アニ録ブログ

あるオタクの思考と嗜好をキロクしたブログ。アニメとマンガを中心としたカルチャー雑記。

2023年 春アニメランキング[おすすめアニメ]

*この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。

2023年春アニメもすべての作品が放送を終え,すでに夏アニメの放送が始まっている。今回の記事では,恒例通り2023年春アニメの中から,特にレベルの高かった10作品をランキング形式で振り返ってみたい(今回は「中間評価」の記事では挙げなかった作品がランクインしている)。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。

www.otalog.jp

www.otalog.jp

 

10位:『カワイスギクライシス』

kawaisugi.com

【コメント】
ゆるいキャラクター,ゆるいストーリー,ゆるい作画。しかしこのゆるさがクセになる。“緻密に描き込む”ばかりがアニメではない。キャラと世界観を大事に描けば,魅力的なアニメができあがる。やや大げさに言えば,アニメの本質な面白さを教えてくれた作品であるように思う。続編を期待したいところだ。

 

9位:『僕の心のヤバいやつ』

bokuyaba-anime.com

【コメント】
“令和版『かぼちゃワイン』”として話題になった本作。主人公の市川京太郎はいろいろと「ヤバイ」中学生なのだが,花田十輝の卓越した脚本と牛尾憲輔の的確な劇伴によって,繊細な恋心を描くことに成功した秀作だ。また山田杏奈役の羊宮妃那の演技が光った作品でもある。間違いなく彼女の代表作となるだろう。2024年1月より第2期の放送が決定している。 

 

8位:『事情を知らない転校生がグイグイくる。』

guiguikuru.com

【コメント】
少し懐かしい風味のキャラクターデザイン。決してトレンドに乗った画風ではないが,観ていくうちに愛着が湧き,最終話の時点では“このデザインでなければ”と思わせる。キャラ(クター)造形が成功している証拠だ。西村さんと高田くんの“友だち以上恋人未満”の関係,そしてそれを見守る大人たちの姿を魅力的に描いた秀作。ぜひとも続編を期待したい。

 

7位:『山田くんとLv999の恋をする』

yamadalv999-anime.com

【コメント】
本体はピュアなラブコメなのだが,ネットゲーム内の出会いというオルタナティブな関係性をベースにしているため,キャラクターの顔ぶれに面白い多様性が生まれている。止め絵や風の表現を使った演出も効果的。浅香守生濱田邦彦ら『ちはやふる』(2011年-)チームの技が光る作品だった。「中間評価」では挙げなかった作品だが,最終話(特にCパート)の出来栄えが素晴らしかったためランクインした次第である。

 

6位:『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』

umamusume.jp

【コメント】
全4話の配信アニメ。尺が短いこともあってか,TVシリーズのようなコミカルなシーンは少なかったが,それがむしろ功を奏したと言える。限られた話数の中で,TVシリーズとは違った風味の演出で的確にドラマを盛り上げた。コンパクトながら見応えのある作品だったと言える。

 

5位:『この素晴らしい世界に爆焔を!』

konosuba.com

【コメント】
めぐみん×ゆんゆんを中心とした女性キャラメインのスピンオフ。カズマのような男性キャラが不在の中,めぐみんとゆんゆんの間で繰り広げられる“夫婦漫才感”がたまらなく面白い。それもあってか,本編と比べ,めぐみんのキャラが“ヒーロー”化していたのも新鮮で面白かった。高橋李依豊崎愛生の演技の弾け具合も高評価ポイント。制作会社はスタジオディーンからドライブに変わったが,スタッフが楽しんで制作していることがよくわかる作品だ。2024年に『この素晴らしい世界に祝福を!3』の放送が決定している。

konosuba.com

 

4位:『【推しの子】』

ichigoproduction.com

【コメント】
横槍メンゴのデザイン(特に眼)をフル活用した止め絵の効果,赤坂アカのストーリーをうまく捌いた各話構成。間違いなく,アニメ化による付加価値が高い傑作である。特に各話ごとに絶妙な“引き”を作って作品を盛り上げたシリーズ構成は,大成功を収めていると言っていいだろう。YOASOBIの主題歌によるOPと女王蜂の主題歌によるEDの出来栄えも見事。第2期の制作が決定している。


www.youtube.com

 

3位:『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』 

kimetsu.com

【コメント】
これまで当ブログで何度も話題にしてきた作品ということもあり,今さらランキング記事で取り上げるまでもなかろうと「中間評価」では挙げなかったのだが,最終話のクオリティが予想をはるかに超えていたため急遽ランクに組み込むことにした。禰豆子が炭治郎を投げ飛ばし,炭治郎が着地するまで,原作ではたった2頁のシーンにたっぷりと尺を使い,炭治郎のモノローグから無音,そして「竈門禰󠄀豆子のうた」へとつなげていく演出は,“これぞufotable”と思わせる極上の技であったと言える。やはりufotableはすごい。続編「柱稽古編」の制作が決定している。


www.youtube.com

 

2位:『天国大魔境』

tdm-anime.com

【コメント】
細やかな日常芝居が光る第1話,象徴的な画作りと劇伴でエモーショナルに仕上げた第8話,制作者の個性を全面に押し出した第10話,そして金子雄司による手描きの美術,Weilin ZhangのOP。1つの作品の中でこれほど多彩な技が繰り出されるアニメもそう多くはないだろう。原作の物語の面白さに加え,アニメという媒体の面白さも伝えた傑作である。『鬼滅の刃』のように,各話が1ミリの隙もなく統一されたアニメも素晴らしいのだが,本作のようにあえて表現を“分散”させたアニメも評価に値する。今のところ続編の報はないが,原作の進捗によっては期待できるかもしれない。というより,続編を作ってもらわなければ困る。

www.otalog.jp

www.otalog.jp

www.otalog.jp

 

1位:『スキップとローファー』

『スキップとローファー』第4話話「ピリピリ カツカツ」より引用 ©︎高松美咲・講談社/「スキップとローファー」製作委員会

skip-and-loafer.com

【コメント】
異世界も冒険もアクションもない。恋愛ですらライトモチーフではない。売れ筋アニメの作法にあえて頼らず,みつみというユニークなキャラを中心に,心の機微や関係性でのみ物語とコメディを成り立たせた傑作だ。趣味も価値観も異なる人物たちが,みつみという不思議な親和力によって自然につながっていくーーSNSの時代において,逆説的に“つながり”よりも“分断”を選択しがちな現代人にとって,心に打ち響くものがこの作品にはある。

一見,素朴な作りのアニメに見えるが,キャラクターデザイン,画面全体の色味,劇伴,声優の演技など,あらゆる点で作り込まれた力作でもある。OPアニメーション(特にみつみと志摩のダンスシーン)も素晴らしく,みつみと志摩のキャラの魅力を大いに高めている。本作も現時点では続編の報はないが,ぜひとも制作してほしいところだ。

www.otalog.jp

www.otalog.jp

www.otalog.jp

 

● その他の鑑賞済み作品(50音順)

『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』『王様ランキング 勇気の宝箱』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『地獄楽』『君は放課後インソムニア』

 

以上,当ブログが注目した2023年春アニメ10作品を挙げた。

毎度のことながら,1位と2位の選出は迷う。今回も『スキップとローファ』と『天国大魔境』に関しては,方向性も世界観もまったく異なる作品なだけに,甲乙をつけるのにたいへん悩んだ。最終的に,当ブログ独自の「考察度の高さ」という評価ポイントに基づいて,『スキップとローファー』に軍配をあげた次第である。

2023年夏アニメのおすすめに関しては以下の記事を参照頂きたい。 

www.otalog.jp