀:佐倉綾音/八宝斎:井上和彦/コロン:真山亜子小乃東風:森川智之/三千院帝:宮野真守/白鳥あずさ:悠木碧/五寸釘光:石田彰/いちろう:関智一/ナレーション:緒方賢一

【コメント】
こちらも言わずと知れた傑作マンガのリメイク続編。谷口宏美による的確かつ魅力的なキャラクターデザインによって現代風味にアップデートした一方で,主要キャラの声優を旧作から続投させるなど,新・旧の持ち味をバランスよく配合している。アクションや日常芝居も良好で,MAPPAの制作力を改めて感じさせてくれる作品だ。今期も期待してよいだろう。前期から座組の変更はほとんどないが,総作画監督に川村幸祐,メインアニメーターに栗尾昌弘が加わるなど,若干の異同が見られる。

 

⑩『羅小黒戦記』(オリジナル)


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『羅小黒戦記』公式X

【スタッフ】
監督・脚本:木頭(MTJJ)/副監督:顧傑阿根栗子呆尾小榕/作画監督:大爽/美術:盲眼/〈日本語吹替版〉音響監督:岩浪美和/音響制作:グロービジョン

【キャスト】
シャオヘイ:花澤香菜/シャオバイ:佐倉綾音/アゲン:潘めぐみ/シャンシン:鬼頭明里/ロウクン:山寺宏一/ディーティン:内山昂輝/おじいちゃん:茶風林/ムゲン:宮野真守

【コメント】
劇場公開された木頭(MTJJ)監督『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(2020年)と同じ作品だが,本作はその元となった短編Webアニメ(2011年-)の日本語吹き替え版である(作品内の時系列には劇場版はWeb版の4年前を扱っている)。劇場版とはやや趣が異なり,シャオヘイをとりまく日常風景が中心の作風だが,キャラの魅力と素朴なストーリーを楽しむことのできる良作である。中国人クリエイターの創作する“可愛い”を堪能しよう。なお2025年11月7日(金)より,劇場版の続編である『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の公開が決定している。

 

⑪『私を喰べたい,ひとでなし


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『私を喰べたい,ひとでなし』公式X

【スタッフ】
原作:苗川采/総監督:葛谷直行/監督:鈴木裕輔/構成・脚本:広田光毅/キャラクターデザイン:郁山想/色彩設計:水野多恵子/美術監督:工藤義隆/撮影監督:武原健二/3DCG:志田じしろ/編集:瀧川三智/音響監督:納谷僚介/音響効果:斎藤みち代/音楽:井内啓二/アニメーションプロデューサー:高木秀仁/プロデュース:インフィニット/アニメーション制作:スタジオリングス

【キャスト】
八百歳比名子:上田麗奈/近江汐莉:石川由依/社美胡:ファイルーズあい

【コメント】
原作は苗川采による同名マンガ。死を望む主人公・八百歳比名子のもとに,その血肉を喰らうべく人魚の近江汐莉が姿を現す。タイトル通りの陰鬱な物語が堪らない。注目は主人公・比名子を演じる上田麗奈だ。“薄幸系・ファムファタール系美少女”を演じたら右に出る者はないと言える上田は,『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021年)のギギ・アンダルシア,『わたしの幸せな結婚』(2023年)の斎森美世,『劇場版チェンソーマン レゼ篇』(2025年)のレゼなどを経て,ますます存在感を増している声優だ。本作の比名子役としてこれ以上にないキャスティングと言えるだろう。監督は『デュエル・マスターズ キング』(2020-2022年)などの鈴木裕輔。構成・脚本は『彼女,お借りします』(2020年)などの広田光毅。制作は『大室家 dear sisters / dear friends』(2024年)などのスタジオリングス

 

2025年 秋アニメのイチオシは…

2025年 秋アニメの期待作として,今回は11作品をピックアップした。

この中でも特にイチオシとして,『藤本タツキ 17-26』を挙げる。劇場&アマプラ独占配信ということもあって表面的な盛り上がりは限定的なものになる可能性があるが,上述したように,その座組の充実ぶりはアニメファンとして無視できない。

次点として,P.A.WORKS制作のオリジナル・津田尚克監督『永久のユウグレ』,サイエンスSARU制作・霜山朋久監督の『SANDA』德野雄士監督『千歳くんはラムネ瓶のなか』,鈴木裕輔監督『私を喰べたい,ひとでなし』を挙げたい。『私を喰べたい,ひとでなし』に関しては,当ブログでは珍しく上田麗奈という声優の演技に注目したピックアップだ。

以上,2025年 秋アニメ視聴の参考にして頂ければ幸いである。