アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2025年 冬アニメは何を観る?来期おすすめアニメの紹介 ~2024年 秋アニメを振返りながら~

『もめんたりー・リリィ』公式Xより引用 ©︎GoHands/松竹・もめんたりー・リリィ製作委員会

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2024年 秋アニメ振返り

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秋クールの作品で特に注目したいのは,『ダンダダン』『チ。地球の運動について』『ネガポジアングラー』『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season』の4作品だ。

山代風我監督『ダンダダン』は,「2024年 秋アニメは何を観る?」の記事でイチオシとしてピックアップした作品だ。ギャグを基調としながらも,シリアスな場面ではシリアスに徹する本作。アニメでは,そうした喜劇性と悲劇性をうまく作画に落とし込み,アニメ化による付加価値を確かに示している。また原作の風味を活かしつつも,的確なアニオリ演出でアニメーション作品としての完成度を高めている点も高評価に値する。アベル・ゴンゴラ(アニメーション)× Creepy Nuts(主題歌)のOPも話題性があってよい。

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清水健一監督『チ。-地球の運動について-』は,フィクショナルな“西洋”を舞台に,「知」と「地」と「血」をめぐる人々の戦いを描いた物語だ。仮構の世界の中に人の「知」のあり方の真実を浮かび上がらせるという本作のテーマを,堅実なアニメーションで過不足なく伝えている秀作だ。一方で,人工的な光量の少ない闇夜の場面と,美しく輝く満天の星とのコントラストを強く打ち出すなど,アニメならではの演出も目を引く。

上村奏監督『ネガポジアングラー』は,「釣り」をモチーフとしながらも,趣味系の作品に見られるような押し付けがましさはなく,釣り好きでなくとも自然と引き込まれる魅力を持った作品だ。派手さはないが,丁寧なアニメーションが作品の味わいを実直に伝えている。かと言って,実写ドラマで表現できるかというとさにあらず,アニメ作品ならではの映像表現が随所に散りばめられた見応えのある作品だ。今期のオリジナル作品の中でも一際クオリティが高い。

篠原正寛監督『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season』は,今更語るまでもないビッグタイトルの続編だが,監督やキャラクターデザイナーなど主要スタッフに異動があり,ルックに多少の変化が見られた作品だ。特に佐川遥の手がけるキャラクターデザインはこれまでのシリーズ以上に美麗で,表情作画など,毎話惚れ惚れとするほどの出来栄えである。独特の都市景観を再現した美術や,『リゼロ』らしい絶望と希望を描き出した脚本も素晴らしく,全体として極めてクオリティの高いシーズンに仕上がっていると言える。

 

この他,最終話に向けてますます先の読めない展開が続く『カミエラビ GOD.app シーズン2 完結編』,没落魔王とサイバーパンクをユニークな形で組み合わせた『魔王2099』,王国を舞台にチェンジリングとシンデレラ・ラブストーリーを魅力的な作画で描いた『星降る王国のニナ』など,要注目の作品がまだ数多くある。

2024年 秋アニメの最終的なランキングは,全作品の最終話放送終了後に掲載する予定である。

 

では今回も2025年 冬アニメのラインナップの中から,五十音順に注目作をピックアップしていこう。各作品タイトルの下に最新PVなどのリンクを貼ってあるので,ぜひご覧になりながら本記事をお読みいただきたい。なお,オリジナルアニメ(マンガ,ラノベ,ゲーム等の原作がない作品)のタイトルの末尾には「(オリジナル)」と付記してある。

 

①『天久鷹央の推理カルテ


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『天久鷹央の推理カルテ』公式X

【スタッフ】
原作:知念実希人/キャラクター原案:いとうのいぢ/監督:いわたかずや/シリーズ構成・脚本:杉澤悟/脚本:柿原優子/キャラクターデザイン:高品有桂/サブキャラクターデザイン:宮澤努ヒラタリョウみき尾/プロップデザイン :秋篠日和/美術設定:SAKO/美術監督:李書九/色彩設計:横井未加/CGラインディレクター:濱村敏郎(ワイヤード)/撮影監督:大出高士(project No.9)/編集:渡邉千波(グラフィニカ)/音楽:fox capture plan/音響監督:濱野高年/音響効果:和田俊也(スワラ・プロ)/音響制作:マジックカプセル/医療監修:原田知幸/アニメーション制作:project No.9

【キャスト】
天久鷹央:佐倉綾音/小鳥遊優:小野賢章/鴻ノ池舞:石見舞菜香/天久真鶴:水樹奈々/天久大鷲:立木文彦/成瀬隆哉:諏訪部順一/桜井公康:平田広明/墨田淳子:沢城みゆき

竹内良太櫻井孝宏富田美憂岩本蓮加(乃木坂46)大塚明夫石川由依戸谷菊之介若山詩音石田彰平野綾青木遥

【コメント】
“現役医師の作家”として注目される知念実希人の同名小説が原作。本作が知念の初アニメ化作品となる。医師の天久鷹央がその特異な能力によって難病や事件を解決していくという医療ミステリ。まさしく知念の十八番といった作品だ。第1話と第2話は知念による書き下ろし新作エピソードが披露されるため,原作勢も楽しめる導入となりそうだ。
監督は『幼女社長』(2021年)『恋は世界征服のあとで』(2022年)などのいわたかずや,制作は『先輩はおとこのこ』(2024年)などのproject No.9
 

②『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-


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『俺だけレベルアップな件』公式X

【スタッフ】
原作:DUBUChugongh-goon/監督:中重俊祐/シリーズ構成:木村暢/キャラクターデザイン:須藤智子/サブキャラクターデザイン:古住千秋/モンスターデザイン:徳田大貴/プロップデザイン:白石創太郎/アクションディレクター:菅野芳弘丸山大勝/キーアニメータ―:鳥居貴史中川肇橋元快斗米澤篤 美術監督:奥村泰浩/色彩設計:中野尚美/撮影監督:井関大智/CG監督:森岡俊宇/モーショングラフィックス:大城丈宗(Production I.G)/編集:近藤勇二/音響監督:田中亮/音楽:澤野弘之/アニメーション制作:A-1 Pictures

【キャスト】
水篠旬:坂泰斗/向坂雫:上田麗奈/最上真:平川大輔/白川大虎:東地宏樹/後藤清臣:銀河万丈/犬飼晃:古川慎/諸菱賢太:中村源太/水篠葵:三川華月

【コメント】
2024年冬に放送されていた作品の続編。第1期では,「レベルアップ」という特権的能力の設定とスタイリッシュなアクションによって,冒頭の惨たらしい顛末を帳消しにするような痛快なストーリーが展開されていたわけだが,主人公・水篠旬をめぐる不可解な運命についてはペンディングにされたままだった。続編では,その辺りの謎が謎が徐々に解明されていくことが期待される。座組は第1期からほぼ変更されていない。A-1 Picturesの制作力に期待しよう。

 

③『薬屋のひとりごと 第2期』


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『薬屋のひとりごと』公式X

【スタッフ】
原作:日向夏/キャラクター原案:しのとうこ/総監督・シリーズ構成:長沼範裕/監督:筆坂明規/副監督:中川航/脚本:柿原優子千葉美鈴小川ひとみ/キャラクターデザイン:中谷友紀子/美術監督:髙尾克己/色彩設計:相田美里CGIディレクター:永井有/撮影監督:鈴木麻予/編集:今井大介/音響監督:はたしょう二/音楽:神前暁Kevin Penkin桶狭間ありさ/アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM

【キャスト】
猫猫:悠木碧/壬氏:大塚剛央/高順:小西克幸/玉葉妃:種﨑敦美/梨花妃:石川由依/里樹妃:木野日菜/小蘭:久野美咲/ナレーション:島本須美

【コメント】
2023年秋から2024年冬にかけて放送された作品の続編。すでに第1期において高い評価を得た作品であるだけに,第2期への期待も自ずと高まる。
座組の変更はほとんどないが,長沼範裕が監督から総監督に,筆坂明規が副監督から監督へと昇格,第1期の一部の話数で絵コンテ・演出を手がけていた中川航副監督として参加,さらに柿原優子千葉美鈴小川ひとみが脚本として参加するなど,多少の異動が見られる。

 

④『SAKAMOTO DAYS』


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『SAKAMOTO DAYS』公式X

【スタッフ】
原作:鈴木祐斗/監督:渡辺正樹/シリーズ構成:岸本卓/キャラクターデザイン:森山洋/美術監督:丸山由紀子/色彩設計:笹愛美/撮影監督:蔡伯崙/編集:肥田文/音響監督:明田川仁/音楽:林ゆうき/オープニング・テーマ:Vaundy「走れSAKAMOTO」/制作:トムス・エンタテインメント

【キャスト】
坂本太郎:杉田智和/朝倉シン:島﨑信長/陸少糖:佐倉綾音/坂本葵:東山奈央/坂本花:木野日菜/眞霜平助:鈴木崚汰/南雲:花江夏樹/神々廻:八代拓/大佛:早見沙織

【コメント】
原作は鈴木祐斗の同名マンガ。主人公・坂本の文字通りの“メタモルフォーゼ”がどうアニメイトされるかが見どころだ。PVを見るに,安定したクオリティの作画が期待できそうだ。また,Vaundyの主題歌ーその名も「走れSAKAMOTO」ーも注目ポイントと言える。
監督は『バトルスピリッツ覇王』(2011-2012年)などの渡辺正樹,制作は『彼女,お借りします』(2020年)などの老舗・トムス・エンタテインメント
余談だが,表面的な類似点を論って何でもかんでも“パクリ”認定するのは,想像力を窒息させかねない軽挙だ。作品を最後まで鑑賞しよう。まずはそこからだ。

 

⑤『全修。』(オリジナル)


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 『全修。』公式X

【スタッフ】
原作:山﨑みつえうえのきみこMAPPA/監督:山﨑みつえ/脚本:うえのきみこ/キャラクター原案・世界観設定:辻野芳輝/キャラクターデザイン・総作画監督:石川佳代子/総作画監督:高原修司/早川加寿子:住本悦子/副監督:野呂純恵/美術監督:嶋田昭夫/色彩設計:末永絢子/撮影監督:藤田健太/編集:武宮むつみ/音楽:橋本由香利/音響制作:dugout/キャスティングマネージャー:谷村誠(サウンド・ウィング)

【キャスト】
広瀬ナツ子:永瀬アンナ/ルーク・ブレイブハート:浦和希/ユニオ:釘宮理恵/メメルン:鈴木みのり/QJ:陶山章央

【コメント】
新進気鋭の天才アニメ監督・広瀬ナツ子が新作のラブコメ制作に挑むも,絵コンテ作業中に意識を失い,目が覚めると子どもの頃に夢中になったアニメの世界に転生していた,という物語。オリジナルということもあって情報が少なく,今のところお仕事アニメなのか転生アニメなのか判断しかねるが,何と言っても『輪るピングドラム』助監督の山﨑みつえ監督,ギャグアニメのプロフェッショナルうえのきみこ脚本,今をときめくMAPPA制作である。期待するなという方が無理というものだろう。今期のオリジナル作品の中でもかなりの期待株となりそうだ。

 

⑥『想星のアクエリオン Myth of Emotions』(オリジナル)


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『想星のアクエリオン Myth of Emotions』公式X

【スタッフ】
原作:河森正治サテライト/監督:糸曽賢志/シリーズ構成:村井さだゆき/スーパーバイザー・アクエリオンデザイン:河森正治/キャラクターデザイン:工藤昌史/美術監督:根本勇気/色彩設計:鈴木依里/3DCGディレクター:後藤浩幸/撮影監督:山根裕二郎/音楽:大間々昂兼松衆/音楽制作:フライングドッグ/音響監督:阿部信行/音響制作:ダックスプロダクション/アニメーション制作:サテライト/製作:Project AQUARION MOE

【キャスト】
オオトリ サッコ:花守ゆみり/アマハ モモヒメ:和氣あず未/ツキシロ リミヤ:小市眞琴/ハタノ トシ:豊崎愛生/イチキ サヨ:小原好美/イチキ ハナ:???/サン:七海ひろき/宗方響子:安野希世乃/猿田一彦:湧津ユウミ

【コメント】
『アクエリオン』TVシリーズ第4期目となる本作。「合体」というモチーフはそのままだが,決定的に異なるのはキャラクターデザインだ。これまでのシリーズとはまるで趣を異にしたキッズアニメのような頭身。これまでの世界観を崩しかねない,ややリスキーな選択に思えなくもないが,果たしてこれが功を奏するか。
監督は映画監督で大阪成蹊大学芸術学部長・教授の糸曽賢志,シリーズ構成は『シドニアの騎士』(2014年)などの村井さだゆき,キャラクターデザインは『BLEACH』(2004年)などの工藤昌史がそれぞれ務める。

 

⑦『花は咲く,修羅の如く


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『花は咲く,修羅の如く』公式X

【スタッフ】
原作:武田綾乃むっしゅ/監督:宇和野歩/シリーズ構成:筆安一幸/キャラクターデザイン:相音光/総作画監督:相音光嶋田聡史/美術監督:山口忍白井加奈子/色彩設計:中野尚美/プロップデザイン:反田誠二/撮影監督:棚田耕平/編集:齋藤朱里/音響監督:濱野高年/音楽:横山克/アニメーション制作:スタジオバインド

【キャスト】
春山花奈:藤寺美徳/薄頼瑞希:島袋美由利/夏江杏:和泉風花/冬賀萩大:千葉翔也/秋山松雪:山下誠一郎/整井良子:安野希世乃/箱山瀬太郎:坂泰斗/吉祥寺博美:遊佐浩二/西園寺修羅:日笠陽子

【コメント】
原作は武田綾乃原作・むっしゅ作画の同名マンガ。最大の見どころは,やはり『響け!ユーフォニアム』シリーズの武田綾乃原作という点だろう。朗読×放送部をモチーフとした武田十八番の青春群像劇が,京都アニメーションとは異なる制作体制においてどう輝くか。大いに期待したいところだ。
監督は『お兄ちゃんはおしまい』(2023年)『無職転生Ⅱ 〜異世界行ったら本気だす〜』(2023年,2024年)などで絵コンテ・演出担当経歴のある宇和野歩。制作は同じく『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』(2021年)『お兄ちゃんはおしまい』などのスタジオバインドである。スタジオバインドは元々『無職転生』のアニメ化企画を発端として設立された会社だが,すでに『お兄ちゃんはおしまい』によってその多彩な制作技術が披露されている。原作付きアニメとして最有望株と言えるだろう。

 

⑧『ハニーレモンソーダ』


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『ハニーレモンソーダ』公式X

【スタッフ】
原作:村田真優/監督:錦織博/シリーズ構成:和場明子/キャラクターデザイン:田中愛美/3DCGディレクター:春日俊介/美術監督:板谷諒子/色彩設計:岩本彩加/撮影監督:八木祐理奈/編集:西山茂/音響監督:大寺文彦/音楽:小瀬村晶/アニメーション制作:J.C.STAFF/企画プロデュース:UNLIMITED PRODUCE by TMS

【キャスト】
石森羽花:市ノ瀬加那/三浦界:矢野奨吾/菅野芹奈:高橋李依/遠藤あゆみ:根本京里/高嶺友哉:土岐隼一/瀬戸悟:八代拓

【コメント】
原作は村田真優の同名マンガ。「りぼん」掲載の純・少女マンガ系統の作品だ。余談だが,この作品の放送枠である「+Ultra」は当初“海外向け枠”として立ち上げられ,同じフジ系列の「ノイタミナ」が“国内向け枠”として位置付けられたはずだが,最近はその棲み分けがなくなりつつあるように思える。『ハニーレモンソーダ』も,どちらかと言えばドメスティックな内容の作品だろう。近年の日本産アニメの世界的人気からして,“ドメスティック/グローバル”という対立ではなく,“ドメスティック=グローバル”という認識に改めるべき時なのかもしれない。

監督は『少女革命ウテナ』(1997年)第5話「光さす庭・フィナーレ」の演出を担当し,幾原邦彦監督から高く評価された錦織博。制作は同じく『少女革命ウテナ』のJ.C.STAFFである。

 

⑨『BEASTARS FINAL SEASON』


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『BEASTARS FINAL SEASON』公式X

【スタッフ】
原作:板垣巴留/監督:松見真一/脚本:樋口七海/制作:オレンジ

【キャスト】
レゴシ:小林親弘/ハル:千本木彩花/ルイ:小野友樹/ゴーシャ:千葉繁/ヤフヤ:三木眞一郎/メロン:沖野晃司/サグワン:玄田哲章/セブン:折笠富美子/レアノ:桑島法子/トキ:皆口裕子/デシコ:関智一/コルヌ:中尾隆聖/スナガ:室元気/アズキ:青木瑠璃子/ホルガー:杉田智和

【コメント】
板垣巴留×オレンジの傑作アニメがいよいよ完結する。第1期と第2期は「+Ultra」枠でTV放送されたが,「FINAL SEASON」はNetflixのみの独占配信となる。この放送形式は国内での(主にSNSによる)リアルタイムの話題性低下が懸念されるが,作品そのものの価値に影響するわけではない。“異種族共存”はユートピア(どこにもない世界)か,それとも現実か。板垣が動物キャラたちに託したこの類稀なる物語を最後まで見届けよう。

 

⑩『メダリスト』


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『メダリスト』公式X

【スタッフ】
原作:つるまいかだ/監督:⼭本靖貴/シリーズ構成・脚本:花⽥⼗輝/キャラクターデザイン:⻲⼭千夏/総作画監督:亀山千夏伊藤陽祐/フィギュアスケート振付:鈴木明子/フィギュアスケート監督・3DCGディレクター:こうじ/3DCGビジュアルディレクター:戸田貴之/3DCGアニメーションスーパーバイザー:堀正太郎/3DCGプロデューサー:飯島哲/色彩設計:山上愛子/美術監督:中尾陽子/美術設定:比留間崇小野寺里恵/撮影監督:米屋真一/編集:長坂智樹/音楽:林ゆうき/音響監督:今泉雄一/音響効果:小山健二/アニメーションプロデューサー:神戸幸輝/アニメーション制作:ENGI

【キャスト】
結束いのり:春瀬なつみ/明浦路司:大塚剛央/狼嵜光:市ノ瀬加那/夜鷹純:内田雄馬/鴗鳥理凰:小市眞琴/三家田涼佳:木野日菜/那智鞠緒:戸田めぐみ/大和絵馬:小岩井ことり/蛇崩遊大:三宅貴大

【コメント】
原作はつるまいかだの同名マンガ。フィギュアスケート選手を目指す少女と,そのコーチを受け持つことになる元スケーターとの物語。PVからは極めて魅力的なキャラクターデザインとハイクオリティの作画がうかがえる。特にスケートパートは3DCGの併用と見られるが,2Dパートとのすり合わせがとても自然でまったく違和感がない。作画的にも見どころの多い作品となりそうだ。
監督は『阿波連さんははかれない』(2022年)総監督などの⼭本靖貴,制作は『宇崎ちゃんは遊びたい!』(2020年)などのENGI。『響け!ユーフォニアム』(2015年)シリーズなどの花田十輝による脚本も注目ポイントだ。また,元フィギュアスケーターの鈴木明子がフィギュアスケート振付を務めるなど,見どころの多い作品となりそうだ。

 

⑪『もめんたりー・リリィ』(オリジナル)


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【スタッフ】
原案:GoHands/原作:GoHands×松竹/総監督・キャラクターデザイン:鈴木信吾/コンセプトデザイナー:岸田隆宏/監督:工藤進横峯克昌/脚本:八薙玉造/メカデザイン:大久保宏/総作画監督:谷圭司古田誠/メインアニメーター:内田孝行大久保宏/音響制作:グロービジョン/音響監督:中島えんじ村松久進/音楽制作:FABTONE/音楽:Ryosuke Kojima/音楽プロデューサー:寿福知之/アニメーション制作:GoHands/製作:もめんたりー・リリィ製作委員会

【キャスト】
河津ゆり:阿部菜摘子/高台寺えりか:桜木つぐみ/薄墨ひなげし:若山詩音/霞れんげ:村上まなつ/吉野さざんか:久野美咲/咲耶あやめ:島袋美由利

【コメント】
近年,GoHandsほど独自カラーを強烈に打ち出す制作会社はない。ユニークなキャラクターデザイン,色彩設計,髪の描写などによって,世界観,いや空間そのものが“GoHandsオリジナル”とでも言うべきものに仕上がる。そしてそのユニークネスが最も発揮されるのは,やはり本作のようなオリジナルアニメだろう。現時点で判明しているのは“少女たちの日常×アクション”という要素だけだが,GoHandsの唯一無二の制作力に期待したい。

監督は『ハンドシェイカー』(2017年)『W'z《ウィズ》』(2019年)などで監督やキャラクターデザイナーを務めた鈴木信吾。『地球少女アルジュナ』(2001年)『魔法少女まどか⭐︎マギカ』(2011年)など,多くの作品でキャラクターデザイナーを務めた岸田隆宏が「コンセプトデザイナー」として参加するのも注目ポイントだ。なお,岸田はこれまでも『K』(2012年)や『ハンドシェイカー』などのGoHands作品で「プロップデザイン」として参加している。

 

⑫『わたしの幸せな結婚 第二期』


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『わたしの幸せな結婚』公式X

【スタッフ】
原作:顎木あくみ/原作イラスト:月岡月穂/監督:久保田雄大小島正幸/シリーズ構成:佐藤亜美/脚本:佐藤亜美羽柴実里石井風花豊田百香/キャラクターデザイン:安田祥子/サブキャラクターデザイン:伊藤晋之/プロップ設定:ヒラタリョウみき尾高倉武史/美術設定:菱沼由典曽野由大/色彩設計:岡松杏奈/美術監督:片野坂恵美(インスパイア―ド)/美術監督:増山修(インスパイア―ド)/撮影監督:江間常高(T2スタジオ)/3DCG監督:越田祐史(スタジオポメロ)/着物デザイン:HALKA/2Dアーティスト:hydekick/編集:黒澤雅之/PV制作:餅米おもち/音楽:Evan Call/音楽プロデューサー・ディレクター:池田貴博/音楽制作:ミラクル・バス/音楽制作協力:キネマシトラスKADOKAWA/音響監督:小泉紀介/音響制作:グロービジョン/脚本開発協力:森本浩二/アニメーション制作:キネマシトラス/製作:「わたしの幸せな結婚」製作委員会

【キャスト】
斎森美世:上田麗奈/久堂清霞:石川界人/薄刃新:木村良平/五道佳斗:下野紘/久堂正清:置鮎龍太郎/久堂芙由:井上喜久子/陣之内薫子:戸松遥/堯人:石田彰/甘水直:内田夕夜

【コメント】
2023年夏に放送された作品の続編。美しい作画と演出で高い評価を得た作品であるだけに,続編への期待も高まる。今期から久保田雄大に加え,『メイドインアビス』(2017年)で知られる小島正幸が監督として参加する。小島はこれまでの実績に加え,第1期でもいくつかの話数(5,7,13話)で絵コンテや演出を手がけているため,この連名は心強い。第1期に引き続き,大いに期待したいところだ。

 

2025年冬アニメのイチオシは…

2025年冬アニメの期待作として,今回は12作品をピックアップした。

今回のイチオシ作品として,Gohands制作・鈴木信吾監督『もめんたりー・リリィ』を挙げよう。オリジナル作品ということで,前情報もなくすべてが不透明な作品だが,今回はGoHandsのユニークな制作力に賭けたいと思う。

次点として,渡辺正樹監督『SAMAMOTO DAYS』山﨑みつえ監督『全修。』宇和野歩監督『花は咲く,修羅の如く』⼭本靖貴監督『メダリスト』にも注目したい。特に『全修。』には日本のオリジナルアニメの底力を,『メダリスト』には高レベルの作画・演出力を期待したいところだ。

 

以上,2025年冬アニメ視聴の参考にして頂ければ幸いである。