アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2026年 春アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2026年 冬アニメを振返りながら~

『上伊那ぼたん,酔へる姿は百合の花』公式Xより引用 ©︎塀(秋田書店)/上伊那ぼたん製作委員会

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2026年 冬アニメ振返り

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冬クールの作品で特に評価したいのは,『違国日記』『グノーシア 第2クール』『正反対な君と僕』『葬送のフリーレン 第2期』『ダーウィン事変』『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 第2クール』『TRIGUN STARGAZE』『メダリスト 第2期』の8作品だ。

大城美幸監督『違国日記』

原作の構成を大胆に改変し,アニメオリジナルの表現を随所に盛り込んだ意欲作だ。この作品はすでに実写映画化されているため,アニメーション作品ならではの表現で大きなプレゼンスを示した点を評価したい。“原作そのまま”が必ずしも原作付きアニメの正義ではないことを感じさせてくれる作品だ。

市川量也監督『グノーシア 第2クール』:ゲーム原作のアニメ化という高いハードルを,花田十輝の優れた構成力で乗り越えた良作。キャラクターデザイン,色彩設計,カメラワークなど,画作りの面でもたいへん面白い作りをしている。ゲーム原作の作品として大きな成功を収めたと言えるだろう。なお,本記事執筆時点で最終話まで放送が終了している。

長友孝和監督『正反対な君と僕』:まずラパントラックによるポップな演出が目を引く。色と動きと音が加わったことで,作品の魅力がいっそう際立つ作品に仕上がっていると言えるだろう。思春期の“モヤモヤを言語化する”モノローグが面白く,声優陣の演技も光っている。心情や人間関係のあり方など,視聴者に内面的考察を促す良質な学園ラブコメである。

北川朋哉『葬送のフリーレン 第2期』:第1期に続き,丁寧な作画芝居と的確なアニオリ演出によって上質なファンタジー作品に仕上がっている。前半の話数はほぼ日常風景が続いたが,第36話のレヴォルト戦で流麗なアクション作画が披露され,一気にボルテージが上がった感がある。北川朋哉“新”監督の手腕が存分に発揮されていると言ってよい。

津田尚克監督『ダーウィン事変』「ヒューマンジー」という架空の存在を想定することによって,ヒトとは何か,ヒトと動物の関係はどうあるべきかを考察させる社会派の作品である。凄惨なシーンの描写にも正面から取り組んだことで,この作品に込められたメッセージの強度も高まったように感じられる。結末が楽しみな作品だ。

池添隆博監督『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 第2クール』:相変わらずパワーギャグ炸裂しっぱなしの本作。特に東島×一葉×中尾のトリオは,まるで芸人のドツキ漫才を見ているかのようで,毎話爆笑させてもらった。その反面,終盤に近づくにつれ,きちんと“仮面ライダー”のストーリーになっている。高い脚本力を示した良作と言える。

佐藤雅子監督『TRIGUN STARGAZE』:オレンジによる3DCG描画によって,新たな装いで再誕生した『トライガン』。流麗なアクションはもちろんのこと,キャラの細やかな芝居や豊かな表情など,細部まで作り込まれている点が評価できる。物語は佳境に入り,いよいよヴァッシュとナイヴズの対決が始まる。最後まで楽しめる作品になりそうだ。

山本靖貴監督『メダリスト 第2期』:第1期に引き続き,滑走シーンの3DCG描画が抜群の出来栄えである。こればかりはマンガには不可能な表現であるから,滑走シーンはアニメ化最大の“付加価値”と言えるかもしれない。特に第17話の「中部ブロック大会」の演出は見事だった。結束祈りvs狼嵜光,明浦路司×夜鷹純の対決や,いかに。

この他,アニメ班の独自解釈で作品の魅力を引き出した『呪術廻戦 死滅回游 前編』,魅力的なキャラデザと迫力あるアクションが光る『Fate/strange Fake』,作画面において細部まで隙を見せない『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』なども高評価に値するだろう。

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2026年 冬アニメの最終的なランキングは,全話放送終了後に改めて掲載する予定である。

 

では今回も2026年 春アニメのラインナップの中から,五十音順に注目作をピックアップしていこう。各作品タイトルの下に最新PVなどのリンクを貼ってあるので,ぜひご覧になりながら本記事をお読みいただきたい。なお,オリジナルアニメ(マンガ,ラノベ,ゲーム等の原作がない作品)のタイトルの末尾には「(オリジナル)」と付記してある。

 

①『あかね噺』


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『あかね噺』公式X

【スタッフ】
原作:末永裕樹(原作),馬上鷹将(作画)/監督:渡辺歩/副監督:播摩優/シリーズ構成:土屋理敬/キャラクターデザイン・総作画監督:田中紀衣/サブキャラクターデザイン・総作画監督:新田靖成/総作画監督:香川久/衣装デザイン:島沢ノリコ/プロップデザイン:岩永悦宜/美術設定:多田周平/美術:纓田拓海/色彩設計:合田沙織/撮影監督:中村雄太/編集:廣瀬清志/音響監督:小沼則義/音楽:井筒昭雄/落語監修:林家木久彦/アニメーション制作:ゼクシズ

【キャスト】
桜咲朱音:永瀬アンナ/練磨家からし:江口拓也/高良木ひかる:高橋李依/阿良川魁生:塩野瑛久/阿良川志ん太(桜咲徹):福山潤/阿良川まいける:島﨑信長/阿良川こぐま:小林千晃/阿良川享二:阿座上洋平/阿良川ぐりこ:山下誠一郎/阿良川志ぐま:てらそままさき/阿良川一生:大塚明夫

【コメント】
原作は末永裕樹(原作)と馬上鷹将(作画)による同名マンガ。落語の真打を目指す少女の話ということで,見どころは噺家の所作の作画や日常芝居が中心となるだろう。PVを見るに,基本的な作画の水準は十分以上であると言える。監督は『海獣の子供』(2019年)『漁港の肉子ちゃん』(2021年)『サマータイムレンダ』(2022年)などの渡辺歩。キャラクターデザイン・総作画監督は『ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと』(2023年)などで同職を務めた田中紀衣。なお,渡辺は後述の『とんがり帽子のアトリエ』でも監督を務めており,同クールで2作品の放送ということになる。

 

②『淡路島百景』


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『淡路島百景』公式X

【スタッフ】
原作:志村貴子/監督:浅香守生/キャラクターデザイン:濱田邦彦/シリーズ構成:中西やすひろ/美術監督:中村豪希/撮影監督:酒井淳子/音楽:小畑貴裕/アニメーション制作:マッドハウス

【キャスト】
田畑若菜:中林新夏/竹原絹枝:大地葉/上田良子:茅野愛衣/岡部絵美:藤原夏海/伊吹桂子:恒松あゆみ/小鳥遊紗羅:市ノ瀬加那/藤沢江里:清水理沙/雅楽川静香:泊明日菜

【コメント】
原作は志村貴子の同名マンガ。宝塚をモデルとした歌劇団を舞台に,少女たちの青春を描いた群像劇である。PVを見ると,志村の一見シンプルに見えながら存在感のあるデザインを的確にアニメーションに落とし込んでいることがうかがえる。そして最大の注目ポイントは,監督:浅香守生×キャラクターデザイン:濱田邦彦の『NANA』(2006年)『ちはやふる』(2011年)『山田くんとLv999の恋をする』(2023年)のタッグだ。もちろん制作はマッドハウス(上記3作の制作会社)である。志村の原作ベースにこの座組であれば,なんら不足はない。大いに期待しよう。

 

③『上伊那ぼたん,酔へる姿は百合の花』


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『上伊那ぼたん,酔へる姿は百合の花』公式X

【スタッフ】
原作:/監督:佐久間貴史/副監督:戸澤俊太郎/シリーズ構成・脚本:米内山陽子/キャラクターデザイン:吉成鋼/サブキャラクターデザイン・メインアニメーター:みやち/プロップデザイン・メインアニメーター:松尾祐輔/衣装デザイン:藤井有紗/美術監督:宮越歩/色彩設計:伊藤唯/撮影監督:富田喜允/3D監督:小川耕平/編集:廣瀬清志/音楽:橋口佳奈/音響監督:明田川仁/音響制作:マジックカプセル/アニメーションプロデューサー:村上光/制作:ソワネ

【キャスト】
上伊那ぼたん:鈴代紗弓/砺波いぶき:青山吉能/郡上かなで:寿美菜子/遊佐あかね:天海由梨奈/北杜やえか:富田美憂/張景嵐:河瀬茉希

【コメント】
原作はによる同名マンガ。酒とガールズトークを扱った作品ということで,正真正銘の深夜・大人アニメだ。最大の見どころは,画作りに並々ならぬこだわりをみせるあの吉成鋼がキャラクターデザイナーを務める点だ。無論,今回はキャラデザという役職であるから,全てのカットの原画・動画・撮影を支配するということにはならないだろうが,吉成が部分的にカットやシーンを担当する可能性は期待してしまう。加えて,プロップデザイン・メインアニメーターとして,『ヤマノススメ』(2013年)などの松尾祐輔が参加する。PVからも,十中八九“作画アニメ”として話題になることが予想される。また制作会社ソワネは若い会社だが,すでに『mono』(2025年)でその制作力は証明済みである。オンエアでは金曜深夜の放送ということもあり,いろいろな意味で酒の進むことになりそうな作品だ。

 

④『氷の城壁』


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『氷の城壁』公式X

【スタッフ】
原作:阿賀沢紅茶/監督:まんきゅう/助監督:石井輝/シリーズ構成:中西やすひろ/キャラクターデザイン:荻野美希/サブキャラクターデザイン:伊藤依織子/プロップデザイン:濵田悠示/衣装デザイン:琴乃笛木優奈/美術監督・美術設定:前田慎/色彩設定:のぼりはるこ/3DCGディレクター:酒寄直哉/撮影監督:渡辺実花/編集:吉武将人/劇伴:佐久間奏田渕夏海/劇伴制作:日音/音響監督:吉田光平/原作協力:マーガレット編集部/チーフアニメーションプロデューサー:柴宏和/アニメーションプロデューサー:伊藤太貴/アニメーション制作:スタジオKAI

【キャスト】
氷川小雪:永瀬アンナ/安曇美姫:和泉風花/雨宮湊:千葉翔也/日野陽太:猪股慧士/霜島月子:新福桜/五十嵐翼:小林千晃

【コメント】
原作は阿賀沢紅茶による同名マンガ。冬クール絶賛放送中の『正反対な君と僕』の阿賀沢原作ということで,注目しないわけにいかない作品だ。そもそも同一の原作者の別マンガが連続2クールで放送されるというケースも珍しいわけで(しかも阿賀沢の作品数はまださほど多くない),アニメファンの人情として,どうしても“ラパントラック/スタジオKAI”という比較対照をしてみたくなる。そうした比較をするのも面白いだろうし,純粋にこの作品だけを内在的に楽しむのももちろんありだ。『ミギとダリ』(2023年)などのまんきゅうが監督を務めるのも大きなポイントだ。

 

⑤『春夏秋冬代行者 春の舞』


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『春夏秋冬代行者 春の舞』公式X

【スタッフ】
原作:暁佳奈/原作イラスト:スオウ/監督:山本健/アニメーションアドバイザー:古橋一浩/シリーズ構成:久尾歩/キャラクターデザイン:鳥井なみこ/ビジュアル開発・イメージボード:米谷聡美久保雄太郎/美術監督:竹田悠介(Bamboo)/色彩設計:中村絢郁(WIT STUDIO)/色彩設計補佐:生田さら(WIT STUDIO)/撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ札幌スタジオ)/編集:柳圭介ACE/音響制作:東北新社/音響監督:木村絵理子(東北新社)/音楽:牛尾憲輔/アニメーションプロデューサー:大谷丞/アニメーション制作:WIT STUDIO

【キャスト】
花葉雛菊:貫井柚佳/姫鷹さくら:青山吉能/葉桜瑠璃:上坂すみれ/葉桜あやめ:馬場蘭子/祝月撫子:澤田姫/阿左美竜胆:八代拓/寒椿狼星:坂田将吾/寒月凍蝶:日野聡

【コメント】
これまた注目ポイントの多い作品だ。まず原作は暁佳奈の小説『春夏秋冬代行者』。説明するまでもないだろうが,暁の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は京都アニメーション制作によってTVアニメ化され(2018年),大きな話題となった。制作は『進撃の巨人』(2013年)『王様ランキング』(2021年)『SPY×FAMILY』(2022年)などのWIT STUDIO。京都アニメーションとの手つきの違いを比較するのも面白いかもしれない。そして最大の注目は,『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』(2024年)の山本健が監督を務める点だ。PVからも美麗な作画と芝居が確認できる。先述の『上伊那ぼたん』と並び,来期の“作画アニメ”候補となりそうだ。

 

⑥『ドロヘドロ Season 2』


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『ドロヘドロ』公式X 

【スタッフ】
原作:林田球/監督:林祐一郎/シリーズ構成:瀬古浩司/キャラクターデザイン:岸友洋/世界観設計:木村真二/美術監督:杉浦美穂/色彩設計:大西慈/3DCGディレクター:野本郁紀/撮影監督:朴孝圭/編集:吉武将人/クリエイティブプロデューサー:淡輪雄介/音響監督:藤田亜紀子/音楽プロデュース:(K)NoW_NAME/制作:MAPPA

【キャスト】
カイマン:高木渉/ニカイドウ:近藤玲奈/煙:堀内賢雄/心:細谷佳正/能井:小林ゆう/藤田:高梨謙吾/恵比寿:富田美憂/バウクス:江川央生/カスカベ:市来光弘/キクラゲ:鵜殿麻由/栗鼠:ソンド/丹波:稲田徹/ターキー:三木眞一郎/アス:郷田ほづみ/鳥太:勝杏里/ジョンソン:木村良平/13:梶裕貴/チダルマ:千葉繁/会川:木村昴/毒蛾:内山昂輝/鉄条:濱野大輝/佐治:越村友一/豚:野村勝人/牛島田:伊丸岡篤/夏木:松本沙羅

【コメント】
2020年に放送されたTVシリーズの続編。6年ぶりの再開したということになる。個人的にこの作品はMAPPA制作アニメの最高傑作(少なくともその1つ)だと思っている。いわゆる“萌え要素”も瑞々しい恋愛要素もないが,林田球のアクの強いキャラと世界観を実にうまくアニメーションに落とし込んでいる。新たに美術監督として杉浦美穂が加わり,色彩設計が鷲田知子から大西慈に交代するなど,スタッフィングに若干の異同があるが,監督:林祐一郎,シリーズ構成:瀬古浩司,キャラクターデザイン:岸友洋は前作から続投する。座組みにも懸念はない。

 

⑦『とんがり帽子のアトリエ』


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『とんがり帽子のアトリエ』公式X

【スタッフ】
原作:白浜鴎/監督:渡辺歩/副監督:篠原准/シリーズ構成・脚本:瀬古浩司/キャラクターデザイン・総作画監督:うなばら海里/チーフアニメーター:中野悟史/服飾デザイン:小川茜/小物設定:鈴木典孝岩畑剛一/美術監督:後藤亮太/美術設定:多田周平中島美佳/色彩設計:中野尚美/撮影監督:北岡正/編集:本田優規/音響監督:小泉紀介/音楽:北村友香/音響制作:dugout/音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ/アニメーション制作:BUG FILMS

【キャスト】
ココ:本村玲奈/キーフリー:花江夏樹/アガット:山村響/テティア:陽木くるみ/リチェ:月城日花/オルーギオ:中村悠一/アライラ:三石琴乃/フデムシ:久野美咲/イグイーン:斎賀みつき

【コメント】
原作は白浜鴎による同名マンガ。魔法使いに憧れる少女・ココがある事件をきっかけに魔法使い・キーフリーの弟子になり,魔法の世界の秘密を知っていく,というファンタジー作品である。座組に関しては,上述したように,渡辺歩が監督を務める点が最大のポイントだろう。またチーフアニメーターとして,本作の制作会社BUG FILMSの取締役・中野悟史が就任する。『犬王』(2022年)『サマータイムレンダ』(2022年)などで活躍した(『サマータイムレンダ』は渡辺歩監督)中野の参加は心強い。PVをご覧になればわかるように,超美麗な作画・芝居が期待できそうだ。

 

⑧『日本三國』


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『日本三國』公式X

【スタッフ】
原作:松木いっか/監督:寺澤和晃/シリーズ構成:内海照子/キャラクターデザイン・総作画監督:阿比留隆彦/美術監督:田村せいき/色彩設計:小針裕子/撮影監督:木舩颯人/2D・特効:加藤楓菜/筆文字:桐山琴羽/編集:今井大介(JAY FILM)/3D監督:小川耕平/音響監督:はたしょう二/音響効果:出雲範子/音響制作:サウンドチーム・ドンファン/音楽:Kevin Penkin/制作:スタジオカフカ/製作:日本三國製作委員会Co-produced with Amazon MGM Studios

【キャスト】
三角青輝:小野賢章/阿佐馬芳経:福山潤/東町小紀:瀬戸麻沙美/龍門光英:山路和弘/賀来泰明:中村悠一/平殿器:長嶝高士/藤3世:木村太飛/輪島桜虎:津田美波/ナレーション:潘めぐみ

【コメント】
原作は松木いっかの同名マンガ。核戦争,天災,悪政によって革命が勃発,三国に分裂した日本を舞台に,主人公・三角青輝が日本再統一を目指すべく活躍するという物語。すでにPVからは,原作マンガの風合いを活かした面白い作画が垣間見える。監督は『魔法使いの嫁 SEASON 2』(2023年)『藤本タツキ 17-26「目が覚めたら女の子になっていた病」』(2025年)の寺澤和晃。『目が覚めたら…』ではたいへん面白いアニオリ演出を披露していただけに,本作でもそのユニークネスが発揮されることを期待したい。シリーズ構成はラパントラック共同代表の内海照子,キャラクターデザイン・総作画監督は『TRIGUN STAMPEDE』(2023年)などの阿比留隆彦,制作は『目が覚めたら…』のスタジオカフカである。座組みに懸念はない。

 

⑨『ニワトリ・ファイター』


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『ニワトリ・ファイター』公式X

【スタッフ】
原作:桜谷シュウ/監督:鈴木大介/脚本:瀬古浩司/キャラクターデザイン:茶之原拓也Shin Joseph/美術監督:野山裕司/色彩設計:松下由佳/撮影監督:渡辺啓介林翔子/編集:日髙初美/音楽:高橋哲也(テラムジカ)/音響監督:長崎行男/音響効果:川田清貴/音響制作:ブシロードムーブ/アニメーションプロデューサー:保住昇汰/アニメーション制作:サンジゲン/企画プロデュース:SOLA ENTERTAINMENT

【キャスト】
ケイジ:三宅健太/ピヨ子:井澤詩織/エリザベス:本多真梨子

【コメント】
原作は桜谷シュウによる同名マンガ。人類を脅かす「鬼獣」という謎の怪物に,1羽の鶏が立ち向かう,というバトルアクションもの。原作マンガは,北米を中心にグローバルな人気を博している。監督は鈴木大介,キャラクターデザインは茶之原拓也Shin Joseph,制作はサンジゲンである。お気づきかもしれないが,完全に『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』(2023年)『BanG Dream! Ave Mujica』(2025年)の座組みである。美少女ガールズバンドから人外バトルアクションへ。物語そのものの面白さに加え,サンジゲンのフットワークの軽さ,芸の幅広さを実感できる作品になりそうだ。

 

⑩『魔法の姉妹ルルットリリィ』(オリジナル)


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『魔法の姉妹ルルットリリィ』公式X

【スタッフ】
原作:スタジオぴえろバンダイナムコフィルムワークス/監督・キャラクター原案:道解慎太郎/副監督:増原光幸/シリーズ構成・脚本:柿原優子/キャラクターデザイン:鳥井なみこ錦寛乃袖山麻美/魔法キャラクターデザイン:山田起生/プロップデザイン:富田美文/アートディレクション:越阪部ワタル/メインアニメーター:福地和浩/美術監督:前田有紀/美術設定:伊藤瞳/色彩設計:合田沙織/CGディレクター:神谷貴浩/撮影監督:今泉秀樹/編集:重村建吾/音響監督:大寺文彦/音響効果:古谷友二/音響制作:神南スタジオ/音楽:ha-j/音楽制作:バンダイナムコミュージックライブ/アニメーション制作:スタジオぴえろ/製作:ルルットリリィ製作委員会

【キャスト】
野々山風&こんぺとリリィ:橘めい/野々山流&ましゅールル:小鹿なお/うぐいす:七海ひろき/あずき:茅野愛衣/神立塔子:和泉風花/青園せな:廣原ふう/ミーター:八乙女光/瀬尾翔太:天﨑滉平/角谷久士:橘龍丸/神立矢須王:杉田智和/野々山桂一:笠間淳/野々山汐:大原めぐみ/日の浦茉莉:遠藤綾

【コメント】
『魔法の天使クリィミーマミ』(1983-1984年)に始まる「ぴえろ魔法少女シリーズ」の最新作。とは言え,前回第5作目の『魔法のステージファンシーララ』が1998年の放送であるから,四半世紀以上のブランクを経てのシリーズ再開ということになる。2人の姉妹が互いに秘密で魔法の力を手に入れ,アイドルとして活躍していくという物語だ。女児向けアニメという体裁ではあるが,キャラクターデザインや芝居などはしっかり作り込まれている印象だ。大人のアニメファンも楽しめるのではないだろうか。監督は『スペース☆ダンディ』(2014年)などに参加経歴のある道解慎太郎。今期のオリジナル枠として期待しよう。

 

⑪『マリッジトキシン


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『マリッジトキシン』公式X

【スタッフ】
原作:静脈/漫画:依田瑞稀/監督:堀元宣/シリーズ構成・脚本:うえのきみこ/キャラクターデザイン・総作画監督:徳岡紘平/サブキャラクターデザイン:迫由里香/衣装デザイン:琴乃/プロップデザイン:永木歩実ヒラタリョウ/美術デザイン:天田俊貴/美術:美峰/色彩設計:梅崎ひろこ/撮影監督:神林剛/3DCG:サンジゲン/CGディレクター:永嶋大輝/編集:坂本久美子/音響監督:山田陽/音響効果:三井友和/音楽:岩崎太整yuma yamaguchi/プロダクション・スーパーバイズ:ボンズ/アニメーション制作:ボンズフィルム/製作:マリッジトキシン製作委員会

【キャスト】
下呂ヒカル:石谷春貴/城崎メイ:若山詩音/姫川杏子:永瀬アンナ/潮雫:伊瀬茉莉也/嬉野シオリ:結川あさき/鳴子弦弥:斉藤壮馬/嵐山キミ恵:白浜灯奈乃/中川桃壱:土屋神葉/下呂アカリ:白石晴香/花巻トシキ:祐仙勇

【コメント】
原作は静脈(原作)と依田瑞稀(漫画)による同名マンガ。「毒使い」として暗躍する下呂ヒカルが,結婚詐欺師・城崎メイの助力を得て“婚活”をするという物語。ヒロイン(?)城崎メイを第20回(2025年度)声優アワードで「主演声優賞」を受賞した若山詩音が演じる。本作は原作の美麗な作画が特徴の1つだが,PVを観るに,かなりうまくアニメーションに落とし込んでいるようである。監督は『キャロル&チューズデイ』(2019年)の堀元宣,シリーズ構成は映画版『クレヨンしんちゃん』『全修。』(2025年)『New PANTY & STOCKING with GARTERBELT』(2025年)など数々の作品を手がけるうえのきみこ,キャラクターデザイン・総作画監督は『LAZARUS ラザロ』(2025年)『薫る花は凛と咲く』(2025年)『藤本タツキ 17-26 目が覚めたら女の子になっていた病』(2025年)などの徳岡紘平。特に徳岡の仕事には期待したい。

 

⑫『黄泉のツガイ


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『黄泉のツガイ』公式X

【スタッフ】
原作:荒川弘/監督:安藤真裕/シリーズ構成:高木登/キャラクターデザイン・総作画監督:新井伸浩/ツガイデザイン:杉浦幸次伊藤嘉之/美術監督:大西達朗/美術設定:多田周平小木斉之/色彩設計:後藤ゆかり/撮影監督:張盈穎/3D監督:佐々木瑞生/編集:髙橋歩/音楽:末廣健一郎/音響監督:若林和弘/音響効果:緒方康恭/プロダクション・スーパーバイズ:ボンズ/アニメーション制作:ボンズフィルム

【キャスト】
ユル:小野賢章/アサ:宮本侑芽/デラ:中村悠一/ガブちゃん:久野美咲/右:小山力也/左:本田貴子/ハナ:島袋美由利/ジン:諏訪部順一

【コメント】
原作は荒川弘の同名マンガ。言わずと知れた,『鋼の錬金術師』の作者の最新作である。「夜を昼を別つ双子」として生まれたユルアサの兄妹。ある日,2人の住む村の結界が破られ,謎の武装集団が村を襲ったことから物語が始まる。PVを観ると,走行や弓を射る所作などの作画がとてつもなくうまい。さすがのボンズフィルムである。監督は『ストレンヂア 無皇刃譚』(2007年)『花咲くいろは』(2011年)『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(2019年)などの安藤真裕,シリーズ構成は『ゴールデンカムイ』(2018年)などの高木登,キャラクターデザイン・総作画監督は『文豪ストレイドッグス』(2016年)などの新井伸浩。頼もしい布陣だ。

 

⑬『Re:ゼロから始める異世界生活 4th season』


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『Re:ゼロから始める異世界生活』公式X

【スタッフ】
原作:長月達平/キャラクター原案:大塚真一郎/監督:篠原正寛/シナリオ監修:長月達平/シリーズ構成:横谷昌宏/キャラクターデザイン・総作画監督:佐川遥/モンスターデザイン:千葉啓太郎/プロップデザイン:岩畑剛一鈴木典孝/美術設定:青木薫(美峰)/美術監督:木下了香(美峰)/色彩設計:坂本いづみ/撮影監督:宮城己織(T2studio)/3Dディレクター:居嶋健太郎(FelixFilm)/編集:須藤瞳(REAL-T)/音楽:末廣健一郎/音楽制作:KADOKAWA/音響監督:明田川仁/音響効果:古谷友二(スワラ・プロ)/音響制作:マジックカプセル/アニメーション制作:WHITE FOX/製作:Re:ゼロから始める異世界生活4製作委員会

【キャスト】
ナツキ・スバル:小林裕介/エミリア:高橋李依/ベアトリス:新井里美/ラム:村川梨衣/レム:水瀬いのり/ユリウス・ユークリウス:江口拓也/アナスタシア・ホーシン:植田佳奈/メィリィ・ポートルート:鈴木絵理/シャウラ:ファイルーズあい/レイド・アストレア:杉田智和/ライ・バテンカイトス,ロイ・アルファルド:河西健吾/ルイ・アルネブ:小原好美

【コメント】
多くを語る必要はないだろう。3rd seasonからスタッフの変更があり,新体制となったが,4th seasonからの変更はない。僕らの『リゼロ』アニメがますますパワーアップすることを願いつつ,4月からの放送を楽しみ待とう。

 

2026年 春アニメのイチオシは…

2026年 春アニメの注目の期待作として,今回は13作品をピックアップした。

この中でも特にイチオシとして,佐久間貴史『上伊那ぼたん,酔へる姿は百合の花』を挙げよう。『ヤマノススメ』に劣らぬ“作画アニメ”になることを期待したい。

次点として,山本健『春夏秋冬代行者 春の舞』,渡辺歩監督『とんがり帽子のアトリエ』,林祐一郎監督『ドロヘドロ Season 2』,道解慎太郎監督『魔法の姉妹ルルットリリィ』,安藤真裕監督『黄泉のツガイ』を挙げる。どれもキャラクターデザインや作画などアニメーションの面で期待できる作品になりそうだ。

以上,2026年 春アニメ視聴の参考にして頂ければ幸いである。