*この記事にネタバレはありませんが,各作品の内容に部分的に言及しています。未見の作品を先入観なしで鑑賞されたい方は,作品を先にご覧になってから本記事をお読みください。
2023年の師走もあっと言う間に過ぎ,2023年秋アニメもほぼすべての作品が放送を終えた。今回の記事では,恒例通り2023年秋アニメの中から,当ブログが特にレベルが高いと判断した9作品をランキング形式で振り返ってみよう。コメントの後には,作品視聴時のTweetをいくつか掲載してある。なお,この記事は「一定の水準を満たした作品を挙げる」ことを主旨としているので,ピックアップ数は毎回異なることをお断りしておく。
- 8位:『カミエラビ』
- 7位:『アンデッドアンラック』
- 6位:『薬屋のひとりごと』
- 5位:『ミギとダリ』
- 4位:『進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)』
- 3位:『呪術廻戦 渋谷事変』
- 2位:『PLUTO』
- 1位:『葬送のフリーレン』
9位:『新しい上司はど天然』
【コメント】
舞台は一般的な日本の会社だが,そこはまるで関係性のユートピアのように優しい世界である。ゆえにそれはあくまでも一種のファンタジーなのだが,それだけに,現実世界の僕らに不足している様々な価値を示してくれた作品だと思う。“現実逃避”ではなく,“現実治癒”型の作品と言えるだろうか。
『新しい上司はど天然』1話。いいアニメです。「可愛い」を連発してしまうような、マチズモと無縁のソフトな男のイメージ。“男社会”のオルタナティブを提示しているようでいい。アニメーション的にはさほどリッチさはないけど、逆にそのシンプルさがこの作品には合っている。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月7日
#新しい上司はど天然
『新しい上司はど天然』2話。とてもとても素晴らしい話数でした。セミで笑わせ、まさかのロリ崎主任登場でほっこりさせ、最後は回想でほろりとさせる。完璧な展開でしたね。“上司がど天然”という一点だけでここまで広げられるとは。ブラボーです。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月14日
#新しい上司はど天然 pic.twitter.com/3wgOVwxkXK
この作品て表面上は会社員の話なんだけど、根底に“暴力から自由な人たちが寄り合う関係パラダイス”という層があるんですよね。だからちょっとBLっぽく見えるけど、実はBLよりももっとフラットな関係性の絡み具合が見えてくる気がする。白桃ちゃんがいることも関係してると思う。#新しい上司はど天然
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月11日
8位:『カミエラビ』
【コメント】
3DCGの独特なキャラデザ,極端な色彩設計,エキセントリックな世界観。どれをとっても今の“売れ筋”の規格から外れているのだが,それだけにオリジナルアニメとして唯一無二の存在感を放っていたと思う。まだ完結していないため,最終的な判断は下せないが,現時点ではまずまずの評価をしていいだろう。2024年からの続編放送が発表されている。
『カミエラビ』3話。むちゃくちゃ面白い!一見独特に見える3DCGのキャラデザ、実はかなり魅力的に作られてるし、ドギツイ色彩や美術も中毒性があっていい。こういう作品がアニメの多様性を確保してると思う。そして何より刺激的な設定とストーリー。ここはやはりさすがのヨコオさん。#カミエラビ
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月18日
『カミエラビ』12話。とてつもなく心を抉ってくる物語。こういう語り方をするアニメは久しぶりに観た。しかしまだまだわからないことだらけなので、来年の続編楽しみにしてます。唯一無二の作品を手がけたスタッフの皆さま、ひとまずお疲れ様でした!
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月22日
#カミエラビ
7位:『アンデッドアンラック』
【コメント】
ジャンプ原作アニメとして単純に“面白い”と同時に,“絵”としての完成度が高い作品だ。要所で美しい構図や表情を挿入し,キャラクターや場面の情緒を的確に伝えてくる。またOPとEDのアニメーションと主題歌も素晴らしく,本編とは異なる趣向で本作の魅力を引き出し,作品全体に深みを与えている。本編とOP・EDとの理想的な関係を示す事例としても価値がある作品と言えるだろう。
『アンデッドアンラック』5話。ジャンプらしい部分と、アニメ化によってそこをやや超えた部分とを持つ作品な気がしますね。なんにせよ面白い。「否定」がキャラの存在の存立要件になるとか、サルトルっぽくていいですよ。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月3日
#アンデラ
『アンデラ』7話。とてもいい話数でした。女の子の数字が下がった後の、風子→シェン→男の子のアップの連携がいい。この辺りのシーンはカット割りが小気味良くて見応えありました。それと、「スポイル」のイメージに抗うように鮮やかな向日葵と、向日葵のように直向きな花嫁。#アンデラ pic.twitter.com/Lups1RZ60a
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月17日
『アンデラ』9話。素晴らしい話数でした。この作品のアニメーションが面白いのは、一見アクションメインに見えながら、要所で“絵”を見せるところなんですよね。そのタイミングが実に小気味いい。#アンデラ pic.twitter.com/ba0o9WnUS6
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月1日
最後のこのシーン、影に入っていた手前の向日葵に、先生の回想シーンを挟んだ後に陽が当たるとこなんか憎いですね。エモーショナルな演出がうまい作品だと思います。#アンデラ pic.twitter.com/NkN1VK6iwJ
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月1日
6位:『薬屋のひとりごと』
【コメント】
魅力的なデザインと悠木碧の演技によって,「薬屋の娘」というユニークなキャラが見事に仕上がっており,かつミステリーとしての物語も面白い秀作だ。作画的な見どころも多く,とくにちな演出回の「#4 恫喝」は演出家と作画担当の個性が遺憾無く発揮された名話数だった。欲を言えばこの手の個性的な話数がもっと観たかったのだが,来年からの第2クールで期待できるかもしれない。
『薬屋のひとりごと』1〜3話。素晴らしかった。猫猫🐈のキャラは魅力的だし、壬氏との関係性もたいへん面白い。作画、演出、美術も非常に丁寧で見応えがあります。何よりキャラの芝居が悠木碧さんの演技とピッタリマッチしていて見事。待った甲斐があった。来週以降も楽しみです。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月21日
#薬屋のひとりごと
『薬屋のひとりごと』4話。ちなさん演出、中谷友紀子さん総作監、もああんさん作監のリッチな回でしたね。素晴らしい話数です。まず猫猫の毒味のカット。やはり薬屋が主役の話ですから、毒味はビジュアル面でのメイン情報となるわけで、
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月28日
#薬屋のひとりごと pic.twitter.com/41DsDE5Xos
この所作がこういう形で丁寧に演出されたのは的確としか言いようがない。そして梨花妃が赤子の手を握るカット。ここはほんとに素晴らしかった。こういうの実写でやってもふーんとしかならないんですが、#薬屋のひとりごと pic.twitter.com/z2SElyEqx0
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月28日
作画で見せられるとキャラの内面が画から匂い立つように感じられるのがアニメの面白いところ。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月28日
さらに猫猫が桔梗を撫でるカット。何気ない所作ですが、動きのタメと流れが美しい。いいもの観させてもらいました。#薬屋のひとりごと pic.twitter.com/wghxJEoZXJ
『薬屋のひとりごと』5話。4話とは打って変わって“美少女”猫猫を前面に押し出した作画。猫猫の化粧を具体的な媒体としつつ、仮象/実在の欺瞞、宮廷のきらびやかさと花街の悲惨を伝えた優れた話数でした。壬氏の距離の詰めかたも、巧みなようでいてどこか初々しくよかったですね。#薬屋のひとりごと pic.twitter.com/blF7opIcwE
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月4日
5位:『ミギとダリ』
【コメント】
サスペンスとしての面白さに加え,美麗なキャラデザや奇抜なキャラモーションなど,アニメーション的な見どころも多い。また堀江瞬,村瀬歩,三石琴乃ら声優陣の演技も非常に面白く,アニメ化による付加価値が大変高い作品だ。しかし最大の評価ポイントは,作品の根底に明確なキャラクターアークの流れがある点だろう。identical twinsの復讐劇で始まった物語が,やがてそれぞれが自己のidentityを見出す物語へと変わって行き,最終話は大きな感動をもたらす。今年亡くなった原作者・佐野菜見への最高の手向けとなったに違いない。改めて,心よりご冥福をお祈りいたします。素晴らしい作品をありがとう。
『ミギとダリ』1話。何かとてつもなく独特なものを見せられた感じ。奇行を全てクールな“見得”として見せる辺り、さすが『坂本ですが?』の作者。ミギダリの瞳が微細に動く演出も面白い。老夫婦のキャラも強烈に濃くて、餃子味のグミを食べたような心地よい違和感がある。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月8日
#ミギダリ #ミギとダリ
『ミギとダリ』2話。いやーこれは…むちゃくちゃ中毒性ありますね。アニメ化による付加価値もとても高い。ひょっとしたら僕らはとんでもない怪作に巡り会えたのかもしれない。そして『セーラームーン』放送から30年余り,三石琴乃さんのこんなに素晴らしい演技を聞けるとは!#ミギとダリ #ミギダリ pic.twitter.com/b5oL87YK1e
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月9日
『ミギとダリ』12話。もう素晴らしい!ダリの「無様に生きろ」。こういうセリフに弱いんですよねー。この時のダリの表情作画と、憎悪の彼岸へと至った村瀬歩さんの演技が抜群。この作品ほんと好きです。秋クールランキング番狂せになるかも。#ミギとダリ pic.twitter.com/sDsb02mc60
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月21日
『ミギとダリ』最終話。本当に本当に素晴らしい作品でした。identical twinsがそれぞれのidentityを見つけようと動き出した最終話。それは“別離”であると同時に、本当の意味でかけがえのない存在との新たな“再会”だったのかもしれない。彼らが見ているのはもう“鏡”ではない。#ミギダリ #ミギとダリ pic.twitter.com/oOq6XRmIMI
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月26日
4位:『進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)』
【コメント】
10年の歳月を経て結末を迎えた『進撃の巨人』。いくらかのーーしかし大きな意味を持つーーアニメオリジナルを盛り込みながら,この今世紀最大のダーク・ファンタジーに終止符を打った大傑作である。WIT制作時代にアクション作画を手がけた今井有文によるラストシーンは,「立体機動」 のアクションと物語の感動が渾然一体となった類まれな映像表現となった。制作会社の変更はとかくマイナスイメージで捉えられがちだが,こと本作に関しては,2つの制作会社の強みが活かされたことが成功をもたらしたと言えるだろう。
『進撃の巨人』最終話。脚本・作画・音楽の面でアニメ班の解釈を確かに伝えた素晴らしい最終話でした。間違いなく日本のアニメ史に遺る傑作だと思います。アニメ版『進撃の巨人』に携わったすべてのアニメ制作者に拍手を。お疲れ様でした!
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月4日
#進撃の巨人
最終話で今井有文さんの絵コンテが観られて本当に嬉しかったです。先ほどもツイートしましたが、僕は3期39話のこのシーンで『進撃』というアニメ作品の途方もないポテンシャルを感じたんですね。改めて、すばらしい最終話をありがとうございました。#進撃の巨人 pic.twitter.com/Gh3e9TpOfd
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月4日
完結編は今井さんが絵コンテ切ったというのもあるんだろうけど、どこかしらWIT時代に回帰した感がある。WIT時代に確立された表現法を、MAPPAの技術に乗せて提示したと言うべきか。いずれにせよ、WIT×MAPPAの代表作としてアニメ史に残りますよ。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月5日
#進撃の巨人
3位:『呪術廻戦 渋谷事変』
【コメント】
『呪術廻戦』は夏アニメのランキングでも1位として挙げた。通常,当ブログでは1つの作品を連続してランクインさせることはないのだが,今回ばかりは例外だ。数多くのアニメオリジナル演出を盛り込みつつ,各話担当の裁量に任せた個性的な話数を繰り出し,原作ファンのみならずコアなアニメファンをも惹きつける大傑作となった。前クールの「懐玉・玉折」は五条悟・夏油傑・天内理子を中心とした青春ドラマが主体だったわけだが,「渋谷事変」では徹底的な殺戮と破壊と絶望が描かれ,2クールの前半・後半の間に大きなコントラストが生まれている。全体的なシリーズ構成の点でも成功している作品である。続編も楽しみだ。
『呪術廻戦』36話。いやよかった…まず冥冥さん。この“モンローウォーク”、このキャラはこう動かして欲しいってところでバシッと決める辺り、流石です。それと今期は『ミギとダリ』も含めて三石琴乃さんの存在感を見せつけられた感じですね。改めてこの方はすごい。#呪術廻戦 #渋谷事変 #ミギダリ pic.twitter.com/ZjKw6XVFPP
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月12日
『呪術廻戦』37話。冒頭5秒で“今回は美術で魅せるぜ”を告知されたかのようで大興奮。渋谷の地下通路というトポスを最大限活かした素晴らしいアクションでした。背景にさらっと説明台詞を“代弁”させる演出とか大好きです。『セーラームーン』31話を思い出しちゃいましたね。#呪術廻戦 #渋谷事変 pic.twitter.com/QqvfO4JNhR
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月19日
今回の『呪術』40話原画担当の温泉中也さんは『モブサイコ100Ⅱ』11話にも原画として参加されていますが、小黒祐一郎さんが「いい意味での暴走」と評価されていたのがとても印象的。「暴走」ですよ。最高の褒め言葉じゃないですか。#呪術廻戦 #渋谷事変 https://t.co/QJGyd5UzBU
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月9日
『呪術廻戦』41話。渋谷の街のみならず、TVアニメとアートアニメとの間の境界線をも吹き飛ばすような壮絶かつ美しい話数でした。バトルシーンなのに新国立美術館の企画展を観てるような気分になるってどういうことなんだろう。#呪術廻戦 #渋谷事変 pic.twitter.com/TH5MmuM7YF
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月16日
この感覚、伍柏諭さんの演出を観てる時に特に感じるんですよね。この宿儺の表情の変化など、伍さんの演出かどうかはからないけど、ほんと素晴らしかった。後ほどブログ記事にします。#呪術廻戦 #渋谷事変 pic.twitter.com/EyKKETDviJ
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月16日
2位:『PLUTO』
【コメント】
「ロボットと心」というテーマ自体は古典的だが,これを浦沢直樹の作画で物語にすると強い説得力が生まれる。それは彼の描く人物の顔(まさしく“Gesicht”)の,ある種のリアリズムに依るのだろう。この浦沢タッチを的確なキャラ芝居によって“生きた”作画として再現したアニメの功績は極めて大きい。原作は2003年から2009 年にかけて発表されたものだが,現代のアニメーション技術で命を与えられたことにより,新たなアクチュアリティをもった作品となった。本作を昨今の“AIモノ”作品の中に位置付け,再評価する機会を設けたという意味でも,原作付きアニメ作品として大きな成果を収めたと言えるだろう。
『PLUTO』1話。これはとても素晴らしい作品。原作未読なんですが、おそらく浦沢先生作品特有の憧憬、寂寥、恐怖が見事にアニメーションになっている。1話だけでも映画を観ているかのようです。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月5日
#PLUTO
『PLUTO』3話。ネタバレになるので詳細は控えますが、とにかく面白い。猛獣に手を差し伸べるウランの手に雨粒が跳ね返るカット(この画像だとわからないと思いますが)、ウランの超越的な感性を表しているようでよかった。それと“浦沢版”ウランがこの上なく“浦沢版”でたまらないですね。#PLUTO pic.twitter.com/cCFVeYarSw
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月9日
『PLUTO』4話。竜巻のシーンの作画と撮影効果がとにかくすごい。とてつもなく高い風圧をこう表現するのかと感心しました。またこの話数は非常に情報量が多いんだけど、詰め込み感がまったくなく、ストレスを感じない。脚本もいいですね。ほんと面白い作品です。#PLUTO #プルートゥ #プルートゥ襲来 pic.twitter.com/gZPgTFcdIz
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月15日
『PLUTO』5話。人間の悲しみに感応するウランの表情、浦沢先生のタッチを完璧に再現していて素晴らしい。目の周辺の影や皺なんですよね(あと鼻の穴)。それでいて単なるトレースではなく、アニメとして生きた作画になっている。しかしシリアスシーンに坂本先生ぶち込んでくるのはずるい(笑)#PLUTO pic.twitter.com/c6m5i5SGvD
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月23日
『PLUTO』6話。3つの涙。仮に同等に悲しい状況で人とロボットが涙を流したとして、僕らはその“真偽”を断定できるのか。できないとすれば、どちらも“本物の涙”か。チューリング・テストにもウォズニアック・テストにも欠けていた“感情”の問題に、僕らはいつか直面することになるだろうか。#PLUTO pic.twitter.com/jOg3l80E93
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月26日
『PLUTO』7話。もうほんと素晴らしい。脚本力・作画力・演出力、どの点においても一級品ですね。あまり話題なってないような気がしますが、特に作画の表現力が素晴らしいです。これはアニメ化して大大大正解の作品でしたね。あと1話、じっくり鑑賞したいと思います。#PLUTO #プルートゥ pic.twitter.com/RuCqVr1mvu
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月2日
『PLUTO』8話(最終話)。とてもとてもとても素晴らしい作品でした。完璧なキャラデザ(特に表情芝居)によって浦沢ワールドを完璧に再現しつつ、強い作画、迫力のモーション、音、間、動、静を加味することで重厚な作品に仕上げていたと思います。#PLUTO #プルートゥ pic.twitter.com/uY2e6tSp1H
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月3日
1位:『葬送のフリーレン』
【コメント】
空間と時間を“有”で埋めるのではなく,“空”で埋める。そこに深い情趣と感情が生まれる。そんな表現がぴったりの作品だ。フリーレン,フェルン,シュタルクを中心としたキャラやアクション作画も魅力だが,この作品の最大の評価ポイントはそうした“余白”の表現にこそある。豊かな青空が人々の心情に寄り添い,ゆったりとした足取りが内的な時間経過を表示する。“減算”が逆説的に生み出す“豊穣”。この豊かな時空間をベースに,キャラたちの日常芝居が丁寧に丁寧に描かれ,“その時その場所に確かに彼ら/彼女らがいた”という定位感が生まれている。hohobunによるEDアニメーションも,本編とは異なる作風でこの“豊穣”を描きだしている。単なる人気作品のアニメ化という以上に,アニメーションとしての表現力が評価されるべき作品だ。来年1月から第2クールが放送される。新たな展開も楽しみだ。
『フリーレン』1〜4話。もうほんっとに素晴らしかった。スカイブルーを“余白”にした構図がとにかくいい。この余白の上に,キャラの細やかな芝居,美しい色彩,声優陣の穏やかな演技,Evan Call氏の的確な劇伴が丁寧に丁寧に,#フリーレン #frieren pic.twitter.com/82O0FZAByE
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年9月30日
まるで真っ白な画用紙の上に水彩絵の具を乗せていくように,丁寧に画が作られている。単に作画が上手いということを超えて,画で作品の空気を伝えている。エルフのフリーレンにとってこの4話分で流れた時はあっという間のはずなのに,なぜかゆったりとした時間の流れを感じる。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/XfS04rLKUL
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年9月30日
それなのに視聴者にとっては体感秒という,とても不思議なアニメ体験。本当に素晴らしい作品です。ちなみに“青”という色彩はどの文化圏でも好まれる色彩。このアニメも世界中の人に愛されると思います。アニメ班のみなさま,ブラボーです!これからも楽しみにします!#フリーレン #frieren
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年9月30日
『フリーレン』6話。シュタルクvs竜のアクションを見せつけたAパート。ここら辺りはさすが『Fate/Apocrypha』の岩澤亨さんと言うべきか。素晴らしいアクションとカメラワークでした。シュタルクの圧倒的な強さが的確にアニメーションになっていた。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/1BBAJsFmo0
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月13日
そして日常芝居の多かったBパート。僕は自他共に認める「椅子座り所作フェチ」なわけですが、このカットのフェルンはもう完璧だった!何度も言ってるんですが、アニメにおいて日常所作ってすごく大事だと思うんですよ。キャラや世界観のリアリティがグッと高まりますからね。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/pbYHxZlCs4
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月13日
『フリーレン』7話。冒頭のフリーレン“早起き”のカットが最高。“蝶が止まる”イメージは悠久の時を生きる存在にピッタリですね。そしてこのアニメは横顔がとにかく美しい。ルネッサンス絵画のプロフィルを思わせるんですよね。4枚目はポッライオーロの『若い女性の肖像』。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/oEQpWjsRXm
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年10月24日
『フリーレン』9話。素晴らしい“アクション”回でした。何が素晴らしいって、アクションでありながら“動”一点張りではなく、フリーレンとフェルンの“静”がきちっと演出されているところ。特にフェルンの足運びやノールックのガードは最高でした。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/MFbgSg3Tr9
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月3日
これによって2人の圧倒的な強さが的確に表されているし、何よりこの作品の根底に静かな時間概念があることが改めて感じられる。アニメ化による付加価値の高い話数でした。リーニエのアクションもたいへんよかった。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/3EMhIO4RQB
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月3日
『フリーレン』11話。フリーレンの祈りの姿から始まったこの話数。僧侶クラフトの生き様に触れ、次第に祈りの手が増えていき、最後に女神への信仰を持たないフリーレンに“感染”する様がよかった。そしてエルフの悠久の生が語られるシーンに挿入される即物的な“死”。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/EDllZx88DB
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月17日
『フリーレン』12話。里長の背伸び、フリーレンの足パタパタと「服だけ溶かす薬」の際の所作、ちびシュタルクが逃げる時の身体の動き。本作らしいきめ細やかな芝居がとても素晴らしかったですね。#フリーレン #frieren pic.twitter.com/HhZ0CSJGgH
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年11月24日
photographの語源は「光で書かれたもの」。しかしどんなに強い光でも、やがては薄れて闇に帰ってしまう。人は人の記憶を継ぎ、忘却という闇を逃れようとする生き物なのかもしれない。“フリーレン”(氷結)というキャラクターは、そんな薄れゆく光をいつまでも留めおきたいという#フリーレン #frieren pic.twitter.com/INbHU2UvEK
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月22日
人の願望のメタファーなのかもしれません。
— 🐾オフレット🐾 (@alter_Ego_3_02) 2023年12月22日
ファンタジーの世界を“動”よりも“静”で伝えた本作。本当に見応えのある素晴らしい作品です。来年からの続編も楽しみにしています。制作スタッフの皆様、素晴らしい作品をありがとう。ひとまずお疲れ様でした!#フリーレン #frieren
● その他の鑑賞済み作品(50音順)
『ウマ娘 プリティーダービー Season3』『シャングリラ・フロンティア』『SPY×FAMILY』『ダークギャザリング』『はめつのおうこく』『星屑テレパス』
以上,当ブログが注目した2023年秋アニメ9作品を紹介した。
5位の『ミギとダリ』は,当初はもう少し下のランクだったのだが,最終話近辺の展開が素晴らしく急遽ランクアップした次第である。アニメは最終話まで観なければ正当に評価できないということを改めて実感した。1位の『葬送のフリーレン』と2位の『PLUTO』に関しては,いずれ作品レビューを執筆する予定である。
2023年冬アニメのおすすめに関しては以下の記事を参照頂きたい。