アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2024年 冬アニメ 中間評価[おすすめアニメ]

*この記事にネタバレはありませんが,各作品の現時点までの話数の内容に言及しています。未見の作品を先入観のない状態で鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

 

ついこの間,年が明けたばかりだと思っていたのだが,気づけば2月も終わろうとしている。2024年冬アニメもほとんどの作品がクール半ばまでの放送を終えた。ここで当ブログ独自の観点から注目の作品を振り返っておこう。これまで通り五十音順に(ランキングではないことに注意)注目作品をいくつか取り上げる。

なお「2024年 冬アニメは何を観る?」の記事でピックアップした作品は,タイトルをにしてある(2クール連続放送の作品に関しては,前クールの「何を観る?」でピックアップしたものは水色にしてある)。

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1. 『アンデッドアンラック』

undead-unluck.net

【コメント】
この世界の成り立ちの“解答編”となった「#18 Cry For The Moon」以降,物語は俄かに加速し,面白さがいや増している。そして前クールから続いて,スタイリッシュな画作りと小気味の良い演出が光る。本作はアニメ化されることによって,「アクション」という枠に収まらないユニークな“剰余価値”を得ていると言ってよいだろう。前クールと同じく,紺野大樹が手がけたEDアニメーションも注目に値する。

 

2. 『薬屋のひとりごと』

kusuriyanohitorigoto.jp

【コメント】
主人公・猫猫のキャラが前クール以上に魅力的に描かれている。基本は“地味でマイペースな秀才”だが,時にコケティッシュな美少女ぶり,時に壬氏をもたじろがせるほどの凄みを見せる。この多面的な猫猫のキャラを,繊細なアニメーション悠木碧の演技華美な色彩などで表現したことが,本作のアニメ化における最大の評価ポイントと言えるだろう。物語はキーパーソン・羅漢の登場と「#19 偶然か必然か」における衝撃的な展開を迎え,新たな様相を呈している。

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3. 『葬送のフリーレン』

frieren-anime.jp

【コメント】
ファンタジー世界を仮構しながらも,「がらくた」「くだらない」「実在」という〈日常的リアリズム〉をライトモチーフにした本作。撮影監督・伏原あかねによって「薄化粧」に施された撮影処理は,この〈日常的リアリズム〉を確かなビジュアルとして成り立たせている。“引き算”も“計算”のつ1つであるということを改めて実感させられる。また,前クールからすべての話数で作画・色彩・芝居などのクオリティが維持されており,それだけでも十分評価に値する作品と言える。

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4. 『ダンジョン飯』

delicious-in-dungeon.com

【コメント】
「2024年 冬アニメは何を観る?」の記事でイチオシとして挙げた作品。原作の持ち味をキープしつつ,随所で“TRIGGERらしさ”を出すという,多くのアニメファンの期待に応えた秀作だ。第3話「動く鎧」のようにTRIGGERの持ち味を全面に押し出した話数から,第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」のようにキャラの魅力をしっかりと伝えた話数など,演出の手数が多いのも見どころだ。原作ファンからコアなアニメファンまで幅広く楽しめる作品に仕上がっている。

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5.『姫様“拷問”の時間です』

himesama-goumon.com

【コメント】
「何を観る?」では挙げなかったが,「EPISODE #01」がとてもよかったため視聴開始。“ゆるい(というよりむしろ“優しい”)拷問の日々”という敢えてのマンネリと,姫様vs魔王軍という対立構図を用いながら誰一人“悪者”がいないという優しい世界観が面白い。アニメーションとしても見どころが多い。金森陽子監督のディレクションによって原作よりも柔らかい印象に仕上がっていると感じられるが,この点も原作の持ち味を活かす結果になっている。

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6. 『ぶっちぎり?!』(オリジナル)

bucchigiri.jp

【コメント】
今期のオリジナルアニメの期待株。一切隙のない美麗なキャラ作画,細密な美術,ヴィヴィッドな色彩といったビジュアル面での作り込みに加え,ヤンキーもの×「千夜一夜」のモチーフという取り合わせが面白い。前作『SK∞』(2021年)と並んで,内海紘子監督の独創性が発揮された快作だ。内海の個性が見えてきたところで,幾原邦彦監督などと同様,彼女には今後も質の高いオリジナル・アニメを作り続けてもらいたいと思う。

 

7. 『僕の心のヤバイやつ』

bokuyaba-anime.com

【コメント】
ラブコメ設定をベースに中学生の心の機微を巧みに描いた秀作。特に牛尾憲輔の劇伴きつめに効かせた撮影処理と色彩設計堀江瞬と羊宮妃那の演技によって,市川と山田の心理を極めて解像度の高い描写で描き出すことに成功している。また,荒木哲郎の手がけた第2クールOPアニメーションのクオリティも高く,本作の世界観に大きく貢献している。『からかい上手の高木さん』(2018年-)などと並び,“中学生ラブコメ”の代表作となるポテンシャルを秘める。

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以上,「アニ録ブログ」が注目する2024年冬アニメ7作品を挙げた。

『アンデッドアンラック』『薬屋のひとりごと』『葬送のフリーレン』『僕の心のヤバイやつ』といった続きもののクオリティが目だったクールだが,そんな中『ぶっちぎり?!』のようなオリジナルアニメが健闘しているのが注目に値する。クール後半の話数にも期待したい。

最終的なランキング記事は,全作品の放映終了後に掲載する予定である。